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どうなる?2017年の為替相場
SBIリクイディティ・マーケット社に聞きました!
「どうなる?2017年の為替相場」
日本のマーケット展望 : SBI証券 投資調査部長 鈴木英之 │ フィスコ リサーチレポーター 三井智映子氏 │ SBI証券 投資調査部 藤本誠之
為替、海外マーケットの展望 : SBIリクイディティ・マーケット社 │ SBI証券 投資調査部 シニアアナリスト 榮 聡
投資信託の注目点 : ウエルスアドバイザー 代表取締役社長 朝倉智也氏
2016年の振り返りと2017年の為替の展望をお聞かせください |
毎年12月に選定される今年の漢字は2000年、2012年同様、「金」が選ばれました。
しかし、金融市場の2016年を表すとすれば「驚」もしくは「戻」ではないかと思います。
年初から6日続落して取引開始となった日経平均や原油価格の26ドル台への下落に続き1月末の日銀政策会合では「マイナス金利」の導入がありました。ドル円は直後の121円70銭の高値から6月の英EU離脱を巡る国民投票後の99円の安値まで下落する円高・株安が進んだ上半期でした。
8月の日銀政策会合では、「量的緩和の検証」が掲げられ、9月には「量から金利」重視の政策に転換しました。
さらに米大統領選では「変化」を求める米国民の意向が「ポピュリズム」のうねりとなってトランプ共和党候補が次期大統領に選出され、積極的な財政政策や減税策を提唱したことから株高・金利高・ドル高の流れを強めながら2016年を終えようとしています。
加えて、OPEC総会での「減産合意」も期待インフレを上昇させる一因となり来年の米FRB金融政策も年3回のペースでの利上げが見込まれています。
やや期待先行ではあるもののトランプ新大統領の政権運営が「強いアメリカの再現」につながるか、外交力を含めた手腕次第でドル高・株高・金利高が当面続きそうです。
ズバリ!ドル・円、ユーロ・円相場はどのレンジで動くかお聞かせください |
ドル円は、日米金利差拡大を背景に120円を挟んで上下3円〜5円程度での推移を予想します。黒田日銀総裁の掲げる2%のインフレ目標も原油高や円安の進行次第では予想以上に早く達成する可能性があるかもしれません。例えば、2016年1月に決定された「マイナス金利」の解除も見込まれ、金融・証券・保険といった業種を中心に業績改善期待が高まり、日経平均を押し上げ、円安の足かせデメリットを相殺することで、過度な円高回帰は起こりにくいのではないでしょうか。
また欧州圏では政治的な不安定さが懸念されることもあり、ユーロ安が一段と進むと思われます。従ってユーロ円は対ドル、対円のどちらに強い影響が出るのか難しいところですが、ユーロが1.00ドルへ向かうと想定すればドル円とほぼ同じような値幅で推移するものと考えられます。
さらにトランプ次期政権の掲げる積極的財政政策や減税策は議会の法案通過を考慮すれば早くとも2017年秋以降の政策実現が予想されますが、政策実行までの期待を繋ぎとめるだけの新たな政策提言などを背景にして、雇用促進を通じた諸外国からの米国への資金流入や投資が加速する可能性もあり、ドル高の流れは継続すると見られます。
2017年注目の通貨(国)をお聞かせください |
安倍首相が伊勢志摩サミットで財政政策を強く訴えましたが、金融政策から財政政策への転機となったのも2016年の特徴の一つだったかもしれません。
2017年イタリアのタオルミーナで開催される予定のサミットでは安倍首相が最も安定した政権を担うリーダーとしてより注目を集めることになるかもしれません。
2016年、伊勢志摩サミットに出席していた少なくともアメリカ、フランス、イタリアの各国首脳の交代は既に決まっており、トランプ次期大統領をはじめとする世界首脳会議では新たな顔ぶれが揃うはずですが、そうした中で日本の安倍首相のリーダーシップが注目されます。
加えて、オバマ政権時代の米国は、それまで保持されていた世界の中で覇権を失いつつあり、中国の台頭が世界の無秩序さを正当化させていることが中東の不安定化やイスラム国の勢力拡大につながっている部分もあり、金融市場での「強いドル」が政治面でも「強い米国」と密接に関係していることを、あらためて認識する2017年になると思われます。
日本のマーケット展望 : SBI証券 投資調査部長 鈴木英之 │ フィスコ リサーチレポーター 三井智映子氏 │ SBI証券 投資調査部 藤本誠之
為替、海外マーケットの展望 : SBIリクイディティ・マーケット社 │ SBI証券 投資調査部 シニアアナリスト 榮 聡
投資信託の注目点 : ウエルスアドバイザー 代表取締役社長 朝倉智也氏