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2021-10-26 18:03:13

金は米FOMCの利上げ予想などが圧迫

提供:SBIゴールド

金は米両院協議会での税制改革の一本化作業の行方も確認

12月4日週のニューヨーク金市場は、米税制改革の年内成立期待を受けて軟調となり、2月限が7月18日以来の安値1,244.4ドルを付けた。米上院で2日に税制改革法案を可決したのち、米下院と上院が両院協議会での一本化作業を承認した。コーニン米上院議員は、議会は税制改革法案を22日までに取りまとめ、トランプ米大統領のもとに署名のために送ることができるとの見方を示した。米上下両院が可決した税制改革法案では法人税率の実施時期などについて違いがあり、両院協議会での協議の行方と各市場の反応を確認したい。一方、11月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は22万8,000人増、失業率は4.1%となった。非農業部門雇用者数の事前予想19万5,000人増を上回り好調な内容となったが、平均時給が前月比0.2%増と事前予想の0.3%増を下回った。12〜13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが予想されているが、賃金の伸び悩みで低インフレが続くと、来年以降の利上げ観測が後退する可能性もある。また米長期債の利回り上昇が抑えられており、米FOMC後の利回りの動向も焦点である。

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉について、アイルランドの国境問題で行き詰まる場面も見られたが、ユンケルEU欧州委員長とメイ英首相は8日、離脱清算金、アイルランド国境問題、在英EU市民の権利保証の3項目で基本合意したと発表した。欧州委員会は交渉に「十分な進展」があったとして、両者の将来の通商関係など「第2段階」の協議開始を勧告し、14〜15日に開かれるEU首脳会議で承認され、年明けに協議が始まる見通しとなった。英国のEU離脱交渉で前半のヤマを越えつつあり、金融市場の混乱が回避された。一方、ドイツでは第2党の社会民主党(SPD)が7日に党大会を開き、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立協議に応じる方針を決めた。シュルツ投手は今週中にメルケル首相と党首会談を行った後、15日に党幹部会を開き、交渉をさらに進めるかどうかを見極める。交渉次第では閣外協力や再選挙がありうるとしている。北朝鮮情勢に関しては、国連が9日、フェルトマン事務次長(政治局長)が平壌訪問中に会談した同国の李容浩外相らとの間で、米朝対立がエスカレートしている朝鮮半島情勢が現在の世界で安全保障上の最も差し迫った危険であるとの認識で一致したと発表した。朝鮮半島情勢の沈静化には、誠実な対話プロセスを通じた外交による解決しかあり得ないとした。ただロシアのモルグロフ外務次官が米国政府も北朝鮮政府も本当の戦争は望んでいないが、「そのようなシナリオは存在する」と指摘しており、今後の動向を確認したい。

金の独自材料では、インドのルピー建て金価格が7日に4カ月ぶりの安値を付けたが、ウェディング・シーズンにもかかわらず、実需筋に動きが見られないことが指摘された。多くの買い手は古い宝飾品を新しい宝飾品に替えているという。インドでは3ドルのディスカウントとなり、前週の1ドルのディスカウントから下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)後に一段安となった場合、実需筋が買いに動くかどうかを確認したい。一方、中国では6〜9.50ドルのプレミアムとなり、前週の5〜8ドルから上昇した。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月5日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは17万3,329枚となり、前週の22万4,417枚から縮小した。今回は手じまい売りが3万6,150枚、新規売りが1万4,938枚出て買い越しを5万1,088枚縮小した。一方、12月8日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比5.30トン減の842.81トンとなった。米税制改革の協議進展などを受けて投資資金が流出した。

プラチナはドル高などが圧迫

ニューヨーク・プラチナ1月限は、一時安値882.1ドルを付けた。米税制改革の協議進展によるドル高に加え、好調な米雇用統計を受けて一段安となると、テクニカル要因の売りが出て下げ幅を拡大した。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが予想されており、ドル高を受けて投げ売りが出ると、予想外の安値を付ける可能性も出てくる。ただ生産コストが意識される水準であることや来年の供給不足見通しが下支え要因である。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月5日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万7,028枚となり、前週の3万2,046枚から縮小し、手じまい売り・新規売りが出た。一方、プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、8日のロンドンで12.35トン(1日12.45トン)、ニューヨークで18.53トン(同18.54トン)に減少、7日の南アで24.12トン(同24.12トン)と横ばいとなった。

NY原油のファンド筋の買い越しは2週連続で過去最高を更新

ニューヨーク原油は、米石油製品在庫の増加や米原油生産量の拡大を受けて11月20日以来の安値55.82ドルを付けたが、中国の好調な輸入などを受けて下げ一服となった。中国の貿易収支によると、11月の同国の原油輸入は3,692万トン(日量901万バレル)と、月間ベースとして、過去2位の高水準となった。また、1〜11月の累計は3億8,600万トンとなり、前年同期比12%増となった。米国の生産増加が上値を抑える要因だが、中国の需要が続くようなら下支え要因になりそうだ。ただファンド筋の買い越しが2週連続で過去最高を更新しており、買われ過ぎに対する懸念が出ると手じまい売り主導の下落も警戒される。米エネルギー情報局(EIA)が発表した12月1日までの週間石油統計で、原油在庫は前週比561万バレル減少したが、ガソリンが678万バレル増、留出油が166万7,000バレル増となった。また米原油生産量が日量970万7,000バレルと最高水準を更新した。米油田サービス会社ベーカー・ヒューズから発表された12月8日までの週の米石油リグ稼動数は前週比2基増の751基となった。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月5日時点のニューヨーク原油の大口投機家の買い越しは61万1,128枚となり、前週の60万9,833枚から拡大し、2週連続で過去最高を更新した。一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引されている原油ETF(コード:USO)の残高は12月8日時点で1億8,670万株となり、前週末比420万株増加した。調整局面を迎えるなか、安値拾いの買いが入った。

12月11日の週の注目ポイント

11日

米求人件数(10月)

12日

独ZEW景況感指数(12月) 

英消費者物価指数(11月)

☆☆☆

米生産者物価指数(11月)

☆☆

13日

黒田日銀総裁、あいさつ 

☆☆

米消費者物価指数(11月)

☆☆☆

米FOMC声明、経済予測公表、イエレンFRB議長会見

☆☆☆

OPEC月報

14日

豪雇用統計(11月)

☆☆☆

中国小売売上高(11月)

☆☆

英中銀政策金利、英中銀議事録

☆☆☆

ECB政策金利、ドラギECB総裁会見

☆☆☆

米小売売上高(11月)

☆☆☆

米新規失業保険申請件数(9日までの週)

EU首脳会議

☆☆☆

15日

日銀短観(第4四半期)

米鉱工業生産(11月)

※重要度を3段階で表示

ニューヨーク金はレンジ下放れ

ニューヨーク金2月限は7月18日以来の安値1,244.4ドルを付けた。10月以降のレンジを下放れ、テクニカル面で弱気となった。また中長期の強弱を判断する200日移動平均線も12月5日に割り込んだ。米税制改革法案の年内成立見通しや今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ予想が圧迫要因となっており、金ETF(上場投信)から投資資金流出が加速すると7月安値1,214.5ドルを目指す可能性が出てくる。

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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