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2021-10-26 17:51:24

過去のイベントリスクを分析する(その2)

2021/6/16
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

前回のコラムでは、ブレトンウッズ体制が崩壊し、ニクソン・ショック発生後までのリスクイベントを分析した。金価格を長期的な視点で見ると、この1971年以降は地政学的なイベントリスクが非常に多く金価格は実質金利以外の影響が大きかった。この後、第2次オイルショックなどの大きなイベントリスクが比較的立て続けに発生するが、この間の値動きはどうだっただろうか。前回と同様に価格動向を分析、整理してみたい。

1970年代後半から2000年にかけては、世界中でイベントリスクが多数顕在化した。1978年末にOPECが原油価格を4段階に分けて14.5%値上げすることを決定した。これにより原油価格は上昇し、さらに1979年には親米だったイランのパーレビ政権が倒れ、イラン革命が起きる。イラン革命自体は1978年1月に亡命中だったホメイニ師を担ぎ上げて始まった活動の結果、起きたものである。さらにその後、時を同じくして1979年12月にアフガニスタンにソビエトが侵攻、1980年にはイラン・イラク戦争が勃発。1985年にはプラザ合意によるドル協調介入が行われ、レーガノミクスで上昇していたドルが下落に転じる。その後、1990年には第1次湾岸戦争が勃発、1997年から1999年にかけてはアジア通貨危機、ロシア財政危機などの国レベルの信用危機が勃発した。おのおののイベントリスクの背景は、ほかの歴史系のコラムや学術書に詳しい記載があると思うので、このコラムではイベントの概要は以下に主要なものをまとめるにとどめる。

この間の金価格動向を1977年1年間のデータを用いてこれまでと同様、基準価格とリスク・プレミアムに分解したもので俯瞰してみると、現在、最も説明力が高い実質金利(基準価格部分)は金価格に対して説明力がなく、金価格の構成要素に占める金基準価格の構成比率は、1978年1月から2000年12月までの平均で36.9%に過ぎないことが分かる。

ドル指数と比較してみると、相関係数は▲0.14(相関係数の詳しい説明は、第2回「金価格への為替の影響」を参照)。この期間、金価格と実質金利の相関をとると0.34と説明力は若干為替よりも高いが、それでも統計上は無相関である。よく、金はインフレヘッジのために用いられると言われるため、実質金利ではなく消費者物価指数と金価格との相関性を調べてみると相関係数は▲0.06であり、やはりほとんど無相関となった(注:時期を区切れば説明力が高い時期がないこともないが、それほど明確な相関性ではない)。つまり、この時期、金は実質金利や為替以外の要因によって価格が左右されており、かつ、インフレヘッジに用いられたというよりは、上記のイベントリスク顕在化時に、為替変動やリスク回避の為の逃避資産としての意味合いが非常に強かったといえる。

出所:マーケットリスクアドバイザリー社にて作成

なお、前回のこのコラムでも指摘したが1977年の実質金利データを元に回帰分析を行っているので、年限が近い方が説明力が高いのは当たり前である。しかし価格との関係性が維持されているならば、2000年になっても金基準価格の説明力は高いままのはずだがそうはなっていない。ここで注目すべきは、リスク・プレミアムの説明力が増した後、2000年にかけてりスク・プレミアムの説明力が低下している点、イベントリスク発生時の金価格のアップサイドへの反応幅が小さくなっている点だ。確かに有事は金の需要を高めるものの、主要先進国が破綻して資金決済ができなくなるほどのリスクと見なされなくなってきたためと考えられる。もちろん、これらの分析はどこの期間を基準に回帰分析を行うかによって結果は変わってくるが、少なくとも1978年から2000年にかけて、1977年基準を元にした分析は有効に機能しなくなっていることを示唆している。

まとめればこの20年で、時間経過とともに金基準価格の金価格に占める比率が上昇し、徐々にではあるがイベントリスク発生時に高騰する商品、リスク回避の商品、というよりも実質金利で価格が決定される商品としての色彩を強めたといえるのではないか。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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