会社四季報には、紙ベースの冊子である「会社四季報（＝以後冊子とする）」と、web上のサービスである「会社四季報オンライン（＝以降オンラインとする）」の2つがあります。 どちらを使ったらよいかというご質問をよくお受けするのですが、私はいつも「どちらもうまく活用した方が良い」とお答えしています。

冊子はパラパラめくることで関連する銘柄やテーマを見つけることができますが、例えば「営業増益率30％以上」という数字の条件で銘柄を選びだすことはできません。
オンラインは、有料サービスになりますが「スクリーニング」という機能があり、それを使えば一瞬で「営業増益率30％以上」の銘柄を選びだすことができます。
その反面、コメントの文脈やチャートの形から変化を感じるといった「アナログ判断」が難しいという側面があります。
ただしオンラインが便利なのは確かで、「検索」機能で気になるキーワードを入力すると、最新号の四季報からそのキーワードが記載された銘柄を抽出することもできます。
例えば、webセミナーでご紹介した2018年秋号の気になるキーワードの「フィリピン」を入力すると81件の銘柄がヒットしてきますが、そこに出てくる銘柄のコメントを読むだけで、どのような企業が、どのような活動をフィリピンで展開しているかを知ることができます。

私の本でご紹介しているテンバガーの条件、�@増収率が20％以上、�A営業利益率10％以上、�Bオーナー企業、�C上場5年以内の4つの条件も、�Bのオーナー企業以外の3つの条件はスクリーニング機能を使って銘柄を絞り込むことができます。
ちなみに�Bのオーナー企業以外の3つの条件で銘柄を絞り込むと銘柄数は16まで絞り込めますが、そこから先のオーナーかそうでないかは、1銘柄ずつ四季報ページを開いて確認するしかありません。
それでも四季報を全て読破する事から考えれば、銘柄をさがす労力を大きく減らすことができると思いますので実践してみてください。

私は四季報読破を終えた上で、実務的には「増収率を10％以上」、「営業利益率プラス（※営業赤字ではない）」と条件を緩めて銘柄数を増やし、そこから再度四季報記事をじっくり読みなおすという「アナログ判断」を多く採り入れる「オンラインと冊子の併用」を実践しています。

今回は四季報分析の第一人者である渡部清二さんをお呼びして、当社投資情報部シニア・マーケットアドバイザーの雨宮京子が2018年4集秋号の注目ポイントについてお話を伺いました。
皆さまの投資のご参考になれば幸いです。