FOMC 政策金利
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発表時間 |
10/28(水) 27:00(日本時間) |
米FOMC、利上げの行方は…
直近の状況分析
市場の一部に利上げ期待が残っていた9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でしたが、利上げ開始には至らず現状維持となりました。10/2の雇用統計でも非農業部門就業者数が予想以上に伸び悩む数字になりました。さらにニューヨーク連銀総裁は、「米国の景気減速懸念」に言及、年内の利上げの可能性は大きく後退し、多くの金融機関が市場の利上げ開始予想を来年の3月以降に修正しています。
市場による利上げ期待時期の変遷
今年の金融市場は、年初から米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始がいつになるのか判断しにくい不透明感が中国経済の減速懸念と並んで大きなリスク要因となっていました。昨年の終盤時点で有力視されていた6月利上げ説が4月のFOMCで早々と否定されたことで、次なるタイミングとして9月利上げ説が浮上しました。しかし、その9月利上げ開始説も7月の中国株の急落に続く8月の人民元切り下げが発端となって、中国経済が為替政策に手を入れなければならないほど悪化しているとの憶測を呼び、中国経済の減速懸念が急速に広がったことで世界同時株安を招いたことが理由で見送られました。
9月のFOMC後の会見でイエレン議長は、異例とも言える中国や新興国経済への懸念などの外部要因に言及しました。ところが一週間後の講演で議長は、「インフレが引き続き安定的に推移し、米国経済が雇用拡大に向け力強い状態であれば、年内に利上げを開始する」と述べ、再度国内の要因に重点を置く姿勢を示しました。この発言が年内利上げ開始の可能性を残すひとつの要因になっています。10/11、フィッシャー副議長も「米国経済は年内の利上げ実施に値する十分な力強さを備えている」「過去2ヵ月の米雇用者数のデータは失望を誘う内容だったが、労働市場が一段と改善する見通しは全般的に良好」と発言しています。その一方で、ブレイナード理事は、「海外のリスクによって米国のインフレ・成長見通しが不透明になっているため、利上げを拙速に実施すべきではない」と発言するなど、理事の考えに近いFOMCメンバーも多く、FOMC内部の意見が依然として割れている様子が窺われます。
前回発表時(9/17)の振返り(米ドル/円 15分足)
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
FOMC利上げ期待度は!?
今年これまで過去数回のFOMCでイエレン議長は、今後の利上げ開始の判断には、「より明確な証拠が必要だ」と繰り返し述べています。この点を尊重するのであれば、8月以降これまでの経済指標に予想を下回る結果が目立つなど、10月どころか12月の利上げも無理なようにも思われます。実際のFOMCへの影響はないかも知れませんが、国際通貨基金(IMF)も再三にわたり利上げを2016年まで先送りするよう要請しています。最近のFOMCメンバーの発言を素直に受け止めれば、10月の利上げの可能性はほとんどゼロと言えるでしょう。市場ではFRBの利上げ時期テーマがもはや重要なトピックではなくなりつつあり、むしろFOMC翌日に控える米7-9月期GDP速報値や同じ週の金曜日に行われる日銀金融政策決定会合で追加緩和が実施されるかどうかに移って来ているようです。
利上げの可能性が少ないとはいえ、来週10/26からは中国の今後5年間の経済計画発表に加え、FOMC、さらには日銀政策会合と重要イベントが続くため、相場動向は注意深く見極める必要がありそうです。
直近の注目材料
予定 |
国 |
注目材料 |
---|---|---|
10/26(月)〜10/29(木) |
中国 |
『五中全会』 経済計画発表 |
10/29(木) 3:00 (10/28(水) 27:00) |
米国 |
FOMC |
10/29(木) 5:00 |
NZ |
NZ中銀 政策金利発表 |
10/29(木) 21:30 |
米国 |
GDP |
10/30(金) 昼頃 |
日本 |
日銀金融政策会合 |
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FOMCとは
日本でいう日銀の金融政策決定会合に相当する委員会のことで、現在の景況判断と公開市場操作(政策金利の上げ下げや為替レートの誘導目標)の方針が発表され、アメリカの株式市場や為替レート、世界の金融マーケットに大きな影響を与えます。基本的に6週間ごとの火曜日、年に8回開催されます。