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週刊日本株式アウトルック

月替わりによる大口投資家の主力株売りで伸び悩む展開か

2025/11/4
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2025/11/4-11/7)

 今週(2025/11/4-11/7)の日経平均株価の予想レンジは51,000円-53,000円。国内は任天堂、三菱商事、トヨタ自動車、サンリオ、三菱重工業、フジクラなど注目企業の決算発表が目白押しで、米国は決算発表が終盤戦に入る。日米の中央銀行イベントや日米・米中首脳会談などを消化したことで、日本株は外部環境に振り回されることなく、個別物色に全力投球の週となるだろう。10月最終週の日経平均株価が派手に上昇しただけに反動安が生じる可能性もあるが、押し目を待っている投資家は多いと推測される。直近で半導体株などAI関連には短期資金が集中したが、出遅れ感の強い銘柄も多い。リリースを材料にスポットライトが当たる銘柄が多くなることで物色の裾野が広がり、リスク選好ムードの強い地合いが続くことが予想される。


 日経平均株価は52,000円台まで水準を切り上げた。10月相場は調整を想定していたが、むしろ上昇ピッチが加速し、月足チャートは4月から7カ月連続の陽線を形成した。過去のアノマリーでは11月は年間を通じて最も堅調である一方、短期的な過熱感も否めない状況だけに難しい局面を迎えそうだ。


 次は心理的節目の55,000円前後がターゲットして挙げられるが、相場水準が切り上がったことで、年金資金などの大口投資家による調整売りや、急ピッチな上昇の反動安を警戒した利益確定売りなどが出やすいだろう。年内は2カ月を残すのみとなったが、吹き値売りが基本スタンスになるのではないか。11/5や12/3前後は変化日として留意が必要である。


 ちなみに、昨年の同時期は堅調な展開となった。米国株の落ち着きを好感して、三連休明け11/5の日経平均株価は400円を超える上昇。11/6は米国の大統領選に関する報道を消化しながらトランプ氏の勝利を見越して円安・株高の流れが強まり、1,005円高と4ケタの上昇となった。大統領選結果を受けた11/6の米国ではダウ平均も4ケタの上昇となり、主要3指数がそろって史上最高値を更新。ただ、東京市場では結果を先取りしていたことから、11/7は買いが先行したものの、失速して下落で終えた。FOMCでは0.25%の利下げが決定されたが、織り込み済みで波乱はなし。11/8は高く始まった後に上値は重くなったものの、3ケタの上昇となった。週間では約1,446円の上昇となった。


 日経平均株価(図表1)は上値を伸ばす展開が続いている。10/31は寄り付きから上値を伸ばす展開となり、高値で取引を終了した。5日移動平均線(51,155円 10/31)上で強気の陽線を形成し、3日連続で史上最高値を更新。日足、週足、月足ともに高値引けとなった。5日移動平均線の上昇継続に準じて、引き続き上目線のトレンドフォローとなる。


 上値メドは、心理的節目の52,500円、53,000円、53,500円、54,000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の52,000円、5日移動平均線、心理的節目の51,000円、10/27高値(50,549円)、心理的節目の50,000円、10/24高値(49,435円)、心理的節目の49,000円、10/23安値(48,399円)などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2024/12/2-2025/10/31)
  • 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、10月新車販売台数(11/4)、日銀金融政策決定会合の議事要旨(9/18~19開催分)、10年国債入札(11/5)、9月毎月勤労統計、10月都心オフィス空室率(11/6)、9月家計調査(11/7)などがある。


 企業決算の発表では、任天堂、三菱商、NTT、丸紅、LINEヤフー、大和証G、商船三井、JR西日本、横河電、住友化、ヒロセ電、日本ハム、ヤマハ、住友ベ、東京精、日精工、伊藤米久、PALTAC、寿スピリッツ、日野自、キッセイ薬、持田薬、アクシアル、日本電技、インソース、上新電、東計電算、インテージHD、ソフトクリエHD、極洋、大崎電、アイホン、ヤマト、カナデン、イチネンHD、ダイトロン、ティラド、TOA、愛知時計電機、丸文、パーカー、いであ、スズデン、SPK、共和電、JIG-SAW、ジオリーブG、佐田建、サンクゼール(11/4)、トヨタ、伊藤忠、三井物、ソフトバンク、日本製鉄、大林組、サンリオ、旭化成、川崎船、エーザイ、ヤマハ発、シスメックス、AGC、アズビル、エプソン、JR九州、BIPROGY、三菱自、メディパル、ALSOK、カカクコム、東武、MARUWA、ヤマダHD、スカパーJSA、全国保証、カルビー、コニカミノルタ、帝人、アイカ工、DTS、ヨドコウ、フジミインコ、エフ・シー・シー、文化シヤタ、MCJ、AZ-COM丸、富士急、グンゼ、テレ東HD、千代建、ニチコン、ゼリア新薬、KHネオケム、三洋化、静岡ガス(11/5)、リクルートHD、スズキ、富士フイルム、味の素、IHI、花王、郵船、日産自、ミネベアミツミ、スクエニHD、JFE、日テレHD、ローム、SANKYO、日油、ニコン、参天薬、KADOKAWA、太陽誘電、リンナイ、太陽HD、アルフレッサHD、GSユアサ、長瀬産、ダイセル、Gウイン、ミズホリース、グリコ、ニッスイ、JMDC、日東紡、カシオ、ハウス食G、ダイワボHD、ケーズHD、メイコー、レンゴー、住友倉、東海カーボ、ダイヘン、オークマ、芝浦メカ、エディオン、ウシオ電、ピジョン、ナカニシ、カナデビア(11/6)、三菱重、ホンダ、フジクラ、三井不、クボタ、オリンパス、ユニチャーム、清水建、島津製、キッコーマン、千葉銀、しずおか、SGHD、東センチュリー、オムロン、東急不HD、F&LC、王子HD、ホシザキ、マクドナルド、リコー、八十二、マツダ、いよぎん、栗田工、セガサミーHD、ホトニクス、洋缶HD、コムシスHD、IIJ、エクシオG、空港ビル、関西ペ、フジテック、ライオン、ニッコンHD、第四北越、五洋建、メルカリ、芙蓉リース、ヨネックス、京阪HD、セブン銀行、名鉄、ラウンドワン、シンフォニア、安藤ハザマ、ポーラオルHD、ダイダン、三井倉HD、ジャストシステ、日触媒、リンテック、阪和興、共立メンテナンス(11/7)が予定している。


 海外の経済指標の発表やイベントは、中国10月RatingDog製造業購買担当者景気指数(PMI)、米10月ISM製造業景況指数(11/3)、米9月貿易収支、米9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米9月製造業新規受注(11/4)、米10月ADP雇用統計、米10月ISM非製造業景況指数(11/5)、中国10月貿易収支、米10月雇用統計、米11月ミシガン大学消費者態度指数(11/7)などがある。


海外の企業決算の発表では、オン・セミコンダクター、アイデックス・ラボラトリーズ、ピナクル・ウェスト・キャピタル、ロウズ(11/3)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ウーバー・テクノロジーズ、ファイザー、ピンタレスト、アムジェン(11/4)、アーム・ホールディングス、マクドナルド、クアルコム、フォーティネット、ロイヤルティファーマ(11/5)、モデルナ、ラルフ・ローレン、タペストリー、デュポン・ド・ヌムール、ロックウェルオートメーション、NRGエナジー、カミンズ、エアビーアンドビー、アカマイ・テクノロジーズ、ハイアット・ホテルズ(11/6)、フランクリン・リソーシズ、デューク・エナジー(11/7)などが予定している。

今週の注目銘柄!(11/4-11/7)

銘柄コード 銘柄名 目標株価
(円)
ロスカット株価
(円)
注目ポイント
4098 チタン工業 1,000 770 チタン系素材の老舗メーカー。11月中旬に上期決算発表を予定しているが、10/28の場中に上期の利益予想の上方修正を発表した。前年も同時期に上期利益予想の上方修正を発表しており、最終的に通期の着地は営業利益が計画を大幅に上回った。今期もその可能性が高く、かつPBRは0.5倍弱と低い。1株利益の水準から増配などの株主還元拡充も視野に入る。4月の関税ショック時を除けば、TOPIXや東証スタンダード市場指数との相関性は低い。さらに日経平均株価に対するベータ値(90日)はマイナス(10/28時点で-0.03)と逆相関の関係にある。仮に、主力株が調整に入ったとしても連動する可能性は小さい。10月後半には上方向への値動きが良いことが示されており、一段の上昇が期待できる。ターゲットは1,000円、ロスカットは770円
4412 サイエンスアーツ 3,000 1,290 ライブコミュニケーションアプリ「バディコム」を展開。同アプリは小売企業の接客や公共サービス、介護関連など現場の最前線に立つ方々に重宝されるツールとなっている。2025年8月期は大幅な増収および営業黒字転換を達成した。今期は前の期比で25%増収、40%営業増益を会社では計画している。10/8に前期の見通しを引き上げており、翌10/9に急騰。その後は反動で売りに押され、10/15の本決算も買い材料にはならなかった。しかし、上向きの75日移動平均線近くになったところで売りが一巡すると月後半にかけては反転。10/28は連騰し、年初来高値を更新した。市場からの注目度が高まることで上昇に弾みがつく展開を予想する。ターゲットは3,000円、ロスカットは1,290円
6266 タツモ 3,500 2,070 半導体製造装置を主力としている。半導体関連株は大型株に資金が集中しており、中小型の値動きはまちまち。同社は10/2に年初来高値(2,650円)をつけて調整に入っており、このところの株高には乗れていない。ただ、上期の営業利益は従来計画を3割も上振れる着地だったため、通期も上方修正される可能性が高い。2026年3月期3Qの決算発表は11/14に予定されており、そろそろ期待買いが入り始める時期と考える。足元では25日移動平均線を意識して下げ止まる雰囲気が強くなってきた。短期調整の一巡感と決算期待から、買いを入れるタイミングと判断する。なお、通期営業利益の市場コンセンサスは会社計画よりも2割ほど高い。サプライズ感が乏しい決算の場合は失望売りを誘う可能性があるため、決算発表前に強く買われるようであれば早めの利益確定売りも有効だ。ターゲットは3,500円、ロスカットは2,070円
6305 日立建機 6,500 4,510 油圧ショベルを軸に建機で国内2位、世界で3位級。10/28に上期の決算と併せて通期見通しの上方修正を発表。これを受けた10/29は2%を超える上昇となった。高値は5,235円まであり、上場来高値を更新した。昨年8月に2,896.5円でボトムを打った後、今年に入ってからは水準を切り上げる動きが続いている。2018年1月の高値が4,935円、2023年の9月の高値が4,927円、昨年4月の高値が4,900円と、これまで節目の5,000円付近は壁となっていたが、今月に入って10/27に5,179円まで上昇して節目を突破。決算も買い材料となった。5,000円を超えてから商いも厚みを増しており、上値が軽くなる展開を予想する。ターゲットは6,500円、ロスカットは4,510円
6323 ローツェ 3,000 1,780 ウエハ、ガラス基板の搬送装置を手掛ける。上期実績は為替要因などで最終減益だったが、市場予想並みでありサプライズ感はない。ただ、決算発表の翌営業日(10/14)は売り買いが交錯し、半導体株の上昇が一服してきたことからその後は急速に株価水準を切り下げた。下落したといっても25日移動平均線に接触したところでは下げ止まっており、10/24は鋭角的に切り返すなど下値では買い意欲が旺盛。2024年7月に最高値3,530円をつけたころのPERは26倍台であり、足元16倍弱の水準には割安感もある。営業利益ベースでは上期計画を上回る進ちょくであり、上振れ期待を踏まえれば買いの好機と判断する。ターゲットは3,000円、ロスカットは1,780円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・10/31現在、プライム・スタンダード・グロース市場に上場、PBRが12.0倍未満、株価が75日・200日移動平均線を上回っている銘柄の中から、成長性や話題性、業績面など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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