米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が日本時間3/16(木)の未明に発表されました。米国の政策金利の上限はこれまでの0.75%から1.0%に引き上げられることが決定されました。金利市場の事前予想では、今回利上げが実施される可能性は96%でしたので、この点については市場の予想通りであったと考えられます。
市場が強い関心を抱いていたのは年内の利上げペースです。今回の発表が行われる直前のFOMCメンバーによる年内利上げ回数の予想は2回が4人、3回が6人、4回以上が5人でした。FOMC後は2回が1人、3回が9人、4回以上が5人と変わりました。イエレン議長の発言とあわせ市場では「年3回の利上げペースという見方に変化はない」と理解され、年4回の利上げ説は後退しました。これを受け、米国株は反発し、外為市場では円高・ドル安が進む展開になりました。
3/16(木)の東京市場ではドルの対円レートが1ドル113円台の円高・ドル安水準で取引開始となり、日経平均株価もそれを嫌気する形で売り先行となっています。ただ、FOMCメンバーの金利見通しでは「年2回」の3人が「年3回」に変わっているので、むしろ強気方向に傾いているとの見方が可能だと思います。従って、外為市場では再び円安・ドル高に転じる可能性もあり、株価も押し目買いを探る展開になりそうです。
なお、市場が注目していたもうひとつの重要日程であるオランダの議会選挙については、出口調査において、その躍進が「危惧」されていた自由党が第1党を確保できなかった模様と伝えられています。いずれにせよ現状では、どの政党も単独では政権を担うことはできず連立政権樹立の方向となること、自由党と連立を望む政党はないとみられるため同党の過激な主張(反イスラム・ユーロ離脱)が実現される可能性は小さいこと等の基本シナリオに変化は生じないとみられます。とりあえずは「重要日程を通過した」という事実が重要になりそうです。
さらに本日は日銀金融政策決定会合の結果発表が予定されていますが、3/16朝の段階では政策変更なしとの見方が支配的になっていました。また、米連邦債務上限の適用がこの日から再開されることについても、当面は細かいやりくりで債務を管理することが可能とみられ、少なくとも夏頃までは波乱につながるリスクは小さいとみられます。
重要日程の集中日を経過した後の株式市場では、日経平均株価が上昇する局面が到来しても不思議ではないとみられます。上場企業の経常利益は18年3月期に2ケタ増益になると多くの調査機関が予想しており、それを織り込みながら20,000円の大台をトライする可能性が大きいと予想されます。
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