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2021-10-17 09:02:31

パラジウム価格は3,000ドルを目指すか

2021/3/24
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

パラジウム価格が大幅に上昇している。パラジウムは主に自動車の排ガス触媒、特にガソリン車向けの触媒として用いられているが、コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な移動制限、輸送需要の減少を受けてガソリン車販売が影響を受け、価格を切り下げてきた。しかし、パラジウムの生産はコロナや電力供給の問題もあって主要生産国である南アフリカの供給が大幅に減少、需給バランスは供給不足にあると考えられる。実際、J&M社のPGMレポートを参考にすると、2020年のパラジウム生産は南アフリカが前年比▲26.2%の193万9,000オンスと減少、全体でも▲13.3%の616万7,000オンスとなったと見られている。スクラップからの回収も経済活動の停滞による自動車販売の減速や、人の移動制限が影響し、前年比▲8.4%の312万1,000オンスとなっている。一方、需要面は自動車触媒需要が▲12.1%の849万7,000オンスと大幅に減少、全体でも▲13.3%の989万4,000オンスと大幅な減少となった。ただし、投資需要の変化を考慮に入れなかった場合▲12.4%の1,008万オンスとなった(注:2020年は投機ポジションの解約が多かったため、投機を除く実需の数値は投機を考慮した場合よりも大きくなる)。この結果、需給バランスは投機需要を含めて▲60万6,000オンスの供給不足(前年▲89万3,000オンスの供給不足)、投機を除く需給は▲79万2,000オンスの供給不足(▲98万オンスの供給不足)となった。コロナの影響は需要面への影響が大きかったと見られ、わずかではあるが供給不足幅を縮小させている。

通常、需給バランスの変化が価格に影響を与えやすい。すなわち、供給不足幅の縮小は価格の下落要因となるが、それも昨年の夏頃までで終了。その後、年後半にかけては景気回復期待と自動車販売の回復で水準を切り上げている。しかし、ETFの解約や先物のポジション動向を見てみると、ETF在庫増加(といっても小幅)と共に価格は上昇しており、「在庫が不足しているから取り崩しが起きる」という価格高騰時に見られた動きが、それほど顕著には見られていない。価格が3,000ドルを目指した時に見られたような需給のタイト化は、パラジウム先物の期間構造を見るに、「まだそこまでにはなっていない」と言える。

この場合、パラジウムが「投機の目線」で売買される可能性は高く、さらに「景気回復に伴うガソリン車需要の回復」「脱炭素、電気自動車がガソリン車を駆逐するというシナリオはまだ先」という判断が起きる可能性は高い。さらに、直近の価格上昇は、ロシア・ノルニッケルのオクチャブリスキー鉱山とタイミルスキー鉱山の生産が水害の影響で減少すると報じられたことが直接の引き金であり、供給面の新たな材料も噴出した。つまり、まだ本格的に顕在化してはいないが「売買のテーマがある金属になった」とも言える。

そうなった場合、金・銀・プラチナと比較したときの価格水準が、パラジウム価格の上昇余地を決める展開が想定される。弊社ではコロナの影響が世界的に広がっていない2019年末を基準に貴金属セクターの騰落率を確認しているが、原稿を執筆している現時点(2021年3月19日)で、金の騰落率は+14.2%、銀が+45.9%、プラチナが+24.6%、パラジウムは+37.9%となっていた。金は貴金属セクターのベンチマークではあるが、現在はテーマ性のある金属が物色されていることを考えると、対象は銀、ということになるだろう。

この場合、銀と同じ上昇率になるには、あと8%程度、2019年末対比で価格に上昇余地があることになる。2019年末のパラジウム価格は1,945ドルだったため、8%は156ドルに該当する。現在の水準から156ドル上昇するならば2,838ドル。再びパラジウムが3,000ドルを目指す展開は十分に考えられる。ただ、あえてここで強調したいのは、投機的な取引が価格押し上げのドライバーとなっているならば、「3,000ドルの水準をクリアした時の下落リスク」を考慮することだろう。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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