2/2(金)の米国株式市場では、NYダウが前日比665.75ドル安と急落し、終値は25,520.96ドルとなりました。雇用統計で賃金上昇圧力の強まりが明らかになり、米長期金利が上昇したことから「適温相場」が転機を迎えたと捉えられたことが主因と考えられます。
この日発表された米雇用統計(1月)では、非農業部門雇用者数が前月比20万人増加し、市場予想(18万人増)を上回りました。直近3ヵ月の月平均増加数も19.2万人増と高水準でした。失業率は4.1%と依然「完全雇用」状態が続いているとみられます。
特に驚きだったのは平均時給の伸び率です。1月の平均時給は前年同期比で2.9%増となり、市場予想(2.6%増)を大幅に上回り、金融危機(2008年)以前の3%台に接近してきました。景気が力強く拡大する中、トランプ政権による法人減税の後押しを受け、賃金の上昇が加速してきたことが鮮明となりました。
雇用統計で賃金上昇圧力の強まりが明らかになったことを受け、米長期金利(10年国債利回り)は2.84%まで上昇し、いよいよ2014年1月に付けた3.04%が視野に入ってきました。米株式相場については「景気・企業業績は拡大しているものの、物価上昇圧力は鈍いため、FRBによる金利引き上げ速度は緩慢なものにとどまり、息の長い上昇相場が続く」という「適温相場」持続への期待が相場を支えてきたと考えられます。今回の平均時給の伸びにより、そうした期待が崩れる可能性が強まってきました。
上昇相場を支えてきた前提条件が崩れてきたことは要注意です。NYダウは約5ヵ月で約5千ドル(約23%)上昇し、スピード警戒感も強まっていただけに、短期的には1/26(金)に付けた高値26,616ドルから1割程度下げて24,000ドル前後まで下げても不思議ではないと考えられます。
米国株の調整が濃厚になってきたことを受け、当面は東京株式市場でも売りが先行する可能性が強まりそうです。日経平均株価が2万3千円を下回る場面もありそうです。
ただ、過度の懸念は不要ではないかと考えられます。法人減税と10年で1.5兆ドルにのぼるインフラ投資に支えられ、米経済の拡大は続くとみられるためです。世界的に事業を展開するソニー(6758)やホンダ(7267)の業績予想上方修正や、ソフトバンクグループ(9984)が出資する米スプリントの黒字転換など、企業業績の上振れも鮮明になってきました。2/2(金)時点の日経平均株価の予想PERは15.1倍と特に割高感もないと見受けられます。
米長期金利が上昇傾向にある分、円高・ドル安に歯止めがかかりやすいことも下支え材料になりそうです。むしろ、米国株の波乱で売りが先行しやすくなる分、好業績株には投資チャンスが増える可能性もありそうです。
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