先週の日経225先物は週間で250円安の32,020円と続落。前週末の日銀金融政策決定会合後の植田総裁会見から早期政策修正への懸念が後退し、週初めは反発スタートとなった。
しかし、米ミネアポリス連銀総裁によるタカ派発言などで米政策金利の高止まりは長期化するという見方が強まったほか、原油高、米政府機関閉鎖リスク上昇、全米自動車労組(UAW)ストライキ拡大見通しなどを要因に投資家心理は悪化。
米国株式市場の下落を背景に、日経先物もさえない展開となった。週後半は配当再投資による先物買いもみられたが、米国経済への懸念は強く、戻りは限定的だった。
9月22日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆4,501億円の買い越し(前週は1兆5,087億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、5億7,269万株の買い越しで、9月15日時点(5億8,005万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(9月22日時点)
海外勢の売り越し基調継続
日経225先物の売り方ではバークレイ、ソジェン、GS、BofA、モルガンSなど海外勢の売り越しが目立つ。前週に買い越しが目立ったSBIは一転して売り越し。
一方、買い方では先物主導で下落するなか、裁定売り(現物売り・先物買い)の動きが強まり、前週に続きAアムロCが大幅に買い越し。ほか、野村、大和ら国内勢が買い方上位に並んだ。
TOPIX先物の売り方ではバークレイ、モルガンSなどの海外勢が売り方上位へ。前週大きく買い越していたソジェンのほかBofAは売り越しに転じている。
一方、買い方では年金基金の配当再投資の動きを反映してか、みずほ、野村、SMBC日興、大和などの国内勢の買い越しが目立ったほか、AアムロCが買い方上位にランクインした。
28日はGSが買い方トップだった。
日経225先物手口(期近)週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
今週の日経225先物は需給イベント通過でのアク抜けに期待か。
今週は日米ともに重要経済イベントを控えている。国内では、10月2日に7-9月期日銀短観が発表される。中国経済減速や原材料高騰など不安材料もあるが、半導体の供給不足が緩和されてきており、自動車や機械の生産が持ち直していることから、景気見通しは小幅の改善が期待される。
内容が好感されれば、需給イベント通過後の日本株に対し海外投資家が再び目を向けるきっかけになろう。一方、6日には米9月雇用統計が発表される予定。
8月に比べ失業率は低下、非農業部門雇用者数は伸びが鈍化する予想となっているものの、引き続き堅調な労働市場を表す結果となりそうなため、年内の追加利上げへの警戒感がますます高まりそうだ。
米国経済への先行き懸念が重しとなりそうではあるが、先週末にはコール買いも目立っており、コール売り手によるデルタヘッジの動きが日経225先物の下支えとなる可能性もある。今週の225先物予想レンジは31,500−32,900円とする。