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金はQE相場で上値を試す
2020/4/13
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米FRBの相次ぐ緊急対策が支援
4月6日の週のニューヨーク金市場は、高水準の米新規失業保険申請件数で労働市場の悪化が示されたことや、米連邦準備理事会(FRB)の資金供給を受けて堅調となった。期近6月限は一代高値を更新し、1,754.5ドルを付けた。
米新規失業保険申請件数は660万6,000件と前週の686万7,000件から減少したが、事前予想の525万件は上回った。3週連続で急増し、労働市場が急速に悪化している。トランプ米政権は6日、中小企業に対する追加的な2,500億ドルの支援を可決するよう議会に要請した。米連邦準備理事会(FRB)は9日、地方政府のほか、中小企業を含む一般企業に対する総額2兆3,000億ドルの支援策を打ち出した。米クリーブランド連銀のメスター総裁は、緊急行動はまだ終わりに達していないとの見方を示し、追加支援が必要になり得る分野として州・地方政府の財政を取り上げた。経済指標の悪化が予想され、米FRBの緊急対策が続くと、金の支援要因になるとみられる。また欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は5,400億ユーロの対策で合意した。各国中銀の量的緩和(QE)や経済対策で大量の資金が投入されている。当面は経済指標の悪化が示され、景気後退が予想されている。景気回復は2021年との見方が出ており、QE相場が続くと、金価格を押し上げるとみられる。
プラチナは欧米の経済活動再開の時期を見極め
ニューヨーク・プラチナ期近7月限は金堅調や株高を受けて3月16日以来の高値760.2ドルを付けたが、景気の先行き懸念に上値を抑えられた。金は各国中銀の量的緩和(QE)や経済対策を受けて逃避買いが入り、上値を試したが、プラチナは強弱材料が交錯し、もみ合いが続いている。新型コロナウイルスの感染拡大による工場閉鎖で需要が減少する一方、鉱山会社の操業停止で供給がひっ迫している。新型コロナウイルスの終息期待も出たが、当面は経済指標の悪化が見込まれている。欧米の経済活動の再開時期も不透明であり、当面は感染拡大の行方が引き続き焦点である。ただ感染源となった中国の武漢市の封鎖が解除されており、中国勢の買いが入ると下支え要因になるとみられる。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、8日のロンドンで16.32トン(前週末16.25トン)、9日のニューヨークで22.95トン(同22.95トン)、8日の南アで25.89トン(同26.20トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、4月7日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万9,021枚となり、前週の1万9,848枚から縮小した。手じまい売り・新規売りが出た。
ニューヨーク金は一代高値を更新
ニューヨーク金6月限は米国の労働市場の悪化や米連邦準備理事会(FRB)の資金供給を受けて一代高値1,754.5ドルを付けた。各国中銀の量的緩和(QE)や経済対策で大量の資金が投入されていることが金の支援要因である。金ETF(上場投信)への逃避買いも続いており、テクニカル面で強気である。新型コロナウイルスの終息期待も出ているが、景気回復は2021年との見方が出ており、QE相場が続くと、金は堅調に推移するとみられる。
4月13日からの週の注目ポイント
13日 | 豪州・欧州休場 | ☆ |
米財政収支(3月) | ☆☆ | |
14日 | 中国貿易収支(3月) | ☆☆ |
米輸出入物価指数(3月) | ☆ | |
15日 | 米小売売上高(3月) | ☆☆☆ |
米ニューヨーク連銀製造業景況指数(4月) | ☆☆ | |
米鉱工業生産・設備稼働率(3月) | ☆☆ | |
米企業在庫(2月) | ☆ | |
米地区連銀経済報告(ベージュブック) | ☆☆ | |
対米証券投資(2月) | ☆☆ | |
カナダ銀行政策金利発表 | ☆☆☆ | |
16日 | ユーロ圏鉱工業生産(2月) | ☆☆ |
米住宅着工・許可件数(3月) | ☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(4月) | ☆☆ | |
17日 | 中国国内総生産(1-3月期) | ☆☆☆ |
中国小売売上高(3月) | ☆☆ | |
中国鉱工業生産(3月) | ☆☆ | |
ユーロ圏消費者物価指数(3月確報) | ☆☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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