3/22（木）の米国株市場は、S&P500指数が前日比2.5％、NYダウが同2.9％、ナスダック総合が同2.4％の大幅な下落となっています。トランプ大統領が中国の知的財産権侵害を巡って中国製品の輸入に対して最大600億ドルの関税をかける大統領覚書に署名したことから、米中貿易戦争に対する懸念が高まりました。

貿易は世界経済の「成長のエンジン」と考えられています。貿易摩擦が広がると世界経済の成長率低下につながる可能性があるため、株式はグローバルにネガティブに反応しています。この点について詳しくは、3/2（金）掲載の「アメリカNOW! フラッシュ　〜貿易摩擦への懸念が新たなネガティブ材料として浮上〜」をご参照ください。

米国が計画する関税の日程は、米通商代表部が15日以内に関税をかける品目を選び、30日間のパブリックコメントの後に実施される予定です。関税はすぐに実施される訳ではなく、中国が反応する時間的猶予をもたせています。当初の懸念よりも実際の影響が小さくなることは期待でき、今回の発表に対する中国側からの反応が注目されます。

テクニカル面では、S&P500指数が重要なポイントであった100日移動平均線を下抜けており、当面下値模索の展開が想定されます（図表1）。下値の目途としては、2/9（金）の急落時にザラバ安値となった200日移動平均線の2,600ポイント割れ辺りが想定されるでしょう。

米国株の急落を受けて3/23（金）の日本市場では、ドル円レートは104円台に下落、日経平均は前日比403円安で寄り付いた後、同700円以上下落した水準で推移しています（9時50分時点）。業種別の下落率上位には、機械、精密機械、電気機器などが入り、貿易戦争の影響が意識されていると言えそうです。

米中の貿易関係については、米国の17年貿易赤字7,962億ドルのうち対中国が3,752億ドルで47％を占め、米国にとって圧倒的に大きい貿易赤字国となっています。

米国が中国から輸入する製品は、携帯電話、コンピュータ、通信機器などが中心です（図表2）。すでに米企業では中国の通信機器メーカー、ファーウェイとの取引を停止する動きが出ています。

一方、米国が中国に輸出する製品は、旅客機、大豆、乗用車、半導体などが中心です（図表3）。株式市場では、ボーイング、キャタピラーが対中国貿易摩擦に関連する銘柄として注目を集めてきました。

当社顧客の米国株保有上位100銘柄について、中国関係の売上が大きいものを図表4にリストアップしています。米中貿易戦争の懸念の高まりで、これまで株価に明確な反応がなかったものにも影響が広がる可能性があり、注意が必要でしょう。

• ※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

• ※米センサス局データをもとにSBI証券が作成

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1570	ＮＥＸＴ　ＦＵＮＤＳ　日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信	株価
1357	ＮＥＸＴ　ＦＵＮＤＳ　日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信	株価
1360	日経平均ベア２倍上場投信	株価
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1321	日経２２５連動型上場投資信託	株価