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米国特集(その4) 〜米国の成長を支えるイノベーションと投資機会〜

2014/3/10
投資調査部 渡辺晋司

米国で同時進行中の3つのイノベーション

米国の貿易収支が改善傾向にある。図1は2000年以降の米国の貿易収支を示したグラフだが、貿易赤字幅は2012年1月をボトムに縮小している。貿易収支改善の主因として所謂「シェールガス革命」に端を欲する原油輸入額の減少を挙げることができる。米国はイノベーション(技術革新)を通じて、長年の国際問題ともなっている米国の「双子の赤字」すら解決してしまおうとしているのだから驚く。

この「シェールガス革命」の様なイノベーションを引き起こす力こそが米国の長期に亘る成長と繁栄を支える源泉と考える。これまで3週にわたって米国特集レポートを掲載してきたが、最終回となる今回は米国で同時進行中の3つのイノベーションに焦点を当てて米国の今後と投資機会を見ていきたい。

図1:米国貿易収支の推移
米国貿易収支の推移

(出所)bloombergよりSBI証券作成。

注目の米国イノベーション関連ファンド

1

シェールガス革命

一つ目のイノベーションは冒頭でも少しふれたシェールガス革命である。シェールガスとはシェール層から採取される天然ガスのことで、従来採取困難だったものが図2に示した「水平堀り」、「水圧破砕」といった技術革新により2000年代以降採掘されるようになっている。このシェールガスが今後の世界のエネルギー事情に大きな影響を与える可能性があり、それが革命とまで言われる所以である。

EIA(米国エネルギー情報局)によると世界のシェールガスの回収可能量は日本の年間輸入量2000年分に当たる約207兆立方メートルと予想されている。「いつか原油は枯渇する」という「ピークオイル論」がこれまで何度も取りざたされてきたが、この予想に基けば数百年にわたり世界のエネルギー需要をまかなっていける計算となる。

世界のシェールガスの1割程度は米国にあると言われている。さらに米国はこのシェールガスの取り出し技術について独占的な知財権で固めており、現在、シェールガスの商業ベースでの生産は北米のみとなっている。EIAでは2025年から2030年には米国が世界最大のエネルギー生産国となると予想しており、これまで世界のエネルギー拠点と言えば中東のイメージが強かったが、将来は北米が新たな世界のエネルギー拠点として浮上する可能性が出てきている。

図2:シェールガス採掘のイメージ
シェールガス採掘のイメージ

(出所)野村アセットマネジメント

図3:米国の天然ガス生産量の推移予測(種別)
米国の天然ガス生産量の推移予測(種別)

(出所)EIA資料よりSBI証券作成

このシェールガス革命は(1)エネルギー価格の低下と(2)エネルギー自給率の向上を通じて米国経済に今後中長期的なプラスの効果を与えそうである。

図4は世界各国の天然ガスの価格を比較したものである。これを見ると、とりわけ2010年頃から米国の天然ガス価格が低位安定していることがわかる。エネルギー価格の安定は国内の製造業の競争力を高め、雇用増大と消費の拡大を通じて米国経済にプラスに寄与しよう。

また、図5は米国の天然ガス輸出量と輸入量の予測を比較したものだが、2020年頃には生産量が消費量を上回り、米国が天然ガスの輸入国から純輸出国となることが予想されている。これは外需面で米国経済を押し上げるとともに、貿易収支の改善を通じて米国の信頼を高める効果を発揮することが期待される。

図4:各国の天然ガス価格推移
各国の天然ガス価格推移

(出所)IMF「The Primary Commodity Price data」よりSBI証券作成

図5:米国の天然ガス輸出入量の予測
米国の天然ガス輸出入量の予測

(出所)EIA資料よりSBI証券作成

このシェールガス革命の恩恵に投資を通じて与る手段として、「MLP」を組み入れた投資信託に注目している。MLPは「REITのエネルギー版」とイメージすると分かりやすい。MLPもREITと同様に米国で行なわれている共同投資事業形態のひとつで、取引所で売買されている。一方、違いはREITが不動産賃料を主な収益源とするのに対して、MLPはエネルギーインフラ関連事業を主な収益源とする点である。

MLP市場では、時価総額ベースで80%超をエネルギー・天然資源に関する事業が占めている。また、多くのMLPは、エネルギー関連ビジネスの中で、採掘などの「川上」でもなく、ガソリン販売などの「川下」でもない、貯蔵・輸送といった「川中」のビジネスから得られる収入を配当原資としている点もポイントである。この「川中」ビジネスの最大の特徴は、エネルギー価格の変動の影響を受けにくく、安定した収入が得られることにある。実際にMLPを主要投資対象とする「野村−米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)」の組入銘柄を見てみると、85%がパイプライン関連の銘柄と「川中」ビジネスが大半を占める。また、今後予想されるシェールガス等の生産拡大により、パイプラインの利用の増加やインフラ関連設備などの拡充を通じた成長も期待できそうである。

しかもMLPには、一定の条件の下で法人税が免除されるという、REITと同様の優遇措置がある。そのため、高くて安定した配当の獲得が期待でき、MLPを組み入れる「野村−米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)」の2014年1月末における平均配当利回りも5.5%と相対的に高くなっている。

図6:野村−米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)の業種別配分(2014年1月末)
各国の天然ガス価格推移

注目のシェールガス革命関連ファンド

2

医療産業革命

二つ目は医療産業革命である。業種別に米国株の年初来騰落率(3月4日終値)を見るとナスダックに上場するバイオ関連株の上昇率が18.8%と際立って高い。また、昨年もヘルスケア株は市場平均を上回って上昇しており堅調な展開が続いている。

図7:JPMグローバル医療関連株式ファンドの投資先ファンドとヘルスケア株の過去1年間のパフォーマンス(円ベース)
JPMグローバル医療関連株式ファンドの投資先ファンドとヘルスケア株の過去1年間のパフォーマンス(円ベース)

(出所)JPモルガン・アセットマネジメント
※2013年12月末基準。先進国ヘルスケア株式はMSCIワールド・ヘルスケア・インデックス(配当込、円ベース)、先進国株式はMSCIワールド・インデックス(配当込、円ベース)、日本株式はTOPIX(配当込)。

このバイオ・ヘルスケア関連株の堅調さの背景には「医薬品産業革命」とも呼べるイノベーションがある。1990年代後半から2000年にかけて、ある生物の持つ全ての遺伝情報(=ゲノム)の全塩基配列を解読することを目標としたプロジェクトが進められ、ヒトを含む多くの生物種に対象が拡大された。しかし、ゲノム配列を変えて医薬品を製造するプロセスは時間やコストがかかるばかりで生産性が上がらない状況が続き、期待外れに終わったかにその時は見えた。

それが、近年、次世代シークエンサー(DNA解析装置)とノックアウト動物モデル(特定の遺伝子を破壊し欠損させた動物)を使用した標的の検証方法など技術革新が進み、長年の課題であった時間短縮とコスト抑制に成功することにより、ゲノム配列解析は「医薬品産業革命」と呼べるような進歩をとげようとしている。そして、このイノベーションにより既に多くのバイオ医薬品が商品化されており、今後は癌、免疫、精神疾患等の難治療分野でのブロックバスター(大型薬)の登場が期待されている。

なお、バイオ・ヘルスケア関連株を主要投資対象とする「JPMグローバル医療関連株式ファンド」の2014年1月末における組入の65%が米国株と大半を占めている。また、同ファンドの2013年12月末における組入上位10銘柄を見ても6銘柄が米国株となっており、医薬品産業革命においても米国が牽引する姿がうかがえる。

表1:JPMグローバル医療関連株式ファンドの組入上位10銘柄(2013年12月末)

銘柄

国別

業種

比率

米国

医薬品

7.50%

ロシュ・ホールディング

スイス

医薬品

6.10%

ノバルティス

スイス

医薬品

5.10%

米国

医薬品

5.00%

米国

バイオテクノロジー

4.50%

米国

バイオテクノロジー

4.20%

バイエル

ドイツ

医薬品

3.70%

アストラゼネカ

英国

医薬品

3.40%

米国

バイオテクノロジー

3.00%

米国

バイオテクノロジー

2.90%

注目の医療産業革命関連ファンド

3

モバイルインターネット革命

今回紹介する米国発のイノベーションの最後はモバイルインターネット革命である。インターネット革命と聞くと1990年代末から2000年のバブル的大相場のイメージが強いが、現在もその主戦場をPCからスマートフォンなどモバイル機器に移してイノベーションは続いている。

シスコシステムズの予測によると、世界のモバイルデータ通信量は今後4年で約11倍に増加し、2018年までには年間190エクサバイトに達するという。中間層が拡大する新興国ではPCは持たずにスマートフォンやタブレットのみを持つという人が増えており、モバイル通信量拡大の原動力となっている。そのモバイルインターネット市場を牽引するのも米国企業だ。スマートフォンのOS市場ではグーグルのAndroidとアップルのiOSが90%超のシェアを占める。

2013年にNYダウとS&P500指数は過去最高値を更新し、ナスダック総合指数は13年ぶりに4,000ポイントの大台を回復した。13年前といえば株式市場がインターネットバブルに沸いていた頃で、当時のナスダック総合指数の平均実績PERは170倍と非常に割高で、当時インターネットが可能にするであろう「夢」を買う相場だったといえる。

一方、足元のNASDAQの平均PERは実績ベースで31倍、今期予想ベースで21倍と妥当な水準になった。つまりこの13年間の間に、インターネット革命は現実となって収益化していると見ることもでき、13年前のITバブル相場が予見した未来自体は間違っていなかったということかもしれない。

資源開発というオールドエコノミーから、バイオやITなどの新分野にいたるまで、イノベーション(技術革新)を生み出し、現実のビジネスとして開花させるのが米国企業社会の強さであり、米国が世界中の投資家を今も魅了し続ける理由はここにあると言えるだろう。

図8:各インデックスの推移(ドルベース)
各インデックスの推移(ドルベース)

(出所)bloombergよりSBI証券作成。
(注)各指数の1980年1月末の数値を100として指数化。

注目のモバイルインターネット革命関連ファンドと米国株ファンド

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