先週の日経225先物は前週末比170円高の33,060円で取引を終了。
12月19日のランチタイムに日本銀行の金融政策決定会合の結果が判明。
金融政策は現状維持であり、フォワードガイダンスの修正もなかったことから、マイナス金利解除を見込んだショートカバーの動きが強まり、日経225先物は急伸した。
翌20日も続伸したが、11月高値に近づくと達成感から利益確定売りも出てきたため上昇一服となった。
ただ、紅海周辺のフーシ派の動きで地政学リスクが意識され、この日の米国株式市場では主要株式指数が大幅下落。
米株安の流れを引き継ぎ、翌日は日経225先物も下落に転じた。
クリスマス休暇なども意識され、手仕舞い売りが出やすいタイミングだったこともあり、20日の上昇は消失した。
ただ、海外勢のフローも次第に減ってきているとみられるなか、33,000円処では底堅い動きが見られた。
12月15日時点の裁定残高は、ネットベースで7,320億円の買い越し(前週は7,119億円の買い越し)と増加した。
一方、株数ベースでは、2億7,586万株の買い越しで、12月8日時点(2億6,027万株の買い越し)から増加している。
日経平均と裁定残(12月15日時点)
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で0.53pt安の16.81と続落。
日銀会合が波乱なく通過したことから、日経VIは大幅に低下した。紅海周辺のフーシ派の動きが意識され上昇する場面もあったが、上昇幅は限定的だった。
1月限オプションの建玉状況
<プット>
32,500円:約3,200枚
32,000円:約4,000枚
31,000円:約5,900枚
30,000円:約4,700枚
<コール>
34,000円:約4,300枚
33,500円:約5,000枚
33,000円:約4,600枚
33,250円:約4,500枚
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、日銀会合結果受けてハイテク株高に
NT倍率(先物)は上昇。
19日に、日本銀行の金融政策決定会合の結果として「金融政策の現状維持」が伝わると為替市場では円安ドル高が進行、自動車関連株やハイテク株中心に大幅高となりNT倍率は14.32倍台まで上昇した。
週末にかけては、ハイテク株に利食い売りが広がったほか、銀行株などのバリュー株にも買い戻しの動きが見られ、14.20倍まで低下。
ただ、結果的にNT倍率は週間で上昇となった。
年内の日経225先物は、膠着感の強い展開か。
クリスマス休暇・年末年始の休暇に入っている機関投資家も多いため、前週に続き商いは膨らみにくいだろうが、前週末の下落基調においても33,000円の大台はキープしていたため、「掉尾の一振」への期待から意外高もありそうだ。
一方で、12月25日の植田日銀総裁講演や27日の日銀会合議事録公表の内容次第では為替市場が急激な変動を引き起こす可能性には注意したい。
年明けは神経質な展開か。
米ISM景況指数、米雇用統計など重要な経済指標が相次ぐほか、1月3日には12月開催分のFOMC議事録が公表予定で、相場を左右しそうだ。
米国では11月PCEコア価格指数が市場予想を下回る伸びを見せるなど利下げ観測を後押しするような経済指標発表が続いているが、市場が来年早々の利下げ開始を織り込んできている点をFRB要人らが警鐘を鳴らすような発言も出てきている。
市場の早期利下げ期待が後退した場合には一旦調整もありうる。
今来週の225先物予想レンジは33,000−33,900円とする。