最新号の会社四季報である2019年1集新春号は、「秋号と比較して業績の見え方は変わらないのに株価は下がった」という状態になっています。通常ですと「押し目買い」をおすすめしたいところですが、仮に今が業績悪化に転ずるタイミングだとすると、ここから先は四季報の業績予想やコメントが、下落した株価に追随する形で悪化してくるというリスクも想定しておいた方が良いでしょう。
では2019年1集新春号に、業績悪化に転じる兆候があるのかですが、私は次の2つを感じています。
一つ目は、四季報2ページにある「【見出し】ランキングで見る業績トレンド」ランキングでマイナスコメントが増えていることです。秋号では「横ばい」も含めてマイナスのイメージのキーワードが上位15位中3つしかありませんでしたが、新春号では6つに倍増しました(※3位:一転減益、5位:下振れ、7位:横ばい、9位:反落、12位:増益幅縮小、13位:減額)。
二つ目は6-7ページにある「業種別業績展望」の東証33業種別の業績で、「今期営業減益(※金融は経常利益を用いる)」業種が増えていることで、秋号の8業種から新春号13業種に増加しています。
つまり増益率など「業績」に注目する「グロース投資」は不利な局面となり、それよりも「自己資本」に注目し、その資産価値を大きく下回った割安株に投資する、「バリュー株」投資の方が優位だと考えられます。また配当利回りに注目した「高配当株」投資も有効でしょう。
ただし「グロース株」も株価が大きく下がれば、そこは「逆張り投資」の押し目買いのチャンスともいえますので、大きく荒れた相場では、常に臨機応変に対応することが大事かと思います。
ところで具体的に、どのような銘柄が「バリュー株」で、どのような銘柄が「高配当株」なのか。例えば「バリュー株」では、自己資本比率70%以上と高いのに、PBR0.7倍未満というような、財務基盤がしっかりしているに割安に放置されている銘柄が代表例です。また、「高配当株」は、東証1部の加重平均配当利回りが2.5%弱ですので、例えば3%以上の配当利回りがある銘柄などが当たります。ちなみにテンバガー候補は、増収率20%以上のような急成長の「グロース株」の中に多く存在します。
このように条件がわかってくれば、あとは銘柄を絞り込むだけですが、ここで四季報オンラインのスクリーニング機能(有料サービス)を活用すれば楽々銘柄を見つけることができます。さらに様々な条件を追加して絞り込むこともできますので、是非自分に合ったお宝銘柄を探してみることをおすすめいたします。