ホーム > 2018年の相場大予想 > 2018年の国内株式 重要セクター:中小型株式
2018年の国内株式 重要セクター:中小型株式
引き続き「クラウドの普及」と
「Webへの移行」が継続しそう
2018年の中小型株式の展望は?
2018年の中小型株式は引き続き好調に推移する見通しです。2017年の中小型株式はラッセル野村の中小型株指数が年初来で25.0%、東証マザーズ指数が27.3%、JASDAQが42.6%それぞれ上昇(いずれも12/21時点)と日経平均の19.6%上昇を上回りました。
JASDAQのバリュエーションを見ると予想ベースで、PERが20.74倍、PBRが1.65倍と日経平均のそれぞれ15.10倍、1.32倍と比較して著しく割高にはなっていません。ROEが高くなおかつEPSの成長率が大型株に比べ高いのが背景です。世界経済が安定して拡大する中、相対的に成長市場に特化した企業が多い中小型株の優位性が2018年も発揮されそうです。
リスク要因としては、地政学リスクの高まりや世界的な金融不安などが発生し株式市場が不安定になるケースです。その場合は、相対的に流動性への懸念が高くストックが脆弱な中小型株式のパフォーマンスが悪化する可能性があります。
2018年の中小型株式のキーワードは?
情報通信やIT関連では引き続き「クラウドの普及」と「Webへの移行」が継続しそうです。
電機関連の「IoT」、「AI」と合わせて息の長いテーマとなりそうです。内需関連では、労働需給の逼迫や働き方改革の実現に伴い「人材」が要注目です。「シルバー市場」も派手さはありませんが着実に成長しています。
東京五輪まであと1,000日を切ったため、インフラ関連以外のこれまであまり注目されていない「隠れ五輪」銘柄にも要注目です。具体的には会場のディスプレイやテロ対策、インターネットを含む警備などにも注目しています。外需関連では「中国の設備投資・ハイテク化」恩恵銘柄も新たなキーワード候補です。
2018年の中小型株式のキーワードに関連する銘柄は?
前述のキーワード要素にそってピックアップすると「Web移行」と「人材」でMS-Japan(6539)。「Web移行」と「IoT」でピーバンドットコム(3559)。「Web移行」と「シルバー市場」で鎌倉新書(6184)。同じく「隠れ五輪」ではヒビノ(2469)、乃村工藝社(9716)など。「中国の設備投資・ハイテク化」では大真空(6962)、リオン(6823)。キーワード以外では再生エネルギー関連のレノバ(9519)などの銘柄があげられます。
長谷川 稔 (はせがわ みのる)
SBI証券 投資調査部(中小型株担当 シニアアナリスト)
福島県福島市出身。1979年北海道大学経済学部卒業後、大和証券調査部に入社し証券アナリスト業務を開始。91年以降はSGウォーバーグ、BZW、ドイチェなどの外資系投資銀行で鉄鋼・非鉄など素材産業を中心に調査・分析を行ってきた。99年からはバイサイドに転じ、三井住友アセットマネジメントで素材産業や中小型株のアナリストとして年金基金および投資信託の運用に直接携わってきた。2017年3月より現職。幅広いセクター経験、機関投資家としての運用実績を生かして、有望個別銘柄の発掘に注力。