東京株式市場では、日経平均株価が5/11(火)に909円安、5/12(水)に461円安の後、5/13(木)も前場で518円安と、大きく売りが先行する展開になっています。
5/12(水)の「マーケット・フラッシュ」と合わせ、理由は以下の、主に4点にまとめられると考えられます。
(1)米国で新型コロナウイルス向けのワクチン接種が進み、景気回復期待から再びインフレ率高進・米長期金利上昇が懸念され、半導体関連株やグロース株を中心にナスダック銘柄が売られたため。
(2)ハイテク株と連動しやすい台湾加権指数が、台湾での新型コロナウイルス感染拡大懸念から大きく下落(特に5/12)したため。
(3)決算発表が佳境に入り、買いポジションを取りにくい環境になっているため。
(4)日経平均株価は3/5安値28,308円、3/24安値28,379円、4/21安値28,419円を結ぶ下値抵抗ラインを形成していましたが、5/12(水)の取引でそこを下放れたこともあり、投げ売りが加速しやすかったため。(株価下落の加速要因)
昨日も指摘したように、米国のみならず、世界的にもワクチン接種が進む中、今後も米長期金利上昇が懸念材料になる可能性はありそうです。5/12(水)の米国市場では、この日発表された消費者物価指数(4月)が前年同期比で4.2%上昇(市場コンセンサスは同3.6%上昇)し、リーマンショックが起きた2008年9月以来の高い伸びとなりました。変動の大きい食品やエネルギー価格を除いた「コア指数」でさえ、前年同期比で3.0%上昇(市場コンセンサスは同2.3%上昇)となり、1995年7月以来の高い伸びとなりました。
米国では、緩和的金融政策が続く一方で、景気回復が続いているため、物価上昇圧力が強く、今後も金利上昇が続くとの見方が増えています。インフレ率の更なる更新を防ぐべく、ジャクソンホール会合(8月下旬の予定)では、FRB(米連邦準備制度理事会)がテーパリング(金融緩和の縮小)への方向転換を示唆するとの見方も出ていました。しかし、この「転換」については、米国時間6/15(火)〜6/16(水)開催予定のFOMC(米連邦公開市場委員会)へ前倒しされるとの見方も増えており、債券市場で金利上昇圧力が高まる要因になっています。米国市場では長期債利回り(10年国債利回り)が4/22(木)の1.543%から5/12(水)は1.698%と、再上昇する傾向を強めており、株式市場へ逆風を送り続けそうです。
もっとも、昨年4〜6月は米国物価指数の低迷が顕著で、そこから1年以上経過してきた今回はその反動という側面もありそうです。米国の物価上昇圧力が「本物」であるか否か判断する前に、もう少し数字のチェックを重ねる必要がありそうです。
一方、国内における上場企業の決算発表については、トヨタ自動車(7203)の発表が無難に終了し、またソフトバンクグループ(9984)の発表も終わりました。日本電産(6594)の決算発表が行われ、決算発表シーズンの「入り口」となった4/22(木)、日経平均の予想EPS(1株利益)は1,338円でしたが、5/12(水)にはこれが1,685円まで上昇するなど、企業業績の回復傾向が強まっています。決算発表シーズン明けとなる来週以降、このことに対する評価が本格化してくる可能性もありそうです。
日経平均株価は2/16(火)の取引時間中に30,714円の本年高値を付けましたが、そこから10%押した水準は27,642円であり、5/13(木)午前の安値27,534円はすでに、それを下回っています。日経平均株価は重要な下値支持ラインに到達したと言え、目先の底入れタイミングは近いと期待されます。
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