2020年1集「新春号」の四季報読破で、私の読破歴は23年目、89冊となりました。
いつものように全体観からお伝えすると、四季報2ページにある「【見出し】ランキングで見る業績トレンド」から感じる印象は、1位の「下振れ」は一見ネガティブですが、それ以降は「2位.反発、5位.反落」、「3位.増額、14位.減額」、「4位.続伸、12位.続落」、「8位.減益幅縮小、15位.減益幅拡大」と、4つの対義語が並んでいて気迷いの印象です。
ただし、例えば、「増額」というポジティブワードが3位の上位にあって、「減額」というネガティブワードが14位の下位に来ているように、ポジティブワードが前面に出ているため、気迷いでもやや前向きな印象です。
次に四季報3ページの「市場別決算業績集計表」で今期業績予想を見ると、「合計3354社」は「0.6%増収、6.3%営業減益」と、3カ月前の増益予想から一転して減益予想に転落しているため非常に悪い印象を受けました。
ところが秋号から新春号までの3カ月間の株価パフォーマンスは、日経平均から東証マザーズに至るまで、全ての市場の株価は上昇しています。今期業績は号を追うごとに悪化しているのに、なぜ株価は上昇したのでしょうか?
これは株価が今期業績ではなく、来期業績予想が「2.7%増収、8.6%営業増益」と、V字回復することを織り込んだためと解釈するのが一番しっくりくると思います。
もし足元の相場が来期の業績回復を織り込む相場とするならば、「新興市場」は今期「33.6%営業減益」と大きく沈みこむものの、来期は「107.6%増益」と強烈なV字回復になる見込みのため、より投資妙味は大きいと思います。
加えてマクロ環境は、ECBの3年半ぶりの量的緩和再開(9/12)、FRBの資産購入再拡大(10/8)と利下げの実施、日銀の金融緩和継続と財政支出13.2兆円を伴う経済対策(12/5)など、世界各国の国策的な景気下支えが効いていますので、しばらく相場全体は堅調な展開が続くと考えられます。大きく出遅れている東証マザーズはより目立つのではと感じます。
来期以降を見据えた大きなテーマでは、次世代通信「5G(5th Generation)」が動き出しますので注目です。5Gの特徴は、1.高速・大容量、2.多数端末との接続、3.低遅延の3つです。通信速度は従来の約100倍、画像は高精細で、2時間の映画なら3秒でダウンロードできるとされていますし、これまで数個程度の機器への接続しかできなかったものが、100個程度まで一気に拡大するため、いよいよ「IoT」が現実のものとなるでしょう。
またリアルタイムで通信が可能になるため、安全性が必要な「自動運転」や「遠隔医療」も現実のものとなるでしょう。5G関連の銘柄は裾野が広くたくさんありますが、四季報オンラインのキーワード検索などを活用すると銘柄を絞り込むことができますので、是非それぞれで試してみてください。