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週刊日本株式アウトルック

日本株上昇のカタリスト、国内要因主導から為替や米国株など外部環境にシフトか

2025/10/20
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2025/10/20-10/24)

 今週(2025/10/20-10/24)の日経平均株価の予想レンジは47,500円-50,000円。東京株式市場は堅調な展開となりそうだ。10/17の米国株式市場で浮上した不良債権問題の影響は限定的と受け止めたれたほか、トランプ米大統領が10月末の中国習主席との会談が予定通り行われるだろうと発言したことで、貿易を巡る米中対立への過度な懸念が後退した。


 10/21に首相指名選挙が行われる予定。新首相に自民党の高市総裁が決まれば改めて政策期待が高まる展開も期待できるが、石破首相が自民党総裁辞任を表明して以降、日本株は大きく水準を切り上げている。そのため、改めて高市トレードと強調するような相場展開は想定しづらいが、高市関連とされる安全保障や先端技術などの分野は幅広く、時流に乗ったテーマが多いだけに必然的に関連物色は続くことになろう。


 日経平均株価は10/9につけた史上最高値に近い水準で高値もみ合いを続けている。次の高値更新のポイントになるのは、米国株の上昇継続や為替市場で円安基調に回帰できるかであろう。円高方向へ目先の揺り戻しが生じているが、円安・ドル高方向へ落ち着きを取り戻せるかがカギとなる。米中貿易摩擦や米政府機関の閉鎖が長期化している点が目先のドル売りを促した可能性が高く、それらが幾分解消される見通しがみえれば、ドル買いや米国株への買い戻しにつながる公算が大きい。ネットフリックスやテスラ、インテルなど米国企業の決算発表が多数予定されており、先行きに強気見通しを示せるかがリスクオンを後押しする重要な要素となる。


 国内では、10/21に日銀の氷見野良三副総裁が都内で講演する。9/2に開催された道東地域金融経済懇談会で同副総裁が利上げに対してやや慎重な姿勢をみせ、円が売られる場面があった。


 ちなみに、昨年の同時期の日経平均株価は大幅安となった。衆院選総選挙に関して自公での過半数が微妙といったメディア報道が週初の時点で出てきたことから、10/27の投開票に対する警戒が高まった。10/23まで3日続落し、10/22や10/23は大幅安。11営業日連続で陰線を形成と、場中の上値が重い日が続いた。10/23には注目度の高い東京メトロが新規上場して好スタートを切ったが、他の多くの銘柄は売りに押された。10/24は大幅安スタートからプラス転換して12営業日ぶりに陽線を形成したが、10/25は投開票を間近に控えて全面安。38,000円を下回って週を終えた。日経平均は週間では約1,067円の下落となった。


 日経平均株価(図表1)は高値圏で不安定な動きが続く。一方、上昇基調にある10日移動平均線(47,644円 10/17)付近を概ね下値で意識しており、高値もみ合いといった状況ともいえる。10/17は売り先行から下げ幅を縮小する場面もあったが、後場にかけては売り直される展開となった。10日移動平均線付近まで押される陰線を形成して終えた。


 10/9につけた史上最高値(48,580円、終値ベース)を前に少し押し戻される格好となっているが、基本的には上目線のトレンドフォロー継続との見方に変化はない。


 一方、10日移動平均線の上昇が一服することも予想される中、同線を明確に下回ると25日移動平均線(46,046円 同)付近まで下げ幅を拡大する可能性が高まる。


 上値メドは、10/9高値(48,597円)、心理的節目の49,000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50,000円付近、51,000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の47,000円、10/14安値(46,544円)、25日移動平均線、10/3高値(45,778円)、心理的節目の45,000円、10/1安値(44,357円)などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2024/12/2-2025/10/17)
  • 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、9月首都圏マンション発売、氷見野良三日銀副総裁が都内で講演(10/21)、9月貿易統計(10/22)、9月全国消費者物価指数(CPI)(10/24)などがある。


 企業決算の発表では、アルインコ(10/20)、フューチャー、令和AH、オービーシステ(10/22)、信越ポリ、未来工業、KOA、サーティワン、石塚硝、大丸エナ、エイトレッド、SEH&I、光世証券(10/23)、中外薬、信越化、キヤノンMJ、沖縄セルラー、ジャフコG、キヤノン電、エスコン、岩井コスモ、ブルドック、ヒガシHD、高純度化、東会舘、PLANT、モバファク、テクノHR、今村証券、東邦レマック、太洋テクノ(10/24)が予定している。


 海外の経済指標の発表やイベントは、中国7-9月期GDP、中国9月小売売上高、中国9月鉱工業生産、中国9月固定資産投資、中国共産党が4中全会を開催(~10/23 北京)(10/20)、米20年国債入札(10/22)、米9月中古住宅販売件数(10/23)、米9月消費者物価指数(CPI)、米9月新築住宅販売件数(10/24)などがある。


海外の企業決算の発表では、ネットフリックス、コカ・コーラ、テキサス・インスツルメンツ、3M、ゼネラル・エレクトリック、ゼネラル・モーターズ、レイセオン・テクノロジーズ、ハリバートン、ジェニュイン・パーツ、ロッキード・マーチン、ペンテア、パルト・グループ、フィリップモリスインターナショナル、クエスト・ダイアグノスティクス、ノースロップ・グラマン、ダナハー、エキファックス(10/21)、IBM、テスラ、ノーザン・トラスト、AT&T、CMEグループ、ボストンサイエンティフィック、ムーディーズ(10/22)、インテル、サウスウェスト航空、ブラック・ストーン、ダウ、ハネウェル・インターナショナル、ハズブロ、プール、Tモバイル、テクストロン、センターポイント・エナジー、パシフィックガス&エレクトリック、ローパー・インダストリーズ、ユニオン・パシフィック(10/23)、P&G、HCAホールディングス、ゼネラル・ダイナミックス(10/24)などが予定している。

今週の注目銘柄!(10/20-10/24)

銘柄コード 銘柄名 目標株価
(円)
ロスカット株価
(円)
注目ポイント
3436 SUMCO 2,500 1,400 半導体用シリコンウエハの大手。メモリ市況回復への期待感が高まったことで、9月半ばから出来高を伴って株価が動き始めている。10月に入ると1,700円台を回復しており、昨年夏の急落前につけた7月高値(2,671.5円)から今年4月安値(745.5円)までの半値戻し(1,708.5円)を達成した。このところの強い動きを受けて、直近で26週移動平均線と52週移動平均線のゴールデンクロスが発生するなど中期的なトレンド変化の兆しも現れている。ようやく、AIトレードの波に乗り始めたばかりであり、依然として出遅れ感は強い。2014年以降、上昇局面では2,000円台後半から3,000円前半で高値をつけているため、ここからの上値余地は大きい。ターゲットは2,500円、ロスカットは1,400円
6101 ツガミ 3,400 2,280 小型自動旋盤の国内大手。10/17後場に上期計画の上方修正を発表し、これを好感した買いにより上場来高値を更新した。11/13予定の上期決算発表と同時に通期計画も上方修正される公算が大きく、好業績を織り込む形で一段の上昇が期待できる。同社は四半期ごとの季節性がないとみられ、仮に上期の2倍が通期計画とすれば予想EPSは306円。予想PERも8倍台に下がるため、それを基に足元の14倍まで株価が買われると4,000円を超える。チャート上では25日移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドを形成する中、上方修正を手掛かりに同線付近から勢いよく上昇した格好となる。上値抵抗線がない状況では、早い段階で3,000円台に乗せる可能性がある。ターゲットは3,400円、ロスカットは2,280円
6954 ファナック 5,400 4,070 工作機械用NC(数値制御)装置世界首位。直近では、ソフトバンクグループ(9984)による海外のロボット事業買収が刺激材料となって安川電機(6506)が急伸。同社やFA関連に買いが波及した。10/10の上昇で4,919円まで上昇しており、今年1月につけた4,847円を上回り、年初来高値を更新した。一目均衡表の抵抗帯(雲)を上に抜けたところから上昇に弾みがついており、動きが良くなる中で商いも厚みを増している。安川電機が上期の決算発表時に通期の利益見通しを引き上げたことは、FA関連の下値不安を和らげる要素となる。全体相場は引き続き不安定な地合いが想定されるが、流れが良くなっている中で売り圧力は限られ、さらに上を試しにいく展開が予想される。ターゲットは5,400円、ロスカットは4,070円
7453 良品計画 4,000 2,670 「無印良品」で衣服、生活雑貨、食品を展開。本決算が好感されて10/14に急騰。この日は寄り付きから節目の3,000円を上回り、場中も上げ幅を広げて実体の長い陽線を形成した。8/5に3,786円まで上昇して上場来高値を更新した後、2カ月近くさえない動きが続いていたが、決算を受けた上昇で25日移動平均線を明確に上回っており、調整一巡感が出てきている。25日移動平均線が下向きから横ばいに転じる中、5日移動平均線が上に抜けてきており、急騰後にチャートも一段と改善。週足でも先週の上昇で26週移動平均線上を回復した。ブランドイメージは高く、下げ止まり感が出てくれば押し目買いは入りやすい。8月高値に向けて、水準を切り上げる展開を予想する。ターゲットは4,000円、ロスカットは2,670円
8053 住友商事 5,000 4,100 油井管など鋼管は強大、CATVなどメディアも強い。資源は非鉄に強み。2026年3月期1Q(4-6月)の連結純利益(IFRS)は1,709億円(前年同期比35.3%増)と当時の市場コンセンサスを上回る着地となった。株価は25日移動平均線をサポートとして、右肩上がりのトレンドが継続中。10/9には4,521円まで上昇し、上場来高値を更新した。2024年5月に4,433円まで上昇した後、同年8月に2,675.5円まで下落。今年4月に再度下を試したが、安値は2,786.5円までで、昨年8月の安値は下回らなかった。月足では4月から9月まで6カ月連続で陽線を形成している。上場来高値を更新して抵抗がなくなったことで、一段と上値が軽くなる展開を予想する。10月も陽線が期待できそう。ターゲットは5,000円、ロスカットは4,100円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・10/17現在、プライム市場に上場、時価総額が1,000億円以上、PBRが6.0倍未満、信用倍率が10.0倍未満(10/10現在)、株価が25日・200日移動平均線を上回っている銘柄の中から、成長性や話題性、業績面など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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