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2024-04-20 06:33:45

守りの金 〜 今後の注目ポイント

提供元:森田アソシエイツ

金価格は2020年に過去最高を更新したが、その後は調整局面に入り、現在も足踏み状態が続いている。そこで、新型コロナウイルスによって大きく影響された2020年の金市場(図表1参照)の動向を再確認した上で、今後の注目ポイントを整理したい。

コロナウイルスの発生によって、マクロ経済環境に対する懸念が加速され、セーフヘブンを求め、2020年には過去最高となる870トン超の資金が金ETFに流入した。ETF残高も、数量および金額ベースの両方において過去最高を更新し、年末にはそれぞれ3,752トンおよび24兆円に達した。コロナウイルス対策で当局が実行した利下げなどの超金融緩和策が、キャッシュフローを生まない金の相対的な投資優位性を高めたことも需要を後押し、金価格を過去最高に押し上げた。投資分野のもう一つの柱である地金・金貨需要も、コロナウイルスの行動制限が緩和され、現物購入がより容易になった年後半から急激に回復し、通年では3%の伸びとなった。

一方、金価格の高騰に加え、コロナウイルスによる行動制限や経済後退による消費者心理の冷え込みに影響され、多くの消費者は様子見の姿勢を加速させ、2020年における宝飾需要は数量ベースで34%落ち込み、統計史上過去最低の1,412トンとなった。中央銀行セクターについても、世界経済が混乱し、外貨準備が不安定になった国が多いため、金購入は控えられ、年間ベースで過去最高レベルだった2019年に比べ、59%減少し、273トンとなった。産業用需要は、前年より7%減少したものの、グローバル経済の緩やかな回復に伴い、第4四半期にはプラス1%の成長に転じた。以上のような状況を反映し、2020年の総需要は、前年比で14%の減少となった。

(図表1)2020年の金需要

2021年の注目ポイント(図表2参照)は、まさに、2020年において変動が激しかった、投資(特にETF)、宝飾、中央銀行分野需要の動向である。

世界各地でコロナ・ワクチンの接種が始まっているとは言え、投資環境の不確実性が根本的に低下する可能性は高くないこと。実質金利がここに来て、急上昇してきたものの、低金利環境がしばらく維持される状況に変わりがないこと。また、コロナ経済対策として実行された積極的な財政出動や金融政策によって、インフレ懸念が上昇していること。さらに、高株価に対する警戒も継続していることから、2021年も投資需要が一定程度期待できる。ただし、ピークだった昨年のレベルから低下する見込みである。

宝飾品については、世界経済の回復に伴い消費者心理が改善傾向にあること、ワクチン接種を含めコロナウイルスへの対処が軌道に乗り始めたこと、さらに、金価格の安定性が増したことによって、時間の経過とともに回復傾向が加速すると思われる。すでに、2020年第4四半期において、最大の需要国である中国およびインドの減少率はそれぞれ10%と8%まで低下し、通年の35%と42%から大きく改善した。さらに、インドでは、数量ベースの需要が8%減だったものの、金額ベースでは過去最高を記録し、潜在需要の強さをうかがわせる。今年に入っても、中国の最大需要期である春節期間の金消費量は80%増、インドは2月までの金輸入量が154%増と報道されており、需要が順調に正常化に向かっていることを示唆している。しかし、コロナ禍下で変化した消費者の生活パターンが宝飾品の購入にどう影響を与えるのか、まだ注意が必要である。

(図表2)今後の注目ポイント

中央銀行セクターは、金の保有を通して、外貨準備の安全性・安定性を増強する方針に変化がなく、コロナウイルスがコントロールされ、世界経済が回復軌道に乗り、外貨準備高が安定すれば、購買意欲が再び高まると思われる。また、2020年において、コロナウイルス経済対策として金を活用した国もあり、緊急事態に対する備えとして、中央銀行が金を保有する意義についても再認識が進む可能性があり、今後の金購入姿勢を後押しする材料となろう。

2021年の金市場の行方は、投資需要の低下を宝飾分野の回復がどこまで補えるかが、最大のポイントとなろう。宝飾需要は、金のセーフヘブン機能や投資分散効果の提供にも重要な役割を果たしているため、その動向に最大の注意を払う必要がある。

森田アソシエイツ 森田 隆大(もりた たかひろ)
ニューヨーク大学経営大学院にてMBA取得。1990年にムーディーズ・インベスターズ・サービス本社(ニューヨーク)にシニア・アナリストとして入社。2000年に格付委員会議長を兼務。2002年に日本及び韓国の事業会社格付部門の統括責任者に就任。2010年にワールド・ゴールド・カウンシルに入社、翌年、日本代表に就任。金ファンダメンタルズおよび投資における金の役割に関する調査・研究の提供、および投資家との直接対話を通して、金投資の普及活動に取り組む。
2016年に森田アソシエイツを設立、ワールド・ゴールド・カウンシル顧問を兼務。現在、埼玉学園大学大学院客員教授、特定非営利活動法人NPOフェアレーティング代表理事、MSクレジットリサーチ取締役兼評価委員会議長も兼任。立命館大学金融・法・税務研究センターシニアフェロー、法政大学大学院兼任講師を歴任。

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