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2024-05-04 03:34:13

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「中国リオープン」で恩恵が期待される米国株、スタバ、キャタピラー、ナイキほか

2023/1/25
投資情報部 榮 聡

世界経済の成長が鈍化しつつある中、「ゼロコロナ政策」の転換によって成長率の回復が期待される中国経済は「希望の星」になりつつあります。そこで今回は中国経済の回復から恩恵が期待される米国銘柄をご紹介いたします。

図表1 注目銘柄リスト

銘柄 株価(1/24) 52週高値 52週安値
スターバックス(SBUX) 106.64ドル 107.60ドル 68.39ドル
キャタピラー(CAT) 257.61ドル 260.50ドル 160.60ドル
ナイキ B(NKE) 126.83ドル 149.68ドル 82.22ドル
ラスベガス サンズ(LVS) 55.47ドル 55.90ドル 28.88ドル
カーニバル(CCL) 10.68ドル 23.86ドル 6.11ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 「リオープン」で回復が期待される中国経済

今回は減速しつつある世界経済の中で「希望の星」になりつつある、中国経済の回復から恩恵を受ける銘柄群をご紹介いたします。

第1節では中国経済の状況を確認し、第2節で中国経済の回復から恩恵を受ける主要銘柄を列挙、第3節でその中から注目銘柄をご紹介いたします。

〇回復が期待される中国経済

Bloombergが集計している経済予想によれば、中国の実質GDP成長率は、図表2の通り2022年予想の前年比3.0%増から、2023年は同4.8%増、2024年は同5.0%増へ回復が予想されています。

他の主要国・地域の成長率が低下し、場合によってはリセッションに陥ると想定される中、中国経済の回復は世界経済の中で「希望の星」に見えます。

ただ、足もとの中国の経済指標は依然として低迷しています。10-12月期の実質GDPは7-9月期の前年比2.9%増から同1.6%増に鈍化、12月の鉱工業生産は前年比0.1%増、小売売上高は同9.0%減、輸出は前年比11.1%減、輸入は同10.0%減にとどまるといった具合です。

一方、上記のようなハードデータに比べて先行性があるとされる景況感調査では、1月分の中国製造業PMIが前月の47から50へ、中国非製造業PMIが同じく41.6から51へ、4ヵ月ぶりに景気拡大・後退の分岐点とされる50を上回ると予想されています(1/31(火)の発表予定)。

このような改善は、「ゼロコロナ政策」の変更の効果を勘案したものとみられ、そういう意味では当面の中国経済の行方は同政策次第と言えるでしょう。

〇感染者数が増えても政策は維持

中国政府は12月7日の「新10条」と称される通知により、ゼロコロナ政策を転換しました。その後しばらくは、同政策によって新型コロナの感染者が拡大し、政策が逆戻りとなる可能性も懸念されていました。

しかし、足もとの感染拡大に対しても中国政府は政策を変えることはせず、粛々と「リオープン」を進めています。中国の政策変更に対する懸念は後退し、中国経済の回復に対する市場の期待が高まっているようです。

米国および世界の多くの国が景気減速に向かう中、これを支える可能性がある中国経済に対する期待は近年になく高まっていると言えるでしょう。このため株式投資においても、中国経済の回復から恩恵を受ける銘柄に対する注目は高まりやすいでしょう。

なお、昨年10月の中国共産党大会後のゼロコロナ政策をめぐる動きに関しては、12/7(水)付外国株式特集レポート「米国上場の中国株が急騰、「リオープン期待」以外の要因と見通し」をご覧ください。

図表2 主要国・地域の実質GDP成長率

※Bloombergおよび各種資料をもとによりSBI証券が作成

図表3 中国の新型コロナ感染者数推移

※Bloombergおよび各種資料をもとによりSBI証券が作成

2 中国リオープンから恩恵が期待される米国銘柄

中国の経済回復から恩恵を受ける可能性が高い銘柄を、3つの分野にわけて列挙しました。

[1] 中国本土で飲食店を展開する企業

スターバックス(SBUX)
2022年10月期の中国売上は9.3%を占め、同期末の中国店舗数は5,360店です。2020年9月期から2022年9月期にかけての店舗数の伸び率は、全社が15%であるのに対して中国は52%に達しており、中国は同社の成長をけん引する市場となっています。

マクドナルド(MCD)
同社の中国事業は現地フランチャイジー企業からの収入が主で、会社全体の業績に与える影響の程度は詳しく開示されていません。しかし、7-9月期決算リリースでは「中国事業の売上は新型コロナに関係する政府規制により落ち込んだ」と全社業績にマイナスに寄与したことがコメントされており、影響が小さくないことがうかがえます。

[2] 中国本土でモノを売る企業

中国でモノを売る企業で、中国売上比率が高い銘柄です。

キャタピラー(CAT)
2021年12月期のアジア・太平洋の売上が23.0%を占めます。中国の売上は開示されていませんが、23.0%ポイントのうちの大きな部分を占めるとみられます。

また、同社が主力とする建設機械、鉱山機械市場とも世界売上に占める中国比率が高いため、中国市場の好不調は他地域へ波及するため、間接的にも大きな影響があると考えられます。

ナイキ B(NKE)
2022年5月期の中華圏(中国本土のほか、香港、台湾を含む)売上は16.2%を占めます。なお、中国本土にも、リーニン(李寧 )(02331)、安踏体育用品(02020)など、現地で人気の高いスポーツアパレルの企業があります。

テスラ(TSLA)
2021年12月期の中国売上は25.7%を占めます。上海工場は2019年12月に操業を開始、丸3年以上が経過して、年間の生産能力は100万台以上と言われています。

アップル(AAPL)
2022年9月期の中華圏売上は18.8%を占めます。このうちの大部分を中国本土が占めるとみられます。

[3] 中国事業が過半を占めるカジノとクルーズ

米国の主要カジノ企業ではマカオ事業の構成比が高く、米国企業で最も中国の影響が大きい業界です。7-9月期までは中国の「ゼロコロナ政策」による渡航制限の打撃が大きく、また、7月11日から7月22日まではマカオの全カジノが閉鎖命令を受けるなどしました。一方、政策転換による回復余地が大きいと言えるでしょう。

ラスベガス サンズ(LVS)
2022年2月にラスベガス事業を売却したため、現在はマカオとシンガポール事業のみになっています。ラスベガス事業を除いた2019年12月期の売上構成比は、マカオが66%、シンガポールが34%です。

MGMリゾーツ インターナショナル(MGM)
コロナ前の2019年12月期のMGMチャイナの売上構成比は、22.5%でした。

ウィン リゾーツ(WYNN)
コロナ前の2019年12月期のマカオの売上構成比は69.8%でした。

クルーズについては、中国での売上比率はさほど高くないものの、北米や欧州に計上されている売上中に、中国人が航空機で同地に渡航して乗船しているものが含まれ、中国人観光客の動向による影響は見かけよりも大きいと考えられます。また、同業界の中長期成長は中国人の需要がけん引すると期待されているため、株価面では中国の影響を大きく受けます。

カーニバル(CCL)
オーストラリア&アジアの売上は、2019年11月期に12.6%を占めていましたが、2021年11月期には0.9%まで落ち込んでいます。中国を含むアジアは回復余地が大きい地域とみられます。

ロイヤル カリビアン クルーズ(RCL)
アジア・太平洋の売上構成比は、2019年12月期の14.7%から2021年12月期の9.0%まで落ち込んでいます。カーニバルほどではありませんが、回復余地が大きい地域とみられます。

ここにあげた中国関連銘柄の株価推移は市場平均を上回る傾向となっています。図表4はここにあげた11銘柄の株価推移を平均したものを、2022年9月末の水準を100として指数化、S&P500指数と比べています。S&P500指数に対するアウトパフォームは、一貫して拡大傾向にあることがみてとれます。

個別でテスラについては、マスクCEOによるツイッター買収の余波、製品価格の大幅引き下げ、販売台数の市場予想に対するショートなどを受けて2022年9月末比で46%の大幅下落となっています。アップルの株価も不調で2%の上昇にとどまっています。

一方、この2銘柄以外はS&P500指数の12%上昇を上回る上昇となっています。特に、キャタピラー、ナイキ、ウィンリゾーツ、カーニバル、ロイヤルカリビアングルーズは50%以上の大幅な上昇です。

図表4 中国関連銘柄 VS S&P500指数

注:第2節で中国関連銘柄としてあげた11銘柄の株価の平均です。最後のデータは1/23(月)。
※BloombergデータをもとにSBII証券が作成

3 中国リオープン関連の注目銘柄

スターバックス(SBUX)

【中国事業の回復に期待】

・同社業績の足を引っ張ってきた中国事業では「ゼロコロナ政策」に緩和の兆しが出ていることから、2023年9月期には改善が期待されます。7-9月期の中国の既存店売上は前年同期比16%減でした。10-12月期も前年同期比マイナスが見込まれますが、通期では徐々に改善となる期待があります。

・7-9月期決算は、グローバルの既存店売上が前年同期比7%増(客単価の上昇が8%ポイント貢献)と市場予想の同4.1%増を大きく上回りました。米国の既存店売上は同11%増と伸び、経営陣は店舗改装の効果が表れているとコメントしています。売上は前年同期比3%増、調整後EPSが同18%減で、いずれも市場予想を上回りました。売上については、今年度は13週間、前年同期は14週間での比較ですが、前年度も13週間に揃えた比較では同11%増でした。

キャタピラー(CAT)

【需要は堅調】

・建設機械および鉱山機械の世界的大手です。サプライチェーン問題、長期金利上昇、経済成長率の鈍化など向かい風は強いものの、7-9月期決算で示された最終需要の堅調、受注残の増加などを考えると2022年の二桁増益に続いて2023年も増益が可能と考えられます。アジア太平洋全体の売上構成比が17%のため、中国売上の構成比はさほど高くありませんが、中国が経済再開することによる波及効果が期待できるでしょう。

・7-9月期決算は、売上が前年同期比21%増、EPSが同49%増で、市場予想をそれぞれ2%、24%上回って好調でした。売上増は販売価格引き上げのほか、ディーラーの在庫引き上げに加えて最終需要も堅調で販売数量も伸びました。部門別売上は建設が前年同期比19%増、資源関連が同30%増、エネルギー&運輸が同22%増でした。受注残は前年同期比94億ドル、2022年6月末比でも16億ドルの増加となりました。

ナイキ B(NKE)

【中国市場の回復に期待】

・スポーツ用品の世界首位企業です。2022年5月期の売上構成比に占める中国割合は16%と比較的高くなっています。6-8月期決算では、ナイキブランドの北米売上が前年同期比13%増に対して、中華圏は同16%減(為替の影響を除いて同10%減)と業績の足を引っ張っていました。中国のリオープンは業績の改善に貢献すると期待されます。

・9-11月期決算は、売上が前年同期比17%増(ドル高の影響を除いて同27%増)、EPSは同2%増となって市場予想を上回りました。中華圏の売上は前年同期比3%減でしたが、在庫を減らすためのセールを行ったことで北米が同30%増、アジア太平洋&南米が同19%増となってカバーしました。在庫水準は前年同期比43%増ながら、絶対水準では6-8月期末から若干の低下となったことから、在庫問題の峠は越したとの見方が広がりました。

ラスベガス サンズ(LVS)

【売上の7割近くを占めるマカオ事業の回復に期待】

・統合リゾート(IR)の開発・運営を行う世界的なリーディング企業です。2022年2月にラスベガスの主力事業「ザ・ベネチアン・リゾート」を売却してアジアに注力しています。マカオの「ザ・ベネチアン・マカオ」「フォー・シーズンズ・マカオ」「サンズ・マカオ」など5つのIR、シンガポールの「マリーナベイサンズ」が主要資産です。2021年12月期の売上構成比は、マカオが68%、シンガポールが32%です。

・7-9月期の売上は10.1億ドルで前年同期比17%増と回復傾向が続いているものの、調整後の純利益は2.1億ドルの赤字が続いています。シンガポールの渡航規制が2022年4月に緩和されたことを受けて改善した一方、マカオは中国の渡航規制の影響を受けてマカオのカジノ来訪者数は、2019年7-9月期に比べて9%の水準にとどまっています。マカオについては、中国のコロナ規制が緩和されることで回復余地が大きいと言えます。

カーニバル(CCL)

【今四半期の稼働率は90%まで回復へ】

・世界最大のクルーズ会社。クルーズ業界は寡占状態にあり、上位3社が世界シェアの4分の3を占めます。うち首位のカーニバル が40%と高く、その他の2社はそれぞれ24%、10%です(新型コロナ感染拡大前の2019年)。カーニバルの代表的なブラン ドは「カーニバル・クルーズ・ライン」や「プリンセス・クルーズ」です。事業別売上高構成比(21.11期)は、NAA(北米とオース トラリア)セグメントが58%、EA(ヨーロッパとアジア)セグメントが38%、その他が5%です。

・9-11月期決算は売上高と稼働率が市場予想を下回りましたが、1株当たり損益は市場予想をやや上回りました。経営陣は 12-2月期の稼働率が90%に回復すると見込んでいます。予約状況については、新型コロナ関連の乗船プロトコルの緩和により件数 は増加し、キャンセルの傾向も改善していると説明しています。9-11月期の予約金はコロナ前を上回り、過去最高となりました。

図表5 中国関連銘柄 VS S&P500指数

注:各社の今期は、スターバックスが2023年9月期、カーニバルが2023年11月期、その他は2022年12月期です。
※BloombergデータをもとにSBII証券が作成

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