先週の225先物は前週末比940円高(上昇率4.20%)の23,280円と2週連続して上昇し、2月下旬以来約半年ぶりに23,000円台を回復して終了した。三連休明け11日の東京市場は、連休中の米国株が堅調に推移していたことから、買いが先行して始まり、前日比380円高の22,720円と急反発して始まった。その後も為替市場で円安・ドル高が進んだことも追い風となり、13日には23,000円台を突破した。
週前半は、これまで売られていた景気敏感系のバリュー株が見直されたほか、週後半にかけては、米ハイテク関連株の上昇などを受けて、グロース株にも改めて買いが波及した。また、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展に対する期待感も相場を支援する材料になり、6月に記録したコロナ暴落後の戻り高値を上回った。
8月7日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆4,021億円の売り越し(前週は1兆2,788億円の売り越し)と増加した。株数ベースでは、5億3,308万株の売り越しで、7月31日時点(5億931万株の売り越し)から増加している。
日経平均と裁定残(8月7日時点)
225先物、TOPIX先物揃ってCSの買いが目立つ
225先物手口では、11日と13日に3,000枚超売り越したAアムロCが売り方トップに躍り出たほか、UBS、モルガンSの海外勢も週を通じてコンスタントに売りをこなし上位に名を連ねた。一方、買い手口では、11日、13日に2,000枚超買い越したCSが買い方筆頭になったほか、JPモルガン、メリル、ドイツの海外勢がこれに続いた。
TOPIX先物手口では、週を通じて大きく売り越したソジェンが売り方トップになったほか、AアムロC、BNPパリバの欧州勢がこれに続いた。また、野村、三菱UFJの国内大手も上位に名を連ねた。一方、買い手口では、11日、12日に2,000枚超買い越したCSが買い方筆頭になったほか、バークレイ、メリル、GS、JPモルガンなどの海外勢が上位を占めた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比0.40pt安(下落率1.86%)の21.10ptと2週連続で低下した。三連休明けの11日は、トランプ米大統領が追加的な財政措置の大統領令に署名したことで景気の先行き後退懸念が和らぎ、米国株が上昇。この流れを受けて日経平均も上昇して始まったことから、VIは低下して始まった。その後も為替市場の円安・ドル高の進行、新型コロナウイルスワクチンの開発進展期待などからリスク選好ムードが続いた。週末にかけて、VIは低下基調をたどり、14日には20.46ptまで水準を切り下げた。ただ、米中対立の先鋭化に対する警戒感や主要企業の20年4-6月期決算発表が一巡したことに伴う手掛かり材料難もあって、次第に模様眺め気分が強まった。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は低下、日経平均は約2カ月ぶり23,000円台回復
NT倍率(先物)は低下。今週の日経平均は、およそ2カ月ぶりに23,000円台を回復した。3連休明け11日のNT倍率は前週末比低下してスタートすると翌12日のNT倍率も大きく低下した。13日のNT倍率は7営業日ぶりに上昇し、その後はやや日経225が優位の展開となりNT倍率は上昇、週末14日NT倍率は14.32倍となった。
今週の225先物はリスクオンムードが続くのか注目される。225先物は先週、心理的な節目である23,000円台を突破したほか、6月のコロナ暴落後の高値を上回ったことで、センチメントが好転している。コロナショックにより225先物は3月中旬にかけて急激に下落し、これに伴う信用取引の売り方の返済期日が9月中旬にかけて到来するだけに、今後ヘッジファンドなどの買い戻しの動きが強まりそうだ。
また、3月までの株価暴落の際、景気敏感株などが売られてきただけに、これらの銘柄が目先の相場の柱になりそうで、上値を試す展開も考えられる。また、国内では、17日に20年4-6月期の国内総生産(GDP)速報値が発表され、戦後最悪の▲27.8%となったが、今の地合いでは追加的な経済対策への期待感が高まる可能性もあり、相場にはポジティブに受け止められることも考えられ、市場心理が悪化することはなさそうだ。週間予想レンジは22,900-23,500円とする。
経済スケジュール(8月17日〜8月21日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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8月17日 | 月 | 国内 | 08:50 | GDP速報値(4-6月) |
08:50 | GDPデフレーター(4-6月) | |||
08:50 | GDP民間企業設備(4-6月) | |||
08:50 | GDP民間消費支出(4-6月) | |||
13:30 | 鉱工業生産(6月) | |||
13:30 | 設備稼働率(6月) | |||
海外 | 11:30 | タイ・GDP(4-6月) | ||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(8月15日まで1カ月間) | |||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
21:30 | 米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(8月) | |||
23:00 | 米・NAHB住宅市場指数(8月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(週次)(8月16日まで1カ月間) | |||
29:00 | 米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(6月) | |||
米・民主党全国大会(20日まで) | ||||
決算発表 JDドットコム | ||||
8月18日 | 火 | 国内 | CP買い入れオペ(日本銀行) | |
海外 | 17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(8月15日まで1カ月間) | ||
20:00 | ブ・FGVインフレ率(IGP-M、2次プレビュー)(8月) | |||
21:30 | 米・住宅着工件数(7月) | |||
21:30 | 米・住宅建設許可件数(7月) | |||
OPECプラス、主要閣僚がオンライン会合 | ||||
決算発表 BHPグループ、ウォルマート | ||||
8月19日 | 水 | 国内 | 08:50 | 輸出(7月) |
08:50 | 輸入(7月) | |||
08:50 | 貿易収支(7月) | |||
08:50 | コア機械受注(6月) | |||
国債買い入れオペ(残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) | ||||
海外 | 15:00 | 英・消費者物価コア指数(7月) | ||
15:00 | 英・生産者物価産出コア指数(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏経常収支(6月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏CPI(7月) | |||
21:30 | 加・消費者物価指数(7月) | |||
米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月28-29日分) | ||||
インドネシア・中央銀行が政策金利発表 | ||||
決算発表 エヌビディア、アナログ・デバイセズ | ||||
8月20日 | 木 | 国内 | 08:50 | 対外・対内証券投資(先週) |
14:00 | コンビニエンスストア売上高(7月) | |||
ニューラルポケットが東証マザーズに新規上場(公開価格:900円) | ||||
海外 | 10:30 | 中・貸出基準金利1年物 | ||
10:30 | 中・貸出基準金利5年物 | |||
20:00 | トルコ・中央銀行が政策金利発表 | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(8月) | |||
23:00 | 米・景気先行指数(7月) | |||
ブ・CNI産業信頼感(8月、21日までに) | ||||
フィリピン・中央銀行が政策金利発表 | ||||
米・サンフランシスコ連銀総裁が講演 | ||||
決算発表 アリババ | ||||
8月21日 | 金 | 国内 | 08:30 | 消費者物価コア指数(7月) |
09:30 | 製造業PMI(8月) | |||
09:30 | サービス業PMI(8月) | |||
09:30 | 総合PMI(8月) | |||
13:00 | スーパーマーケット売上高(7月) | |||
14:30 | 全国百貨店売上高(7月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(7月) | |||
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存5-10年、残存25年超)(日本銀行) | ||||
海外 | 15:00 | 英・小売売上高指数(7月) | ||
16:30 | 独・製造業PMI(8月) | |||
16:30 | 独・サービス業PMI(8月) | |||
16:30 | 独・総合PMI(8月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(8月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(8月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(8月) | |||
17:30 | 英・製造業PMI(8月) | |||
17:30 | 英・サービス業PMI(8月) | |||
17:30 | 英・総合PMI(8月) | |||
22:45 | 米・製造業PMI(8月) | |||
22:45 | 米・サービス業PMI(8月) | |||
22:45 | 米・総合PMI(8月) | |||
23:00 | 米・中古住宅販売件数(7月) | |||
23:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(8月) |
- 提供:フィスコ社