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2021-10-17 10:20:00

2021年のプラチナ価格は高値維持〜しかし上昇余地は限定か

2021/1/13
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年はコロナウイルスの感染拡大と、それを阻止するための政策的な対応に市場は左右された。そしてその状態はまだ継続しているため、恐らく2021年もコロナウイルス動向に価格が左右される展開が継続することになるだろう。その中でやや期待先行で上昇していたプラチナ価格は、若干の調整はあるものの高値圏で底堅い推移になると予想される。

昨年、このコラムで指摘したように、この数年にわたるプラチナ価格の対金での水準低下は自動車の排ガス触媒向け需要が減少したことよりも、宝飾品向けの需要が減少したことの影響が大きかった。そして、投機取引を含まない工業需要だけの需給バランスは構造的に供給過剰になっており、足下の価格動向は投機動向が左右していることを指摘した。今回のこのコラムでは投機動向に焦点を絞って2021年のプラチナ価格を考察した。

プラチナの投機筋動向を占う上で参考になるのが、米CFTCが発表している投機筋の先物市場におけるポジション動向だ。先物市場では現物売買を目的とする実需家と、転売目的の投機筋の2種類の市場参加者が存在する。そして、現在のプラチナ市場では、実需筋がネット売り越し、投機筋がネット買越しとなっている。つまり、現物売買を目的とする実需家の売りに対して投機筋が買い向かうことで市場が成立している。なお、実需のネット売り越し枚数と投機の買越し枚数は必ず一致する。商品によっては実需の買いに対して投機が売り向かうことで価格が成立している市場もあり、かつ、価格動向が実需筋のポジション動向に左右される商品ももちろん存在する。そのため、商品価格は必ずしも投機筋の動向が決定している訳ではないことは、十分に注意しておく必要がある。改めて2019年1月以降のプラチナ価格動向と投機筋のネット買越しポジション動向を比較してみると、昨年のコロナショックがあるまでは、投機筋の売買動向にほぼ連動する形でプラチナ価格が変化していることが分かる。コロナショック以降も投機筋の先物ネット買越しポジション動向が価格に影響を与えてはいるが、それ以上に価格が上昇している。しかし、上述の通りプラチナ市場の投機需要を除く需給バランスは大幅な供給過剰状態にあると考えられ、この価格上昇が実需に牽引された可能性は低い。そのため、もう1つの投機資金の代表的な流入経路であるETFが価格に影響したと考えるのが妥当だろう。

プラチナ先物の投機ポジションと同様2019年1月以降の推移を見ると、ETFの管理残高の方がプラチナに対する説明力が高い。相関係数を比較してみると投機筋の先物ネット買越しポジションの相関係数が0.42であるのに対して、ETFは0.63となっている。いずれも相関係数は優位に高いとはいえないが、投機筋は先物よりもETFを用いてプラチナ売買を行っていた可能性が高いことを示唆している。そしてETFは株式市場に上場されているため、ETFに流入している資金の多くは、株式市場に滞留している資金であると考えられる。そこでS&P500とプラチナ価格を比較してみると、両者の価格相関性は高いことが分かった。株式市場に流入している資金は100%投機目的の資金であるため、投機目的の取引動向が価格を左右しやすい環境になっているプラチナ価格と株価の相関性が高くても何ら不思議はなく、株価が上昇する中ではプラチナ価格はさらに上値を試す展開が予想される。プラチナ価格動向の影響度合いとすれば、1.金価格動向、2.株価動向、という形になるだろう。

では、どこまでプラチナ価格は上昇する可能性があるか。このとき、プラチナはほかの貴金属に比べて割安で推移していたことも、物色されてきた要因の1つである。そのため、貴金属セクターのベンチマークである金価格とのパフォーマンス(上昇率)の差が埋まるところが、目先の上値の目処になると考えられる。基準日をいつにするかは1つ議論の余地があるが、仮に2019年1月1日を基準とした場合、原稿執筆時点(2021年1月7日)での金価格の上昇率は+49.5%、プラチナが+38.3%である。この上昇率の差が埋まるためには、プラチナ価格は2019年1月1日の796ドルからあと11.2%(89ドル/トロイオンス)価格が上昇する必要がある。株価、並びに金価格動向次第であるが、金との比較感による割安・割高議論の視点からはプラチナ価格の上昇余地はそれほど大きくはない。

米上院の決選投票の結果「トリプルブルー」となり、市場は既に財政出動の拡大とそれに伴う景気回復期待を折り込み、長期金利が上昇している。この結果、ベンチマークである金価格には下押し圧力が掛りやすくなる。しかし、FRBは低金利政策を継続する見通しであり、さらに長期金利の上昇は抑制するとみられることから、金価格は高値圏での推移が予想される。その結果、2021年のプラチナ価格も高値圏を維持することになろう。

なお、燃料自動車向けの需要増加期待が市場で材料視されている、との見方もあるが実際に需給の構造変化によって価格が上昇するのは開発の進捗も含めた中長期的なテーマであり、起きるとしてもあと4〜5年はかかるのではないだろうか。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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