先週の日経225先物は前週末比390円高の36,000円と続伸。
週前半は前週の大幅上昇による過熱感からやや利食い売り優勢の動きとなった。
ただ、想定内の一服という見方も多く、ボリンジャーバンド+2σ水準で底堅い動きを見せた。
1月17日は前日の米エヌビディア高値更新などを受け、半導体関連銘柄が強い動きとなり、日経平均は1月限日経225のSQ値(36,025.97円)を上回る36,239.22円まで上昇したことで投資家心理が強気に傾いたが、高値更新の達成感から利食い売りに押された。
日本株に連動する上場投資信託(ETF)「チャイナAMC野村日経225」に中国の投資家が殺到し、上海証券取引所で一時売買が停止されたと報道された影響もありそうだ。
18日に発表された台湾TSMC決算が市場予想を上回る内容となり、米国市場で半導体株中心にハイテク株が上昇したほか、円安進行も追い風となり、翌19日に日経225先物は再び36,000円台を回復した。
翌週に控える日本銀行の金融政策決定会合を前に持ち高調整の動きは見られたものの、36,000円台をキープして週末の取引を終えた。
1月12日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆2,687億円の買い越し(前週は1兆2,070億円の買い越し)と増加した。
一方、株数ベースでは、5億4,756万株の買い越しで、1月5日時点(5億2,023万株の買い越し)から増加している。
日経平均と裁定残(1月12日時点)
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比で1.73pt安の20.67と低下。
日経平均上昇の動きが一服し、過熱感がやわらいだことから日経VIは低下した。
2月限オプションの建玉状況
<プット>
36,000円:2,500枚
35,500円:1,600枚
35,000円:1,700枚
34,500円:4,800枚
34,000円:3,600枚
<コール>
37,000円で約6,000枚
36,500円で約4,100枚
36,000円で約6,300枚
35,500円で約3,200枚
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、半導体株や輸出関連株に物色向かう
NT倍率(先物)は上昇。前週末と比較して小幅に低下してスタートしたが、週初から引き続き時価総額の大きい銘柄が買われ日経平均は36000円台に乗せた。
週後半は、為替市場で円安ドル高傾向が続いたほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)やナスダックの上昇を受けて、半導体株や輸出関連銘柄が買われて、14.34倍まで上昇した。
総じて、NT倍率は週を通して上昇となった。
今週の日経225先物は強含みか。
1月22-23日に開催される日銀金融政策決定会合がまず注目されよう。
能登半島地震発生以来、日銀の金融政策正常化先送りとの見方が強まっており、今回の会合については無風通過となる公算が大きい。
ただ、会合終了後の植田日銀総裁の記者会見にてどのようなメッセージが発せられるかは注意が必要だろう。
足元では海外投資家を中心に日本株投資への積極姿勢がみられており、想定通り日銀会合を波乱なく通過すれば、底堅い動きが継続しそうだ。
東証が発表した投資主体別売買動向によると、日経平均が約2,200円上昇した1月第2週(1月9-12日)は、海外投資家が現先合計で約1.4兆円と大幅に買い越しており、この週の日経平均大幅上昇の立役者は海外投資家だったもよう。
現物では9,557億円の買い越しだったが、この中には中長期的視点の年金運用なども含まれているとみられているため、海外投資家の日本株先高観は根強いとみられる。
過熱感の台頭に警戒があるものの、中国の日本株連動ETFの活況ぶりとあわせれば、海外投資家の日本株投資継続への期待は高い。今週の225先物予想レンジは35,800−36,800円とする。