先週の225先物は週間で650円安(下落率2.32%)の27,350円と反落。
米長期金利の低下を受けた前の週末の米国株高を好感して週明けは上昇スタート。翌13日も、NY連銀が発表した8月の期待インフレ率が大幅低下したことが投資家心理を改善させ、しっかりの展開。しかし、14日は750円安と急反落となり、一気に28,000円割れ。予想比での下振れが期待された米8月消費者物価指数(CPI)が想定外に予想を上回り、さらに米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視するコア指数が大幅に上振れたことでインフレ懸念が再燃。6月のCPIショックの再来となり、前の日の米株式市場ではダウ平均が1,200ドル超下落、ナスダック総合指数は5%超も下落した。
東京市場でもリスク回避の動きが広がった。日銀がレートチェックを行い、為替介入が示唆されたことで為替が円高・ドル安に振れたことも重石になった。15日は反発力乏しく30円高。米8月卸売物価指数(PPI)に若干の改善が見られたものの、コア指数は予想を上回りインフレ懸念がくすぶった。週末16日は一段安で27,500円割れ。米10年債利回りが6月来の高水準まで上昇するなか売りが先行。時間外取引の米株価指数先物が下落していたことなども投資家心理を悪化させた。
9月9日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆2,163億円の買い越し(前週は9,691億円の買い越し)と増加した。株数ベースでは、4億4,423万株の買い越しで、9月2日時点(3億5,434万株の買い越し)から増加している。
日経平均と裁定残(9月9日時点)
海外・国内勢とも売り膨らむなか裁定売りも広がる
両先物ともに売り方ではドイツ証券が累計トップとなった。また、先物主導で下落するなか、裁定売り(現物売り・先物買い)が広がり、両先物ともに買い方上位にはソジェンやAアムロCが並んだ。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で1.53pt高(上昇率7.85%)の21.02と上昇。米8月CPIの上振れでインフレ懸念が再燃し、株式市場でリスク回避の売りが膨らむなか、オプション市場ではプット(売る権利)が積極的に買われ、日経VIの上昇に繋がった。
プットの価格が大幅に上昇した一方、コール(買う権利)は売られ、価格は大きく下落した。プットは全面的に買われたが、特に権利行使価格26,000円のプットの売買が活発で、建玉は週間で6,400枚から12,200枚まで急増した。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は大幅低下、6月来CPIショックでリスク回避の売り膨らむ
NT倍率(先物)は大幅低下。週前半は米長期金利の上昇一服感や、ニューヨーク連銀が公表した8月期待インフレ率の大幅低下を受けてグロース株買いが優勢。インフレ減速期待を背景に225先物優位の展開となった。
しかし、米8月消費者物価指数(CPI)が想定外に予想を上回ると、6月来のCPIショック再来となり一転してリスク回避の動きが先行。ハイテク・グロース株が急落し、先物市場でも短期筋の225先物売りが膨らみ、NT倍率は急低下。週末までこうした値がさ株劣勢の傾向が続き、NT倍率は週間で大幅低下となった。
今週の225先物は神経質な展開か。
国内は週初と週末の祝日に挟まれ取引は3営業日に限られる。最大の注目である米連邦公開市場委員会(FOMC)の公表結果を反映するのは22日と連休前の最終日となるため、様子見ムードの後の波乱の展開も想定される。米8月CPIがもたらしたショックにより、9月FOMCでの利上げ幅としては1.00ptまでを一部織り込む極端な動きとなっており、今会合でのネガティブサプライズの可能性は低くなった。
しかし、今会合では政策金利や経済成長率の見通しも公表される。市場ではいまだに来年半ばから後半にかけての利下げを予想する向きが多く、2023年の政策金利水準の推移を巡っては高金利の維持を主張するFRBとの間に乖離がまだ存在する。このため、サプライズ無しと決め打ちはできない。CSと並んで商品投資顧問(CTA)などの動向を表しやすいドイツ証券が先週、225先物とTOPIX先物の両方で売り方の累計トップに躍り出るなどトレンドフォロー型ファンドの売り転換が示唆されていることも気掛かりだ。
金融引き締め懸念と同時に景気後退懸念も強まっており、経済成長率見通しの引き下げ幅が動揺をもたらす可能性もある。日銀の金融政策決定会合なども予定されているが、こちらは現状維持で影響は限られるだろう。
今週の225先物予想レンジは26,700-27,900円とする。
経済スケジュール(9月19日〜9月25日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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9月19日 | 月 | 国内 | 株式市場は祝日のため休場(敬老の日) | |
岸田首相が国連総会出席のため訪米 | ||||
海外 | 17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(先週) | ||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
23:00 | 米・NAHB住宅市場指数(9月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(先週) | |||
英・エリザベス女王国葬(ロンドン・ウェストミンスター寺院)、株式市場は休場 | ||||
米・クライメート・ウィーク(気候週間)NYC(25日まで) | ||||
9月20日 | 火 | 国内 | 08:30 | 消費者物価コア指数(8月) |
08:50 | 資金循環統計速報(4-6月、日本銀行) | |||
14:00 | 首都圏新築分譲マンション(8月) | |||
海外 | 10:15 | 中・1年物ローンプライムレート(LPR) | ||
10:15 | 中・5年物ローンプライムレート(LPR) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏経常収支(7月) | |||
21:30 | 加・消費者物価指数(8月) | |||
21:30 | 米・住宅着工件数(8月) | |||
21:30 | 米・住宅建設許可件数(8月) | |||
米・連邦公開市場委員会(FOMC)(21日まで) | ||||
米・20年債入札 | ||||
米・第77回国連総会一般討論(26日まで) | ||||
9月21日 | 水 | 国内 | 14:30 | 日本証券業協会の森田会長が会見 |
日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日目) | ||||
決算発表 日本オラクル | ||||
海外 | 17:00 | 南ア・消費者物価指数(8月) | ||
23:00 | 米・中古住宅販売件数(8月) | |||
27:00 | 米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表 | |||
30:30 | ブ・ブラジル中央銀行が政策金利(セリック金利)発表 | |||
米・FOMC終了後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見 | ||||
米・銀行CEOが下院金融委員会の公聴会で証言 | ||||
米・アトランティックフェスティバル(23日まで)、イエレン財務長官が期間中に講演 | ||||
独・10年債入札 | ||||
インドネシア・G20貿易・投資・産業担当相会合(23日まで) | ||||
9月22日 | 木 | 国内 | 10:00 | 営業毎旬報告(9月20日現在、日本銀行) |
14:00 | 基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日本銀行) | |||
14:30 | 全国百貨店売上高(8月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(8月) | |||
日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目)、終了後決定内容発表 | ||||
黒田日銀総裁が会見 | ||||
FPパートナーが東証グロースに新規上場(公開価格:2600円) | ||||
海外 | 07:45 | NZ・貿易収支(8月) | ||
16:30 | スイス・中央銀行が政策金利発表 | |||
20:00 | 英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表 | |||
20:00 | トルコ・中央銀行が政策金利発表 | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・経常収支(4-6月) | |||
23:00 | 米・景気先行指数(8月) | |||
23:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(9月) | |||
南ア・南アフリカ準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | ||||
台湾・中央銀行が政策金利発表 | ||||
国連安全保障理事会(安保理)ウクライナ巡る閣僚級会合 | ||||
米・銀行CEOが上院銀行委員会の公聴会で証言 | ||||
欧・欧州中央銀行(ECB)経済報告 | ||||
決算発表 コストコ、フェデックス | ||||
9月23日 | 金 | 国内 | 指数先物、指数オプション、商品先物、商品先物オプションの祝日取引が開始 | |
株式市場は祝日のため休場(秋分の日) | ||||
海外 | 16:30 | 独・製造業PMI(9月) | ||
16:30 | 独・サービス業PMI(9月) | |||
16:30 | 独・総合PMI(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(9月) | |||
17:30 | 英・製造業PMI(9月) | |||
17:30 | 英・サービス業PMI(9月) | |||
17:30 | 英・総合PMI(9月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(先週) | |||
21:30 | 加・小売売上高(7月) | |||
22:45 | 米・製造業PMI(9月) | |||
22:45 | 米・サービス業PMI(9月) | |||
22:45 | 米・総合PMI(9月) | |||
米・パウエルFRB議長がFRBイベントで冒頭挨拶(ブレイナード副議長とボウマン理事が司会) | ||||
9月24日 | 土 | 海外 | 英・労働党大会(28日まで) | |
9月25日 | 日 | 海外 | 米・ハリス副大統領が日本と韓国訪問(29日まで) | |
伊・総選挙 |
- 提供:フィスコ社