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9月FOMCでの利上げ実施は乱高下要因か |
9月16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では政策金利の引き上げの有無が市場の話題となっている。引き上げの最終判断材料と言われた8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+17.3万人で市場予想を下回ったが、6月と7月の数字は上方修正されている。また、平均時給は前月比+0.3%で順調な伸びを示した。8月の雇用統計は全体的にはまずまず良好な内容であり、9月の利上げ開始を阻む材料ではないとの声も聞かれている。
8日に発表された8月の米労働市場情勢指数(LMCI)は2.1で7月実績の1.8を上回った。LMCIは今年3月と4月に2カ月連続でマイナスとなったが、5月以降はプラスに転換しており上昇を続けている。LMCIの上昇は雇用情勢の改善を示唆しており、9月利上げの可能性はより高まったとみられる。一部市場関係者によると「市場関係者の過半数は9月利上げを想定している」と指摘。米国株式市場も9月利上げに対する備えはできていると見ているようだ。
一方、米シカゴ・マーカンタイル取引所が算出し米国政策金利の市場予想を示す「Fedウオッチ」では、今回のFOMCで利上げ実施の割合は23.6%で据え置きの76.4%を大きく下回る格好となっている。「Fedウオッチ」は米フェデラルファンド(FF)レート先物から利上げ時期の確率を割り出した指標。9月以降に開催されるFOMCでの利上げ予想は10月が37.6%、12月は59.4%とい年末にかけて確率は高まっている(9月8日時点)。経済指標中心に分析をするエコノミストやアナリストのなかでは9月利上げは五分五分との見方のようだが、足元のNYダウ、S&P500の動向、そして中国景気への懸念などリアルなマーケット環境に影響されやすいFedウオッチでは利上げ先送りが想定線となっている。
表1:2015年後半以降のFOMCスケジュール
開催日(米国時間) | 内容 |
---|---|
9月16-17日(水・木) | 日本時間18日午前3時に声明発表、日本時間午前3時半に記者会見 |
10月27-28日(火・水) | 日本時間29日午前3時に声明発表 |
12月15-16日(火・水) | 日本時間17日午前4時に声明発表、日本時間午前4時半に記者会見 |
2016年予定 | |
1月26-27日(火・水) | 日本時間28日午前4時に声明発表 |
利上げ先送りの場合 |
市場コンセンサスとなりつつある利上げを先送りした場合、荒い値動きが目立っていた市場は沈静化に向かうと想定する。すなわち世界的なボラティリティは低下し、日本を含めた各国の指数、為替は落ち着いた動きを示すと考える。利上げに対する期待感よりも、利上げ実施後の警戒感のほうが高まっていることから過度な警戒感後退といった流れとなろう。緊張感の緩和から日経225先物は、一時的な上昇も考えられる。
図1:直近1年間のドル/円(日経平均VIチャート)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成
利上げ実施の場合 |
一方、サプライズとも言える利上げ実施となれば、為替市場では瞬間的にドル買いが進む可能性はあるが、利上げ実施への警戒感が高いことを考慮するとリスク回避の円買いが入ると見ておいたほうが良さそうだ。警戒感が高まることで、市場では米VIX、欧州VSTOXX、日経VIといった恐怖指数(ボラティリティ)は上昇。短期筋中心の商いで225先物が一日500円動くボラタイルな相場展開は続くと見る。8月中旬までは米政策金利引上げ観測は、「金利引上げ→米債券利回り上昇→日米金利差拡大に伴う円安ドル高→日本株買い」といった構図が主流を占めていたが、中国景気懸念の高まりがこのシナリオを狂わせたとも言えよう。
図2:直近1年間の日経225先物(日足チャート)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成