今後のマーケットの注目イベントは? |
来週日本時間27-28日に米FOMCが開催される。ここでは金利引上げの有無が注目点となるが、30日には今月2回目の日銀金融政策決定会合が開催される。今回の会合では、半期に一度の展望レポートをリリースすることから、市場では金融緩和を実施するのではないかとの関心が高まっている。ただ、先週末に不動産、その他金融、倉庫といった金融緩和関連銘柄が物色されたが、今週に入ると物色は一服。一部では「ただの日米金利低下による低金利メリット銘柄の物色ではなかったのか」との声も挙がっている。為替市場でドル・円が動意薄となっていることを考慮すると日銀ラリーではなかったとの見方は否定できない。
現物、先物、オプション市場ともに今年最低水準の出来高となっていることは、海外投資家の様子見姿勢が強まっていることを示唆する。様子を見る材料は2つと考える。
一つは日米欧の金融政策、もう一つは安倍改造内閣の政策。
図1:直近6ヶ月の日経平均株価(日足チャート)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成
図2:直近6ヶ月のドル/円(日足チャート)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成
日米欧の金融政策の行方は? |
日米欧の金融政策だが、10月後半に各国の中央銀行の会合が予定されており、稀にみる過密スケジュールとなっている。
21-22日にECB理事会
27-28日にFOMC
30日に日銀会合
ECBでは追加の金融緩和の有無、FOMCでは金利引上げの有無、日銀会合では追加の金融緩和の有無がそれぞれ焦点に。各国の政策などを分析して投資を行うグローバル・マクロ戦略を手掛けるヘッジ・ファンドからすると複雑に絡みすぎており売買は手控えられよう。今の局面で積極的にグローバル・マクロ戦略や、アービトラージを手掛けるヘッジ・ファンドは、8月から9月の相場で大負けしたところぐらいか。大きな利益を狙うこともできるが、足元の地合いを考慮すると積極的にはリスクを取れない様子。
米金利引上げに関してだが、シカゴ・マーカンタイル取引所が算出し米国政策金利の市場予想を示す「Fedウオッチ」では、10月のFOMCで利上げ実施の割合は僅か7%で12月は29%。(米国時間20日時点)。「Fedウオッチ」は米フェデラルファンド(FF)レート先物から利上げ時期の確率を割り出した指標。この低い期待値を見る限り、市場関係者は年内利上げ先送りが市場コンセンサスとなっている。なお、欧州では経済指標は引続きさえないものの、足元の相場環境が落ち着いていることから緩和は見送りとの公算が大きい。
安倍改造内閣の政策は?日銀追加緩和の影響は? |
もう一点は、安倍改造内閣の政策だ。現在、当初掲げられていた三本の矢の成長戦略の進展、そして、新しい三本の矢、加えて補正予算。具体性に欠ける政策を受けて投資家は消化不良を起こしているような状況だ。足元で目に見えて成功しているのは訪日外国人数の増加くらいか。「民泊」などの規制緩和を進めているが、成長戦略や国家戦略特区と進める課題は山積となっている。
実は追加緩和実施も日本経済への影響は限定的?
仮に日銀が追加の金融緩和を実施すれば、株高、円安に振れると見る。ただ、今追加緩和を実施しても11月16日に発表される7-9月期GDP速報値に対する影響は皆無と言えよう。追加緩和を実施するのであればマイナス成長と見られているGDP速報値を確認した後のほうが大義名分は増すと思われる。その際、金融緩和だけでは株高、円安効果しか誘発しないことから、金融緩和と補正予算、具体的な成長戦略、つまり最初の三本の矢「金融政策」「財政政策」「成長戦略」に沿ったインパクトが日本経済には必要と考える。金融緩和実施のみであれば、本格的に外国人投資家が日本株を買い進めるのは厳しい。一時的には上昇しても心理的な節目の19,000円レベルで上げ一服となろう。
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