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2024-05-04 04:23:21

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年末から来年の相場をけん引!?7-9月期決算を踏まえた注目銘柄(サービスナウ、マイクロソフト、AMDほか)

2023/11/15
投資情報部 榮 聡

今回はほぼ発表が一巡した米国企業の7-9月期決算をとりあげます。決算概況とこれを踏まえた年末相場の見通しに加え、注目銘柄を選ぶ考え方をご説明し、その結果となる注目銘柄をご紹介いたします。

図表1 注目銘柄

銘柄 株価(11/14) 52週高値 52週安値
サービスナウ(NOW) 654.17ドル 656.84ドル 353.62ドル
マイクロソフト(MSFT) 370.27ドル 371.95ドル 219.35ドル
アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD) 119.88ドル 132.83ドル 60.05ドル
イーライ リリィ(LLY) 610.82ドル 629.97ドル 309.20ドル
ネットフリックス(NFLX) 448.65ドル 485.00ドル 273.41ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 7-9月期決算は堅調!!長期金利はピークアウト!?

今回はほぼ発表が一巡した米国企業の7-9月期決算をとりあげます。

第1節で7-9月期の決算概況とこれを踏まえた年末相場の見通し、第2節では第1節の想定をもとに注目銘柄を選ぶ考え方をご説明し、第3節で注目銘柄をご紹介いたします。

〇7-9月期決算は堅調!!2024年予想EPSへの信頼感が増す!?

7-9月期決算は堅調でした。図表2はS&P500指数のEPS増益率の推移で、1-3月期、4-6月期のマイナスから7-9月期は4.1%と前年同期比プラスに回復したことが確認できます。

市場の注目が高い大手テクノロジー銘柄の決算に対する市場の反応はまちまちでしたが、決算数字自体は大半が市場予想を上回り、全体としても市場予想を上回りました。業種別には、コミュニケーションサービス、一般消費財・サービス、金融、公益事業、情報技術などが前年同期比10%以上の増益となって、全体をけん引しています。

通期の予想EPSは2023年が221ポイント、2024年が246ポイントで、前年比11%増と予想されています(FacSet社の集計)。現在は予想PERを計算する基準年が2023年予想から2024年予想に切り替わる時期です。7-9月期決算の堅調が確認されると2024年予想に対する信頼感が高まり、株価の上昇要因になると期待されます。

〇長期金利はピークアウト!?10月小売売上高が重要か

一方、現在の米国株式市場に大きな影響をもっている長期金利については、ピークアウトが見込まれ、上記のような基準年の移行を背景とした株価上昇を邪魔しないと見込まれます。

8月から10月にかけて長期金利がなぜあんなに上昇したのかについては、いろいろな見方がありますが、重要な要因として アメリカの景気指標が非常に強かったことがあげられます。図表3は最近の重要経済指標の予想と実績を並べたものです。

9月雇用統計の非農業部門雇用者数が前月比17万人増の予想に対して同33.6万人増、9月小売売上高が前月比0.3%増の予想に対して同0.7%増、7-9月期GDPが前期比年率4.5%増の予想に対して同4.9%増と強く、長期金利上昇の要因になりました。しかし、このGDP統計で市場が感じる景況感はピークを付けた可能性があります。

10月の非農業部門雇用者数は予想を下回って雇用市場鈍化のトレンドを示しました。今後の米10年国債利回りを占ううえで重要と考えられるのが、明日発表となる米国の10月小売売上高です。

小売売上高は4月から9月まで6カ月連続のプラスで、米国の個人消費は予想外に強いという印象を与え、10年国債利回りが上昇する一因になってきたと思います。

10月から学生ローンの支払いが再開されることや、米国の夏場には一時的な押し上げ要因(テイラー・スウィフトの3年ぶりのコンサートツアーが盛り上がった効果など)があり、その反動が見込まれます。

予想通り前月比マイナスとなると景況感のピークアウト感が強くなり、長期金利のピークアウトも安定して、株価の上昇を支える要因となります。

図表2 7-9月期決算は業績回復を確認!!(S&P500指数採用銘柄の四半期EPS)

注:2023年11月10日時点。
※FactSet社の公表データをもとにSBI証券作成

図表3 米国の景況感はGDPでピークをつけた!?

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2 注目銘柄を選ぶうえでの考え方

第1節では、7-9月期決算が堅調に着地して来期の業績予想に対する信頼感が高まると株価が上昇しやすくなり、さらに、個人消費が減速すると米長期金利のピークアウトが安定して株価上昇の邪魔をしなくなる、という見方をご紹介しました。第2節では、このような想定の中で個別銘柄としてはどのようなものに注目できるか、その考え方をご紹介いたします。

〇物色はグロース優位へ!?

まず、景気が減速気味となり、米10年国債利回りのピークアウトした確度が高まってくると、株式市場の物色はグロース銘柄に傾くことが想定されます。

2024年の業績見通しにおいてけん引が見込まれるセクターも、ヘルスケア、コミュニケーションサービス、情報技術などグロース銘柄を多く含むセクターの予想です。

2023年に浮上した大きな投資テーマに浮上したと言えば「生成AI」と「肥満治療薬」で、これらはグロースでもあるため、来年に向けても注目できそうです。また、個別要因で景気動向に影響を受けにくい増収要因を得ているネットフリックスも注目できるでしょう。

〇生成AI関連の考え方

生成AI関連については、エヌビディアが筆頭の注目銘柄との見方に変更はありませんが、株価が年初来から3倍以上になっていることを考えると利食いをこなす時間が必要とみられ、物色はソフトウェア株に広がるとみています(7月26日付「生成AI関連、エヌビディアの次に注目すべきはソフトウェア株」)。

ソフトウェア株の中では、生成AIを早期に収益に結びつけやすいと考えられる、企業向けソフトウェアが有望と考えられます。消費者向けのサービスは、中長期では非常に大きくなる可能性を秘めていますが、現在はまだ収益化のモデルを探っている段階です。

企業向けのソフトウェアでは、エヌビディアがこの分野の提携先として選んだサービスナウ、ビジネスソフトの「Microsoft Office」を擁するマイクロソフトが注目できます。マイクロソフトよりサービスナウをより重視するのは、企業向けソフトウェア事業の構成比が高いためです。

生成AI関連のハードウェアでは、AMDによるAI計算向け半導体市場への参入の動きが注目されます。同市場は現在エヌビディアによるほぼ独占状態となっていますが、AIを使ったサービス提供を考えるIT大手には、AIコンピュータでエヌビディアの競合企業を育てるインセンティブが働きますので、製品の性能が同等でなくてもある程度入れる可能性があると考えられます。

〇肥満治療薬関連の考え方

肥満治療薬市場について米大手証券から2030年に770億ドルに拡大するとの予想も出ており、この巨大市場を2分すると期待されているデンマークのノボノルディスク(ADRで米国市場にも上昇)、米国のイーライリリィが注目を集めています。(10月4日付「期待高まる肥満治療薬!!市場はどこまで大きくなる!?」

肥満治療薬は過去数十年に何度も株式市場で注目されたことがありますが、今回の薬は本当に効くようです。新型の糖尿病治療薬として使われていた「GLP-1受容体作動薬」が食欲中枢に作用して食欲を抑える働きがあることが知られるようになり、肥満治療薬として使われ始めています。

「ウゴービ」で先行しているノボノルディスクに続いて、11月8日にはイーライリリィの「ゼップバウンド」もFDA(米食品医薬品局)の承認を受けて、いよいよ市場拡大に拍車がかかると期待されています。

〇ネットフリックスを選ぶのは?

最後に、ネットフリックスに注目するのは、共有アカウントの対策の効果が出て、新規加入者が増加しやすい時期が続くと想定されるためです。マクロ的な景気減速、消費減速が想定される中でも、このような要因に左右されにくい個別の増収要因をもつことに価値があると考えます。

図表4 2024年の増益は成長セクターがけん引へ(S&P500指数の11業種別EPS増加率予想)

※FactSet社公表データをもとにSBI証券が作成

3 年末から来年に活躍が期待される銘柄

サービスナウ(NOW)

【企業が生成AIを業務に取り込むときに頼れる存在に】

企業向けに各種ソフトウェアを提供して、業務の自動化を促進するサービスを提供しています。この仕事はAIとの親和性が高く、生成AIが売上増につながりやすい企業として注目しています。

生成AIを業務執行に取り込むためのバーチャル・エージェント「Now Assist」を投入、エヌビディアが企業向けの分野で同社を提携先として選んだほか、コンサルティング大手のアクセンチュア、デロイトなど企業向けサービスで重要な企業と提携を進めています。企業が生成AIの機能を業務執行に生かしていく上で、頼れる存在になりつつあると考えられます。

7-9月期決算は、売上が前年同期比25%増、調整後EPSが同49%増で市場予想を上回り、通期サブスクリプション収入見通しの中央値を前年比25.5%増へ、従来見通しから0.5%引き上げて好調です。

マイクロソフト(MSFT)

【生成AIで課金サービス】

生成AIの機能を付加した「Microsoft 365 Copilot」により、大手ITソフトウェア企業の中では、いち早く生成AIによる課金サービスを始める点が注目されます。Copilotによって、Wordでは原稿案の作成や編集、トーンの変更など、Excelではデータの自動集計や多角的な分析、グラフなどによる可視化などが可能になるとされます。企業向けに1ユーザーあたり月額30ドルで提供され、生成AIが明示的に売上増につながる事例として注目できるでしょう。

エヌビディアを除く大手IT企業の中では、最も効果的にAIを事業に組み込みつつあるとの印象が強まっています。9月の各種報道によると、マイクロソフトの出資比率が49%に達すると言われるOpenAIは、今後1年間に10億ドル以上の利益をあげ、株価評価は800〜900億ドルに達するとされます。

7-9月期決算は、売上・EPSとも市場予想を上回る増収増益でした。企業向けクラウドの「アジュール」の売上伸び率(為替の影響を含む)が4-6月期の前年同期比26%増から同29%増へ上昇、これまでの低下トレンドから脱したことが好感されました。また、PCの出荷台数にリンクする「Windows OEM」の売上が前年同期比プラスに回復したこともポジティブに捉えられます。

アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)

市場で注目を集めているのは、AI計算向けのGPU「MI300」シリーズで強気の見通しが出たことです。7月にはIT大手を含む顧客が同製品を評価しているとコメントしていましたが、今回は10-12月期に量産開始、2024年12月期の売上は20億ドルの見込みと、具体的になって期待が高まっています。

AIコンピュータでは、エヌビディアとの差があると言われているため、市場ではAMDの見通しを完全に信じているわけではないようです。ただ、ある程度の規模でエヌビディアが支配する市場に侵入できるなら非常にポジティブで、逆にエヌビディアにとっては警戒すべき状況だと思います。エヌビディアの決算発表は11月21日の予定です。AMDとの競合について何を言うか注目です。

7-9月期はPC向け、データセンター向けCPUの改善によって、前四半期までの減収減益から前年同期比増収増益に転換しました。10-12月期の売上ガイダンスは前年同期比4〜14%増とモメンタムの改善を見込みます。市場予想は下回りましたが、モメンタム改善であれば、GPUへの期待を邪魔することはないとみられます。

イーライ リリィ(LLY)

【期待の肥満治療薬が承認された】

期待されている肥満治療薬「ゼプバウンド」は11月8日にFDAから承認が下りました。ノボノルディスクの肥満治療薬は既に2022年に投入されていますが、臨床試験のときの平均体重の減少は、「ウゴービ」が約15%、「ゼプバウンド」が約21%でした。

このため「ウゴービ」の発売が早かったものの、イーライリリーの肥満治療薬に対する市場の期待は持続したとみられます。ノボノルディスクから出たポジティブ材料にもイーライリリィの株価が同様に反応し続けたのは、このためと考えられます。

肥満治療薬は2030年に770億ドル(約11兆円)の巨大市場になるとの予想もでており(日本経済新聞記事、モルガンスタンレーの予想)、この市場をデンマークのノボノルディスクとイーライリリーが2分すると見込まれています。イーライリリーの今期売上は336億ドルですので、2030年までにこれを上回る売上の上乗せが期待されていることになり、高い売上成長が続くと期待されます。

ネットフリックス(NFLX)

【共有アカウント対策で加入者増】

今年始めから進めている共有アカウント対策の成果が出ていることが注目できます。7-9月期の加入者純増は876万人と市場予想の620万人を上回りました。

共有アカウントは、例えば友人にログイン情報を教えて不正に視聴させるようなことを指します。会社の推定で約1億人が不正な形で視聴しているとしていますので(9月末の加入者数は約2.5億人)、数年にわたって加入者が増える要因を得たと言えそうです。全部が加入者に切り替わるわけではないでしょうが、加入者が増えやすい時期が続くと期待されます。

業績は四半期の売上が、4-6月期に前年同期比3%増、7-9月期に同8%増、10-12月期に同11%増(会社ガイダンス)と伸びが加速するトレンドです。米、英、仏での一部プランの値上げも業績にポジティブで、アメリカではベーシックプランで2ドル、プレミアムプランで3ドルを引き上げています。

図表5 注目銘柄の投資指標

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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