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2021-12-02 22:45:15

金は長期金利上昇が再開すると圧迫要因に

2021/10/18
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は経済指標で景気見通しを確認

10月11日の週のニューヨーク金市場は、米生産者物価指数(PPI)が事前予想を下回り、米国債の利回り上昇が一服したことをきっかけに買い戻し主導で急伸した。中心限月となる12月限は9月15日以来の高値1,801.9ドルを付けた。ただ好調な米小売売上高を受けて米国債の利回り上昇が再開すると、戻りを売られた。米金融当局者の関心は米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)から利上げ時期に移っており、今後発表される経済指標と景気見通しを確認したい。

9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇し、前月の5.3%から伸びが加速した。原油高などを受けてインフレ懸念が強く、米10年債利回りは1.617%まで上昇し、6月4日以来の高水準となった。ただ米生産者物価指数(PPI)が事前予想を下回り、インフレに対する警戒感が後退すると、上げ一服となった。9月の米PPIは前月比0.5%上昇し、事前予想の0.6%上昇を下回った。米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、現在の高インフレは米連邦準備理事会(FRB)当局者の大半が想定するほど早期に緩和されない可能性があるとし、FRBに対して資産買い入れプログラムの迅速な縮小を改めて求めた。一方、9月の米小売売上高は前月比0.7%増と、事前予想の0.2%減から予想外に増加した。価格上昇を背景とした自動車販売店の売上高拡大が寄与した。今後発表される経済指標が好調な内容になると、米国債の利回り上昇が再開し、金の戻りは売られることになりそうだ。今週は9月の米鉱工業生産や10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数などの発表がある。

国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しを発表し、供給網の混乱と物価上昇圧力が新型コロナウイルス危機からの回復を阻害しているとして、米国、中国、日本など主要国の成長率予想を引き下げた。2021年の世界経済の成長率予想は5.9%と7月時点の6.0%から下方修正した。米国が6.0%と前回予想の7.0%から引き下げられた。バイデン米大統領が提唱するインフラ投資法案を議会が承認することを前提としており、今後の協議の行方も確認したい。世界経済見通しが下方修正されたが、金ETF(上場投信)から投資資金が流出し、逃避買いは見られなかった。

中国の不動産会社の経営不安に対する懸念が強いが、欧米の株価は押し目を買われて堅調となった。他国に波及するとの見方は少ないが、電力不足に対する懸念もあり、中国の製造業活動など今後の行方も確認したい。中国地産集団は、15日に返済期限を迎えた2億2,600万ドルの社債を償還できず、債務不履行(デフォルト)に陥ったと明らかにした。中国恒大集団の債務不履行(デフォルト)懸念をきっかけとした不動産会社の経営危機が相次いで明らかになった。ただ中国人民銀行の金融市場担当責任者は、経営危機に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の債務問題が金融システムに及ぼす波及効果は制御可能だと述べた。

10月15日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.95トン減の981.10トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)見通しを受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月12日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは18万5,539枚となり、前週の18万2,582枚から拡大した。今回は新規買いが2,564枚、買い戻しが393枚入り、2,957枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは景気回復見通しが支援

ニューヨーク・プラチナ10月限は、米国債の利回り上昇一服による金急伸や株高を受けて堅調となり、8月2日以来の高値1,064.2ドルを付けた。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)見通しに変わりはないが、景気回復見通しなどを受けて約2カ月半ぶりの高値を付けている。米小売売上高が予想外に増加しており、今後発表される経済指標が好調な内容になると、需要増加期待がプラチナの支援要因になりそうだ。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、14日のロンドンで20.83トン(前週末19.78トン)、ニューヨークで38.11トン(同38.11トン)、南アで13.65トン(同13.65トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月12日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万0,919枚となり、前週の5,515枚から拡大した。

ニューヨーク金は1,800ドルの節目を試す

ニューヨーク金12月限は米国債の利回り上昇が一服したことをきっかけに買い戻されて急伸し、9月15日以来の高値1,801.9ドルを付けた。中長期の節目となる200日移動平均線(15日1,803.6ドル)直前まで上昇した。ただ9月の米小売売上高が予想外に増加すると、米国債の利回り上昇が再開し、上げ一服となった。米金融当局者の関心は米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)から利上げ時期に移っており、金融引き締め見通しに変わりがなければ金の戻りは売られることになりそうだ。

10月18日からの週の注目ポイント

18日 中国国内総生産(7-9月期) ☆☆☆
中国小売売上高(9月) ☆☆
中国鉱工業生産(9月) ☆☆
米鉱工業生産・設備稼働率(9月) ☆☆
対米証券投資(8月) ☆☆
19日 米住宅着工・許可件数(9月) ☆☆
20日 貿易収支(9月速報) ☆☆
英消費者物価指数(9月) ☆☆
ユーロ圏国際収支(8月)
ユーロ圏消費者物価指数(9月確報) ☆☆☆
米地区連銀経済報告(ベージュブック) ☆☆
21日 米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(10月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米中古住宅販売統計(9月) ☆☆
22日 消費者物価指数(9月) ☆☆☆
英小売売上高指数(9月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(10月速報) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(10月速報) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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