2016年の日経平均株価は2015年高値を更新へ

2015年の東京市場では、年前半はおおむね上昇基調で推移し、日経平均株価は6/24に20,868円03銭と、年初来高値を付けました。円安や企業業績拡大への期待が追い風になりました。しかし年後半は、中国経済への不安や、米政策金利引き上げをにらんだ新興国からの資金流出懸念などもあり、9/29には16,930円84銭の安値を付けるなど、やや波乱含みの展開となりました。結局、日経平均株価は2015年末、前年末の17,450円77銭から上昇して終わりました。

2016年はどうなるでしょうか。アンケートでは回答先の4分の3強が日経平均の高値予想として21,000円〜23,000円という結果となりました。2015年4月に、2000/4/12以来の高値を更新しましたが、もしアンケート通りであれば、消費税が2回目に引き上げられる前に付けた1996年6月の22,666円が視野に入ることになります。一方、安値については17,000円〜19,000円との回答が全体の3分の2を占めました。

※質問項目と回答数（★の数は回答数を示す）

すでに述べたように、日経平均の高値は2015年の高値を超えてくるというのが多数派意見です。うち、日経平均の高値予想を23,000円とする回答が1社ありました。仮に、7月の参議院選挙が衆議院との同時選挙になり、安倍政権が勝利した場合、長期安定政権の様相を呈してくる可能性があり、株高要因になると予想されます。
なお、高値を付ける時期としては、10〜12月が全体の65%、4〜6月が24%という結果でした。前半は原油安や中国経済下振れへの懸念が残ること、参議院選挙で安倍政権が勝利すれば、長期安定政権化への動きを好感し、後半に買われやすいという読みがあるようです。

全体の88％（15社）が、2016年の安値は2015年（16,930円）を上回る予想との回答です。さらにそのうちの4社は19,000円以上が安値と予想しており、2015年末の株価水準の近辺が2016年の安値になるということになります。
2016年の日経平均の下押し要因としては、米金融政策があげられます。米国の利上げペースが早まるようなことがあると、悪影響が出てきそうです。その意味で、米国時間の3/16（日本時間3/17）に結果発表のFOMC（米連邦公開市場委員会）に要注目です。また、国内景気に減速感が強くなってきた場合、それでも消費税再引き上げを断行するのか否かも論議になりそうです。