先週の日経225先物は前週末比690円高の32,890円で取引を終了。
週初め12月11日は現物市場で12月SQ値(32,639.57円)を上回る32,665.09円で寄り付き、投資家心理が改善。
12日には大台33,000円を回復するが、目先達成感から利益確定の動きも目立った。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に大きくポジションを傾ける動きも控えられ、13日は上値を25日移動平均線に抑えられる形で膠着感の強い値動きとなった。
注目のFOMCでは、3会合連続の政策金利据え置きは市場予想通りであったが、会合終了後のパウエル議長の会見で利下げの言及があったことがハト派印象を与え、為替市場では円高が進行。
14日には1ドル=140円台まで円が急伸したのと連動するかのように日経225先物のショートが強まる場面も見られ、32,420円まで下落する場面もあった。
15日には円高進行も一服し、日経225先物も前日の下落を取り戻した。
12月8日時点の裁定残高は、ネットベースで7,119億円の買い越し(前週は1兆55億円の買い越し)と減少した。
一方、株数ベースでは、2億6,027万株の買い越しで、12月1日時点(3億7,164万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(12月8日時点)
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で2.38pt安の17.34と反落。
メジャーSQ絡みの売買も落ち着いたことから、日経VIは低下基調となったが、為替変動が急激になると日経VIが上昇する場面もみられた。
1月限オプションの建玉状況
<プット>
32,500円:約2,700枚
32,000円:約3,700枚
31,000円:約4,900枚
30,000円:約5,100枚
<コール>
34,000円:約4,100枚
33,500円:約4,400枚
33,000円:約4,800枚
32,500円:約2,800枚
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、重要イベント通過でハイテク株高に
NT倍率(先物)は上昇。
週前半は、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催前は様子見姿勢の強い地合いとなった。
ただ、週後半には米連邦準備制度理事会(FRB)が3会合連続での利上げ見送りと、2024年に3回程度の利下げ余地があることを発表、パウエルFRB議長の「ハト派」発言もありハイテク株中心に大幅高となりNT倍率は14.1倍台まで上昇。
また、円高傾向が続き輸出関連株中心に下げ幅を広げたほか、銀行株なども軟調に推移して、結果的にNT倍率は週間で上昇となった。
今週の日経225先物は神経質な展開か。
週前半は18-19日に開催の日銀金融政策決定会合の結果待ちで膠着ムードが強くなりそうだ。
金融政策の現状維持は市場のコンセンサスとなっているが、会合終了後に行われる植田日銀総裁の会見で、マイナス金利解除の時期など政策変更についての言及が注目となりそうだ。
これまでの日銀関係者の発言から政策変更は来年春闘後の4月会合とみる向きが多いなか、それより前で何かしらの動きが出てくるという見方もくすぶっている。
先週は為替変動に連れて、日経225先物でもショートを仕掛けてくる動きも見られていただけに、為替市場の動きには神経質な展開となりそうだ。
日銀会合を波乱なく通過すれば、ひとまず為替変動への警戒感は後退し、アク抜け感からまずは先週の心理的上値抵抗線となっている25日移動平均線を上抜ける動きが強まってくる公算が大きい。
今週の225先物予想レンジは32,500−33,500円とする。