今週の株式見通し(2024/8/13~8/16)
今週(2024/8/13-8/16)の日経平均株価の予想レンジは35,000円-38,000円。東京株式市場は4日立会いの中、日々の振れ幅は引き続き大きくなる公算が大きい。米国で経済指標の発表が多く、生産者物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)などの物価指標をはじめ、8/15には米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数や小売売上高など注目度の高い指標が出てくる。指標結果に対する米国株や長期金利、為替の反応に一喜一憂することになるだろう。
日経平均株価の38,000円処までは直近過去の累積出来高が薄い「真空地帯」である。お盆休みの中で売買代金が次第に減少していく可能性は高いが、外部環境が逆風にならなければ35,000円処からの一段高が見込まれる。
国内企業の決算発表は続くが社数は減少し、今週で概ね一巡する。米国では、シスコシステムズやアプライド・マテリアルズの決算が注目される。
今回の急落の発生で、1987年のブラックマンデー、2000年のITバブル崩壊、2008年の世界金融危機、2020年のコロナショック時など、過去の大きな急落局面を振り返り、当時を検証する記事や分析が散見される。少し違った観点からいえることは、ブラックマンデーやコロナショックからの回復期間に比べ、ITバブル崩壊や世界金融危機からの回復期間が比較にならないほど長引いたことである。これは単純に当時の大局観のトレンドの違いにある。
図表1で示した、ブラックマンデーは1989年のバブル時高値をつけにいく壮大な高値と安値を切り上げていく大勢強気相場の途中で生じたクラッシュだった。コロナショックは2013年からのアベノミクス相場から始まった壮大な上げ相場の途中で発生した事象である。一方、ITバブル崩壊や世界金融危機が生じたのは、バブル崩壊後に高値と安値を切り下げていく大勢弱気相場の中で生じたクラッシュだった。
今回の急落も、依然として続いている大勢強気相場の途中で生じたクラッシュである。しかも、約35年ぶりに史上最高値を更新した直後に生じた事象であることを忘れてはいけない。
外部環境では米主要指数の調整幅がそこまで大きくない点である。株価の大きなトレンドを決定するのはマクロ景気と企業業績であるが、依然として4月安値を割り込んでおらず、年初からの上昇基調は保っている。
株価には先行性があり、景気減速懸念という後付けのような材料には違和感が強い。景気減速を認識するようなデータが大衆の目からみても明らかになってくるのは、株価がもっと下げてからである。
米国株の持ち直しと円安方向への長期トレンド継続で、日本株は想定外の回復力を示す可能性は十分残っている。
図表1:過去の相場クラッシュと日経平均株価の長期日足チャート(1983/1/4-2024/8/9)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
日経平均株価(図表2)は不安定な動きが続いている。8/5の下落幅は4,451円まで拡大し、歴代最大の下げ幅を記録した。連日の長大陰線で今年の上昇を帳消しにし、昨年10月に二番底を形成した水準に迫る展開となった。
一方、翌日8/6の上昇幅は3,217円と歴代最大の上げ幅を記録した。前日の長大陰線にはらむ長い陽線を形成し、強く戻った印象である。
8/9時点で5日移動平均線(34,215円 8/9)上を回復しており、今週は同線上から反発力を一段と強められるかが焦点となる。週初は5日移動平均線が上昇に転じる可能性が高く、株価には追い風となる。
週足では、52週移動平均線(36,000円 同)を下回る展開となったが、週足のローソク足は下ヒゲの長いたくり足を形成。今週は52週移動平均線上を回復し、4月安値(36,733円)を超えられるかがポイントとなる。4月安値付近は他の節目も重複しているため、上値抵抗として意識されやすい。その反面、超えることができれば、一時的に38,000円処まで伸びる可能性が高まる。
日足ベースの上値メドは、4/19高値(36,733円)、200日移動平均線(36,911円 同)、8/1安値(37,737円)~心理的節目の38,000円、75日移動平均線(38,723円 同)、4万円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の33,000円、8/5安値(31,156円)、2023年10/4安値(30,487円)や心理的節目の3万円、心理的節目29,500円や29,000円などがある。
図表2:日経平均株価の日足チャート(2023/5/1-2024/8/9)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、7月企業物価指数(8/13)、5年国債入札(8/14)、4-6月期GDP(8/15)、6月第3次産業活動指数(8/16)がある。
企業決算の発表では、アシックス、光通信、マツキヨココカラ、オープンハウス、サッポロHD、アルバック、メルカリ、ラクス、トライアル、日電子、シチズン、MIXI、セイコーG、日本KFC、プレサンス、ライフドリンク、サイボウズ、タウンズ、カウリス、情報戦略、JSH(8/13)、電通G、荏原、アサヒインテック、サンドラッグ、すかいHD、KADOKAWA、トリドールHD、グリコ、マブチ、フリー、ライフネット、メドレー、Appier、ジーエヌアイ、PKSHA、弁護士コム、ソラコム、レジル、PRISMBio、コージンバイ、アズパートナ、ハンモック、ライスカレー、MFS、Gモンスター、シンカ(8/14)、DTS、総医研(8/15)、パンパシHD、MHグループ、環境管理(8/16)が予定している。
海外の経済指標の発表やイベントは、独8月ZEW景況感調査、米7月生産者物価指数(PPI)(8/13)、米7月消費者物価指数(CPI)(8/14)、中国7月鉱工業生産、中国小売売上高、中国固定資産投資、米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米7月小売売上高、米7月輸出物価、米7月輸入物価、米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米7月鉱工業生産、米7月設備稼働率、米8月NAHB住宅市場指数(8/15)、米7月住宅着工件数、米7月建設許可件数、米8月ミシガン大学消費者態度指数(8/16)などがある。
海外企業の決算発表では、ホームデポ(8/13)、シスコシステムズ、カーディナルヘルス(8/14)、ウォルマート、アプライド・マテリアルズ、ディア(8/15)が予定している。
今週の注目銘柄!(8/13~8/16)
| 銘柄 コード |
銘柄名 | 目標株価 (円) |
ロスカット株価 (円) |
注目ポイント | |||||||||
| 2730 | エディオン | 2,200 | 1,630 | 西日本を中心に家電量販店を展開する。8/2に発表した1Q決算では、連結営業利益は前年同期比89%増の33億円と足元の好調が確認できた。気温の影響からエアコン販売が好調であったほか、住宅設備関連が伸長したとのこと。1Q決算と併せて自己株取得も発表。前引け後に決算を発表しており、この日は日経平均株価が2,216円安と大きく崩れる中でもプラスで終了。8/5は反動で大きく下げたが、8/6は前日の下落分を完全に埋めた。8/2に1,805円まで上昇して年初来高値を更新しており、今週も高値更新基調が続く公算が大きい。歴史的な株安の悪影響は軽微で、上昇トレンドはまったく崩れていない。暑い夏が続き白物家電の販売好調が見込まれる中、株価も上値追いの流れが続くと予想する。ターゲットは2,200円、ロスカットは1,630円 | |||||||||
| 2805 | エスビー食品 | 5,700 | 4,250 | カレー粉などを展開する。7/31に1Q決算を発表しており、連結営業利益は前年同期比74.3%増の31.4億円となった。上期の見通しに関しても41億円から45億円に引き上げており、足元の業績好調が確認できた。海外事業および、高付加価値製品であるパウダールウ製品の販売強化などに努めたことが奏功した。決算を受けて8/1は株価急伸で4980円まで上昇し、年初来高値を更新。翌日は全体市場が派手に下げる中で反落したものの陽線を形成。8/5は200日移動平均線まで急落する大陰線となったが、8/6は一気に年初来高値に迫る回復力をみせた。8/9までは揺り戻しの調整が入ったが、押し目買いが有効だろう。PERは一桁台、PBRは1倍割れと割安感は強い。2018年1月につけた6,650円に向けて水準を切り上げる展開を予想する。ターゲットは5,700円、ロスカットは4,250円 | |||||||||
| 3064 | MonotaRO | 3,250 | 1,800 | 工場・工事用間接資材のネット通販を展開。テレビCMなどで認知度向上策を継続している。同社は8/1、2024年12月期上期(1-6月)の連結営業利益が177億円(前年同期比15.3%増)だったと発表した。新規顧客の獲得や、eメール・顧客ごとに掲載商品を最適化した郵送チラシ、日替わりでの特価販売などによる販促活動を積極的に展開したことが奏功した。好業績が確認できたものの、8/2の株価は材料出尽くしで売りが優勢となった。ただ、当日は陽線で終え、その後の上値追いにつながっている。上昇基調が続いているため出遅れ感はないが、先週の相場全体の崩れに対する影響を受けてないため、相対的に需給面は良好だ。2022年3月高値(2,964円)や2021年2月高値(3,470円)に向けて上昇継続か。ターゲットは3,250円、ロスカットは1,800円 | |||||||||
| 4536 | 参天製薬 | 2,400 | 1,500 | 眼科向けの医薬品に強みを持つ。同社は8/6、2025年3月期1Q(4-6月)の連結純利益は106億円(前年同期比2.1%増)だったと発表した。市場予想を上回る好決算が好感され、急落後の戻りをけん引する材料となった。7/18に1,859.5円まで上昇した後、全体市場の軟化を受けて調整が入った。ただ、日経平均株価が4桁の下落を記録した8/2と8/5は急落したものの、その後は決算材料もあって鋭角的に切り返し、8/8には25日移動平均線上を回復した。2022年の10月をボトムとして息の長い上昇トレンドが続いている。強い基調は崩れておらず、2020年1月につけた上場来高値(2,234円)更新に向けて、水準を切り上げる動きが続くと予想する。ターゲットは2,400円、ロスカットは1,500円 | |||||||||
| 7564 | ワークマン | 5,300 | 3,610 | 8/5に発表した1Q決算では、連結営業利益が前年同期比1.1%減の70.3億円と減益着地。しかし、市場の期待を上回ったことで、8/6の株価は8%を超える上昇となった。8/6は日経平均株価が歴代最大の上げ幅となっており、追い風は受けている。ただ、足元の株価は基調としては上向きで、他の多くの銘柄のように値を崩していない。売られ過ぎの反動で大幅高となったわけではなく、実力が正当に評価された上昇といえる。月次売上では5月を除いた4月、6月、7月で既存店・全店とも前年同期の水準を上回っている。円安は海外からの仕入れ価格上昇につながるという点で業績にはアゲインストの側面もあるため、円高はむしろ歓迎。7月以降の上昇で52週移動平均線上まで回復しており、当面は上昇しやすい状況が続くと予想する。ターゲットは5,300円、ロスカットは3,610円 | |||||||||
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・8/9現在、プライム・スタンダード市場に上場、時価総額が500億円以上、配当利回りが0.8%以上、今期営業増益予想(日経予想)、株価が25日・75日・200日移動平均線を上回っている中から、成長性や話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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