4月27-28日に開催された日銀金融政策決定会合の結果が12時01分に伝わった。先週末の22日には「金融機関への貸し出しにもマイナス金利適用を検討」と伝わったほか、ETF拡大、マイナス金利幅拡大など様々な追加の金融緩和策が期待されていたなか、「金融政策の現状維持」とし、ゼロ回答となった。
市場では、ランチタイムだったことから225先物が16,540円まで急落。発表前は17,500円台で推移していたことから1,000円も下に振れる格好となった。
また、為替市場では、ドル・円が108円77銭とこちらは3円も円高が加速した。結果として追加の金融緩和期待が高まる前の水準まで下げたことから、仕切り直しとの見方もできよう。
不透明要因通過で日経VIは低下 |
市場の混乱度合いを図る上で重要な指標となっている日経ボラティリティ・インデックス(VI)は26p台と前日比では10%ほど低下している。市場の不透明要因だった日銀会合というイベントを通過したことが、ボラティリティ低下の要因か。225先物は「金融政策の現状維持」との発表を受けて1,000円下に振れる格好となったが、ボラティリティを見る限り市場はさほど悲観的には見ていないと思われる。
GWに突入することで5月第1週は僅か2営業日立会いとなる。スケジュールを意識すると28日に新規の売りポジションを組むといった動きは限定的か。参加者が少なく仕掛け的な売買が入りやすいGWは円高に振れやすいというジンクスはあるが、既に108円後半まで円高に振れたことから円高進行は回避されると見る。本日の下げを受けて、株、為替ともに売りは一巡と見る。
図1:直近3ヶ月の日経225先物(日足チャート)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成
図2:直近3ヶ月のドル・円(日足チャート)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成
5月は伊勢志摩サミット前の政策関連に注目 |
市場では、早くも次の注目イベントを探す動きが見られる。5月最大のイベントは26-27日に行われる伊勢志摩サミットだが、伊勢志摩で上場している銘柄や警備関連銘柄などに多少物色が向かうレベルに留まり、日本株を引き上げる最大の投資家である海外投資家を日本株に向かわせるようなイベントとはならないと考える。注目は伊勢志摩サミット開催前に策定されると見られる、新しい成長戦略や消費増税の先延ばしの決定など「政策」に絡んだ内容だ。
18日の朝方には1-3月期GDP速報値が発表される。市場ではマイナス成長との話も聞かれることで、17年4月の消費税10%への引き上げ先延ばしは18日以降に決断するのではないかと想定。消費増税先送り、新しい成長戦略はともにある程度織り込まれているが、海外投資家はこれまで政策に絡んだ買いを入れるケースが多かったことから十分期待できよう。
こうした政策に、仮想通貨の法案なども成立となれば個人投資家も乗ってこられる相場となるが、こちらに関しては熊本地震の影響などから多少法案成立時期が遅れる可能性はある。
夏の参議院選挙を控え政権は政策をおろそかにできない |
こうした政策などが材料視されて5月の日本株はしっかりとした推移をみせると想定する。仮に、消費増税を予定通り実施、新しい成長戦略が骨抜きといった流れになれば当然ながら失望売りが先行する。失望売りが先行した場合、225先物は仕掛け的な売り圧力が強まることで16,000円割れが視野に入ろう。もっとも夏に参議院選挙を控えていることなどを考慮すると、安倍政権がこうした政策を適当に扱うことはないと考える。
なお、5月のイベントで注意したい点として「パナマ文書」を挙げておきたい。5月10日(日本時間3時)に追加で20万社超の法人情報を国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のホームページ上で公開する予定としている。
200を超す国・地域の個人が関わっているとの観測からこれまで以上のインパクトがあるニュースが伝わる可能性があることは頭の中には入れておきたい。
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