2025-12-07 21:47:18

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週刊日本株式アウトルック

日本株は波乱継続か、円相場と短期筋の動向次第では売り一巡から急反発も

2024/8/6
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2024/8/5~8/9)

  今週(2024/8/5-8/9)の日経平均株価の予想レンジは31,000円-35,000円。東京株式市場は引き続き波乱含みの展開が予想される。先週は日銀金融政策決定会合やFOMC(連邦公開市場委員会)を消化し、日米の金融政策のスタンスの違いが鮮明になった。円買い・ドル売りと日経平均先物売りが一気に進んだほか、米主要ハイテク企業の決算への弱気の反応や米景気指標の悪化が主力株への売りに波及した。ある程度の悪材料を織り込みながら下落局面を通過したことで、今週は波乱要素を抱えながらも売り一巡後は急反発の可能性も高い。年金資金など大口投資家によるリバランスの買いが入る可能性があるほか、日経平均先物が昨年後半の高値水準に近づいていることで、ここまで下値を叩いてきた自動売買を繰り返すCTA(商品投資顧問)系の動向の変化をみる上で重要な週となろう。



 8/2の米国市場では半導体大手エヌビディアの株価は1.8%程度の下落率にとどまっており、今週は米国株から落ち着きを取り戻す可能性が高い。一方、日本株は米国株の動向だけではなく、為替の動きも重要な要素となる。ドル円相場は1ドル=146円台まで円高が進んだ。月足で節目が確認できる145円前後まで円高余地があるため、不安定な動きが続く公算が大きい。ただ、東証プライム市場で値上がり銘柄と値下がり銘柄の比率をみる騰落レシオ(25日)は82.15%(8/2)と、昨年10月に二番底をつけた直後の10/30以来の水準まで低下した。指数の不安定な動きが続く中でも、そろそろ逆行高する主力株が出てくるタイミングとみられる。


 


 米主要指数ではハイテク株主体のナスダックが7/10につけた史上最高値からの下落率が10%を超え、半導体株指数(SOX指数)は22%の下落率となった。一方、景気減速懸念といわれながらも、ダウ平均は7/17につけた史上最高値からの下落率は3.5%程度、景気先行指数といわれるダウ輸送株指数は5.6%程度。世界の機関投資家がベンチマークとするS&P500は7/16につけた史上最高値から5.6%程度の下落幅にとどまっている。


 8/2現在、テクニカル面では、上記指数のうちでダウ平均とダウ輸送株指数は上昇基調にある75日移動平均線上で下ヒゲをつけて終え、S&P500は75日移動平均線付近で終えた。 


高値からの下落率や株価位置を見る限りでは景気減速懸念でバタバタするほどネガティブな動きではなく、健全なる調整の範ちゅうである。あくまでもハイテク株主体の下落であり、ハイテク株に偏った資産形成の崩れが一時的に他業態の銘柄にも弱い影響を与えているといったところだろう。


 米10年債利回りは、利下げ期待や景気減速懸念などを理由に一時3.78%あたりまで低下したが、月足の一目均衡表などでみると基準線(3.76%)の節目に達している。ここからは金利の反転(上昇)に対する株価のネガティブな反応には留意が必要だが、9月の利下げが確実視される現状では継続的な金利上昇は想定しづらい。金利が十分な水準まで下げた状況にある中、景気減速懸念が短期的にでも和らげば、大きく下げたハイテク株から戻りを試す局面に入っていくことが予想される。ただ、あくまでも持続的に相場を主導していくのは景気敏感や金利敏感といった非ハイテクであろう。米主要指数の中で最も早いタイミングで再び史上最高値を更新してくるのは、下落率が相対的に小さいダウ平均だろう。



 日経平均株価(図表1)は4/19安値(36,733円)や200日移動平均線(36,858円 8/2)をあっさり割り込み、大幅な水準訂正を強いられている。8/2の下落幅は前日比で2,000円を超える大幅安となり、36,000円を割り込んで取引を終了。1987年10月に起きた「ブラックマンデー」の急落に次ぐ歴代2番目の下落幅の大きさとなった。


 7/11の史上最高値(42,426円)からの短期波動は下値模索の判断が優先される。昨年後半に形成した高値水準(33,700円前後)や昨年10月安値水準まで一気に値幅調整が進む可能性は高い。


 一方、200日移動平均線を割り込んだものの、長期トレンドの方向を示す同線は依然として上昇基調が続いている。長期上昇トレンドに発生する短期的なスピード調整とした場合、ここからダメ押しがあっても今週は底入れサインが発生するシナリオが想定される。


 4月安値を割り込んだこと自体はネガティブではあるが、昨年10月安値時も直前の8月安値を下回る場面があった。当時は10/4安値からおよそ1カ月程度の値固めをこなし出直る展開となったが、今回もそうであれば安値からの初動の戻りの大きさが重要となる。



 週足では3週連続の陰線で52週移動平均線(35,951円 同)付近まで下落した。一方、すでに下回っている13週移動平均線(38,890円 同)や26週移動平均線(38,899円 同)は下落基調に入ることが予想され、初動の戻りが弱くもたつくようだと、近いうちに上方から下がってくる13週移動平均線に上値を抑えられ、戻り一服による一段安につながるシナリオもあろう。できるだけ早急に13週移動平均線上に回帰する必要がある。



 上値メドは、200日移動平均線、8/1安値(37,737円)、10日移動平均線(38,401円 同)、75日移動平均線(38,962円 同)、25日移動平均線(39,835円 同)、心理的節目の40,000円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の35,500円、昨年10/4安値から7/11高値までの上昇幅に対する61.8%押しの35,050円、1/10高値(34,539円)、心理的節目の34,000円、昨年11/20 高値(33,853円)、1/4安値(32,693円)などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2023/5/1-2024/8/2)
  • 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(6/13~14開催分)(8/5)、6月毎月勤労統計、6月家計調査、10年国債入札(8/6)、6月景気動向指数(8/7)、7月都心オフィス空室率、7月景気ウォッチャー調査、日銀金融政策決定会合の主な意見(7/30~31開催分)、30年国債入札(8/8)、オプションSQ(8/9)がある。


 企業決算の発表では、伊藤忠、オリックス、味の素、郵船、キッコーマン、JFE、コンコルディア、ローム、めぶきFG、東武、アルフレッサHD、住友ベ、ワークマン(8/5)、東京海上、ソフトバンク、ダイキン、三菱重、スズキ、NTTデータG、ユニチャーム、キリンHD、シスメックス、鹿島、ヤマハ発、大林組、出光興産、日清食HD、横河電、川重、三井化学、リコー、IHI、ブラザー、ユー・エス・エス、参天薬、JR九州、スクエニHD、ニチレイ、丸井G、H2Oリテイル、帝人(8/6)、ソニーG、NTT、ソフトバンクG、ホンダ、富士フイルム、オリンパス、アサヒ、大和ハウス、クボタ、レーザーテク、ニトリHD、資生堂、住友鉱、島津製、東レ、しずおか、SUMCO、ロート、マツダ、ラウンドワン(8/7)、リクルートHD、東エレク、テルモ、菱地所、花王、INPEX、ネクソン、住友不、日ペイントH、バンダイナム、サントリーBF、大日印、住友林、東急、トレンド、ダイフク、KOKUSAI、ホトニクス(8/8)、MS&AD、ゆうちょ、日本郵政、SMC、ブリヂストン、SOMPOHD、ENEOS、セコム、楽天G、三菱HCキャ、T&DHD、TOPPANHD、大成建、かんぽ、ミツコシイセタン、明治HD、ゼンショーHD、マクドナルド(8/9)が予定している。


 海外の経済指標の発表やイベントは、米7月ISM非製造業景況指数(8/5)、米6月貿易収支、米3年国債入札(8/6)、中国7月貿易収支、米6月消費者信用残高、米10年国債入札(8/7)、米30年国債入札(8/8)、中国7月生産者物価指数(PPI)、中国7月消費者物価指数(CPI)(8/9)などがある。


 海外企業の決算発表では、タイソン・フーズ(8/5)、キャタピラー、ウーバー・テクノロジーズ、エアビーアンドビーフォックス、アムジェン、マラソン・ペトロリアム、ヘンリー・シャイン、アイデックス・ラボラトリーズ、フィディリティナショナルインフォ、ジェイコブス・エンジニアリング・グループ、ヤム・ブランズ、センプラ・エナジー、エクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン、デューク・エナジー、バクスター・インターナショナル、バルカン・マテリアルズ、トリンブル(8/6)、ウォルト・ディズニー、ショッピファイ、ビヨンド・ミート、ヒルトン・ワールドワイド、CVSヘルス、エマーソン・エレクトリック、ラルフ・ローレン、ジロー・グループ、ロックウェルオートメーション、グローバル・ペイメンツ(8/7)、イーライリリー、ギリアド・サイエンシズ、NRGエナジー、パーカー・ハニフィン、マーチン・マリエッタ・マテリアルズ、EPAMシステムズ(8/8)、ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズ(8/9)が予定している。

今週の注目銘柄!(8/5~8/9)

銘柄
コード
銘柄名 目標株価
(円)
ロスカット株価
(円)
注目ポイント
1973 NECネッツエスアイ 3,500 2,300 DXコンサルなどを手がける。1Q決算では連結の営業利益が前年同期比2.1倍の23.8%増と大幅増益を達成した。官公庁や製造業を中心とした一般企業向けの需要が伸長した。受注も官公庁向けが好調で、受注高、売上高、売上総利益に関しては1Q時点の過去最高を更新している。決算は7/30の昼休みに発表され、この日の株価は大幅上昇。7/31は反動で売りが先行したが、早々に安値をつけて切り返すと、プラス転換して高値圏で終了した。直近の上昇で4月につけた2,734円を上回り、上場来高値を更新している。8月は相場全体が軟化する中で、押し目を形成しており、絶好の買い場になる公算が大きい。ターゲットは3,500円、ロスカットは2,300円
3073 DDグループ 2,200 1,140 飲食・アミューズメント事業を展開する。1Q決算は前年同期比で減益となったが、同時に発表された株主優待の変更が好感され、これらを受けた7/16の株価は大きく上昇した。変更に関しては、200株以上の保有者に対する優待を手厚くし、これまで年1回としていたものを年2回に変更。また、選択できていたお米を廃止するとともに、紙の優待券を廃止して電子チケットに統一するという。企業側にとっては優待にかかるコストの削減が期待できる。1Qの営業利益は減益であったが、上期の会社計画15.4億円に対して、1Qで10.4億円を計上している。決算発表以降の株価は強含んでいたが、8/2の全体市場が軟化で同社株も調整を入れた。25日移動平均線の前後で目先はもたつく可能性もあるが、4月以降で形成してきたレンジを切り上げた状態から上昇トレンドに入っていくことが予想される。ターゲットは2,200円、ロスカットは1,140円
4188 三菱ケミカルグループ 1,100 790 総合化学大手。8/1は東京市場が全面安の中で同社株も売り先行となったが、後場に発表した1Q決算を受けて一気にプラスへ転じた。不採算事業の縮小も併せて発表しており、今後の収益改善期待が高まる。7月後半の下落一巡後、上記の決算発表を受けて大幅高となり、7/11の高値(932円)を一時上回った。8/2は相場全体が大幅安となる中で反動安を強いられたが、5月~6月の底を切り上げる展開が予想される。上昇基調にあるRSI(14日)が一時50%付近まで回復しており、今後は買いの勢力が強まっていく可能性が高い。相場全体が持ち直した場合、相対的に力強い上昇に変化することが期待できる。ターゲットは1,100円、ロスカットは790円
4887 サワイグループホールディングス 7,700 5,500 後発薬大手。7/24の日本経済新聞で、後発薬大手が増産にかじを切ることが報じられた。現状では後発薬の供給不足が問題となっており、この解消に向けた動きが本格化することは業界全体にとってポジティブである。自己株取得・消却を好感して6/26に急伸し、その後も水準を切り上げた。5/14に決算や株式分割を発表して跳ねたが、この日は上に長いヒゲをつけて終えた。この時の高値6,645円はすでに上回り、7/24には6,926円まで上昇する場面があった。利益確定売りなどでやや下押す動きとなっているが、強い基調は崩れていない。ターゲットは7,700円、ロスカットは5,500円
8242 H2Oリテイリング 3,000 1,720 阪急・阪神百貨店やイズミヤなどを展開。8/6に1Q決算発表を予定しているが、先んじて発表した高島屋やJ.フロント リテイリングが通期見通しを引き上げたことを踏まえると、同社も好調が見込まれる。今期の営業利益見通しは、前の期比1.2%増の265億円。前期は同2.3倍増と大幅増益を達成しているだけに保守的に映る。株価は7/23に年初来高値を更新。7月半ばに日経平均株価が大きく崩れる中でもそれほどネガティブな反応は見られなかった。一方、直近では円高を受けてインバウンド関連に売りが波及し、同社株も一気に下方に水準訂正。8/2までに100日移動平均線まで下げた。円高によるインバウンド需要減退への思惑が弱気心理の中で過剰反応しただけであり、押し目買いに妙味ありとみられる。ターゲットは3,000円、ロスカットは1,720円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・8/2現在、プライム市場に上場、時価総額が200億円以上、PBRが7.0倍未満、PERが25.0倍未満、24カ月移動平均線が上昇基調にある中から、業績面や成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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