日経平均株価が2/15(月)、終値で30,084円15銭まで上昇し、終値ベースでは、1990/8/2(木)以来、約30年6ヵ月ぶりの「大台」回復を実現しました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に2020/3/19(木)に付けた安値16,358円19銭(取引時間中安値)から約84%の上昇率になりました。
世界的に、当面は緩和的金融政策が続くとの見方が支配的となっています。そうした中、米国や日本での政権交替が大過なく終わったこと、新型コロナウイルス向けワクチン接種が期待から実現へと進み、景気回復も期待から実現へシフトしてきたこと、現実に新型コロナウイルスの新規感染者数がピークアウトし、景気・企業業績の底打ちが鮮明になってきたことなどが、過去10ヵ月の株価上昇の要因であると考えられます。
今後はどうなるでしょうか。日経平均株価は割高なばかりか、世界的に「株価はバブル」であり、急落する可能性が大きいとの指摘が増えており、改めて「割高感」や「過熱感」について、詳細に吟味してみる必要がありそうです。
企業の純資産が1株当たりいくらあるのかを示す1株純資産(BPS)や、株価がその何倍かを示す株価純資産倍率(PBR)をベースにした分析は、予想EPSやPERをベースにした分析よりも「保守的」であるとみられます。前者がBPSという「実績」を基準にしているのに対し、EPSの「予想」を分析しているためです。
日経平均株価の安値(終値ベース)は2009/3/10(火)の7,054円でした。2/12(金)終値29,520円はその約4.2倍に値上がりしています。また、日経平均株価のBPSが最低値を付けたのは、PBRやBPSの記録をさかのぼれる1995年以降では、2001/4/10(火)の5,172円24銭となっています。現在、日経平均株価のBPSは22,707円なので、その金額からは4.4倍になったと計算されます。
1株純資産は最低値から約4.4倍に増え、日経平均株価が最安値から4.2倍になったことは、十分ファンダメンタルズに沿った動きと考えられます。ちなみに、日経平均株価のPBRは1.30倍(2/12現在)で、月足ベースで過去1年の平均1.10倍、同10年の平均1.19倍よりは高く、過去20年の平均1.74倍よりは低くなっています。近年は資本効率を重視するROE(株主資本利益率)が重視されており、その考え方の下では日本株は割高に見えますが、超長期的には平均を下回る水準にとどまっています。
日経平均株価はPBRやBPSをベースにした分析で、割高感は強まっていますが、歴史的には割高とも言い切れない部分がありそうです。日経平均株価はさらに上昇する可能性もありそうです。できれば、企業業績のさらなる回復を経て、さらにEPSやBPSが積み上がる業績相場を待ちたい所です。
一方、足元はテクニカル指標の過熱感が一部で強まっており、注意が必要になってきたようです。2/15(月)は米国や中国が休場で、外国人投資家の動きは限定的だった可能性があり、今後利益確定売りが増える可能性もありそうです。また、上場企業の決算発表もこの日で一巡するはこびであり、「好決算」という材料の供給も一巡することについても、十分な注意が必要になりそうです。
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