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2021-10-17 09:36:28

材木価格の高騰〜米住宅セクターにも影響か

2021/5/26
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

昨年も上昇した材木価格は一時値を崩していたが再び上昇し、2021年の年初来上昇率も66.4%(原稿執筆時点)となっている。今回の価格上昇は需要面、供給面の両面によるものであり、しばらくは高値圏で推移することになりそうだ。

材木は木工製品や住宅建築に用いられている。そのため住宅セクター動向が価格に大きな影響を与えやすい。住宅セクターはどこの国でも同じく、その他の業種への波及効果が大きいため、経済対策を行う場合、住宅セクターがテコ入れされることが多い。今回の住宅セクターの加熱は新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴うロックダウンやリモートワークの定着で郊外での住宅需要が増えたこと、長期金利の低下によってローンが組みやすくなったことなどが背景だ。実際、米国の住宅ローン残高は2020年末時点で前年比+5.1%の10兆430億ドルに達しており、中古住宅在庫も2000年以降の最低水準である107万戸に減少、新築住宅販売も好調で住宅セクターは加熱した状態が続いている。今のところ米FRBは長期金利の一時的な上昇は容認するとみられるものの、依然、1,000万人近い失業者を抱える中で、FRBの二大責務の1つである雇用にマイナスに作用する可能性が高い長期金利の急上昇を容認するとは考え難く、結果的に緩和的な政策を維持する可能性が高く住宅セクターは加熱した状態が続くと予想される。

このような状況であれば増産が行われるのが普通である。しかし、農産品は成長に時間がかかり、多年草の場合でも播種から収穫まで通常半年程度の時間が掛かり、人間の意思だけで簡単に増産出来るものではないため、需要増加時に直ちに供給ができる訳ではない。需要を満たす供給が行われるようになるまで時間がかかるのは原油や鉱物資源でも同じであるが、農産品・畜産品の場合はその傾向が顕著だ。材木はその他の商品と同様、コロナウイルスの影響で需要が落ち込むと見られ、米国やカナダの生産者は昨年4月の段階で早々に減産を決定している。これも原油や鉱物資源と同様だが、減産を決定すると同時に従業員も解雇され設備も劣化し、仮に加工に熟練工を必要とする場合などはさらに元の状態に戻るまでに時間がかかることになる。逆に増産に舵を切ってそのタイミングで住宅セクターの加熱が沈静化していた場合には材木価格が急落するため、増産決定は慎重に行われる可能性が高く、当面供給面でも価格には上昇圧力が掛ることになるだろう。その後、上述の通り住宅セクターが回復したため需要が増加したのだが、米国のカナダからの木材輸入シェアは39%(2019年実績、出所:米商務省)と高いが、カナダの生産も回復していない。2021年2月時点のカナダのソフトウッド、ハードウッドの生産量は前年比▲1.0%の465万9,900立方メートルと減少、2017年3月のピークからは▲23.1%も低い水準だ。

出所:米商務省

ここまでの価格上昇が起きる場合、投機の買いが積み上がって上昇するケースが少なくない。しかしCFTCのデータを見るに、これまでの価格急騰局面で投機の買越しポジションは増えておらず、価格上昇はやはり実際の需給バランスタイト化によるものと考えられる。5月の急落は、米海洋気象局がラニーニャ現象の収束を宣言し、農産品セクターに利益確定売りが入る中で投機の売りと実需のショートが積み上がったことが影響したためとみられるが、材木取引に占める投機のシェアは大きくないためやはり実需の影響の方が大きかったのではないか。そのため今後もドル高進行や株価の下落などのファイナンシャルな面での材料が、価格の絶対水準の引き下げに寄与するとは考え難い。しかし材木価格の上昇が続くことで住宅価格自体が上昇、価格の上昇が需要を減じる「レーショニング」が起きる可能性があるため、需給ファンダメンタルズ面では、価格の上昇余地はそろそろ限定されはじめると考えている。

なお、原油や非鉄金属にように「材木」先物に投資するETFは組成されていないため、個人投資家がETFを通じて買いを入れ、価格を押し上げている訳ではないことは付言しておきたい。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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