日経平均株価は9/14(火)に30,670円10銭の年初来高値(終値ベース)を付けた後、下落基調になっています。特に9/27(月)〜10/4(月)に6営業日連続安となった後、10/5(火)は午前10時近辺で前日比800円超の急落になっています。
日経平均株価の10/4(月)終値28,444円の下落率は年初来高値比で約7.3%、TOPIXは同期間6.8%となっています。当面の高値からの下落率は10/4(月)までで、NYダウが4.8%、ナスダックが7.3%、DAX指数が6.2%となっています。日本株の下げは、おもに世界的な株安の中で説明できると考えられます。
株安の大きな理由は、(1)中国恒大問題、(2)インフレ懸念を背景とする米長期金利上昇、株安の2点であると考えられます。(1)については、10/4(月)の当レポートでご報告した通り、時間をかけたソフトランディングがメインシナリオになると考えられます。
株安のより本質的な要因は(2)であるように思います。8/20(金)〜10/4(月)、原油価格(WTI先物)は24.6%、CRB商品指数は12.6%上昇しており、世界的なインフレ圧力の高まりにつながっています。10/4(月)の「OPEC プラス」では、原油の増産が見送られたことから、当面原油価格の高止まりが懸念されます。
このほか、天然ガスや石炭価格など、エネルギー価格の上昇が目立っています。「脱炭素」を目指す国際的な取り組みの中で既存エネルギーの供給が減っていること、それが天候不順などによって加速していること等も背景とみられます。そこに、世界的なワクチン接種進捗、経済活動再開に伴う需要増大が重なり、エネルギー価格の上昇につながっています。
日銀短観(9月)では、特に製造業において仕入れ価格の予想外の上昇が指摘されており、エネルギー価格上昇等の影響は日本経済にも影響を与え始めています。
もっとも、足元の株価はやや下げ過ぎの様相も強まっています。日経平均株価は年初来高値から10%下落した水準である27,603円を下回ってきており、当面の下値めどに届きつつあります。次の下値メドは年初来安値水準である27,013円になるとみられます。
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