先週の225先物は前週末比230円高(上昇率0.96%)の24,030円と上昇。米国政府が中国の「為替操作国」指定を解除すると表明したことなどを受けて、225先物は週初から買いが優勢となり、24,000円台を回復した。その後は、15日に行われる米国と中国の通商協議「第1段階」合意の署名式を前に利益確定売りに値を下げる場面もあった。
しかし、良好な企業業績や経済指標を手掛かりに米国株が最高値を更新したほか、為替相場も1ドル=110円台前半へと円安が進行したことから、次第に楽観的なムードが広がった。週末17日は米国株の強い上昇を背景に225先物は取引時間中の昨年来高値を更新した。
1月10日時点の裁定残高は、ネットベースで2,276億円の売り越し(前週は1,431億円の買い越し)に転じた。株数ベースでは、7,221万株の売り越しで、12月30日時点(7,305万株の買い越し)から売り越しに転じている。
日経平均と裁定残(1月10日時点)
GSによるTOPIX先物への大口売りが目立つ
225先物の手口では、週を通じてコンスタントに売りをこなしたメリルのほか、SBI、三菱UFJの国内系もこれに続いた。また、ソジェン、UBS、ドイツなど欧州勢の売りも目立った。一方、買い手口では、週を通じてコンスタントに買ったCSやGSが買い方上位に名を連ねた。また、TOPIX先物の手口では週を通じて差し引きで5,000-6,000枚レベルの大幅売り越しを続けたGSが売り方トップになったほか、ドイツやCSなど欧州勢がこれに続いた。国内勢では、週を通じてコンスタントに売りを出した三菱UFJが売り方2位に躍り出た。
一方、買い手口では、週半ばから週末にかけて2,000枚以上買ったソジェンが買い方トップになった。GSの大口売りについて、市場では「何かを仕掛けているのは確かだが、過去にもGSが大きく傾ける際は続く傾向があった」との声も聞かれた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比1.12pt安(下落率は7.82%)の13.20ptと低下した。米中関係の改善期待から、為替が円安方向に動いたために日経平均は週初から24,000円台を回復。こうした流れからVIは低下して始まった。その後は、米中通商合意の署名式を前に、VIは上昇する場面があったものの、良好な米国経済指標を背景に米主要株価指数が史上最高値を更新するなど上昇基調をたどった。こうした流れから日経平均も24,000円台で堅調に推移したことから、VIは週末にかけて、じりじりと低下した。なお、VIは昨年12月19日(終値13.22pt)以来約1カ月ぶりの低水準となった。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は拡大、TOPIX先物への大口売りも
NT倍率(先物)は拡大。前週の日経平均は上昇し24,000円台を回復する展開となり、日中のベースでは昨年来高値を更新した。NT倍率は週末にかけて上げ幅を広げ、週末17日のNT倍率は18.84倍に上昇した。機関投資家によるTOPIX先物への大口売りの動きがみられたこともNT倍率の上昇につながっている。
今週の225先物は、米国株の堅調推移や為替の円安基調などを背景にした底堅い推移が想定される。週末17日の米国市場は、米中両国の経済指標を好感した買いで主要株価指数は最高値を更新。週初の20日がキング牧師生誕の日で休場となるだけに、海外勢によるフローの減少に伴いこう着相場になる可能性はあるが、米中摩擦への警戒感が後退しているだけに東京市場は底堅く推移しよう。
一方で、1月最終週から本格化する国内主要企業の決算内容を確認したいとする向きは多いほか、引き続きGSによるTOPIX先物売り手口の継続に対しても警戒がなされるなか、過度な上値追いシナリオは期待しにくくなるだろう。これらを受け、週を通じて24,000円台を挟んだ狭いレンジ内での動きに留まりそうだ。今週の予想レンジは、23,750-24,250円とする。
経済スケジュール(1月20日〜1月24日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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1月20日 | 月 | 国内 | 10:10 | 国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年)(日本銀行) |
13:30 | 鉱工業生産(11月) | |||
13:30 | 設備稼働率(11月) | |||
14:00 | 衆院本会議で安倍首相の施政方針演説など政府4演説 | |||
16:00 | コンビニエンスストア売上高(12月) | |||
通常国会召集 | ||||
日銀政策委員会・金融政策決定会合(21日まで) | ||||
海外 | 10:30 | 中・5年物貸出金利(1月) | ||
10:30 | 中・1年物貸出金利(1月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(週次)(1月19日まで1カ月間) | |||
米・トランプ大統領就任から3年 | ||||
米・株式市場は祝日のため休場(キング牧師生誕記念日) | ||||
加・華為技術(ファーウェイ)CFOの米への身柄引き渡しに関する審理開始 | ||||
国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)発表 | ||||
1月21日 | 火 | 国内 | 15:30 | 黒田日銀総裁が会見 |
日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目、終了後直ちに結果発表) | ||||
海外 | 18:30 | 英・失業率(12月) | ||
18:30 | 英・ILO失業率(3カ月)(11月) | |||
19:00 | 独・ZEW期待指数(1月) | |||
20:00 | ブ・FGVインフレ率(IGP-M、2次プレビュー)(1月) | |||
スイス・世界経済フォーラム・ダボス会議(24日まで) | ||||
決算発表 IBM、UBSグループ、ネットフリックス | ||||
1月22日 | 水 | 国内 | 10:00 | 営業毎旬報告(1月20日現在、日本銀行) |
13:00 | 東京販売用マンション(12月) | |||
14:30 | 全国百貨店売上高(12月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(12月) | |||
月例経済報告(1月) | ||||
海外 | 16:00 | マレーシア・中央銀行が政策金利発表 | ||
17:00 | 南ア・消費者物価指数(12月) | |||
21:00 | 米・MBA住宅ローン申請指数(先週) | |||
22:30 | 米・シカゴ連銀全米活動指数(12月) | |||
22:30 | 加・消費者物価指数(12月) | |||
23:00 | 米・FHFA住宅価格指数(11月) | |||
24:00 | 米・中古住宅販売件数(12月) | |||
24:00 | 加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
韓・GDP(10-12月) | ||||
決算発表 ASMLホールディング、J&J、TI | ||||
1月23日 | 木 | 国内 | 08:50 | 対外・対内証券投資(先週) |
08:50 | 貿易収支(12月) | |||
08:50 | 輸出(12月) | |||
08:50 | 輸入(12月) | |||
10:10 | 国債買い入れオペ(残存10年超25年以下、残存25年超、残存5-10年)(日本銀行) | |||
13:30 | 全産業活動指数(11月) | |||
14:00 | 景気先行CI指数(11月) | |||
14:00 | 景気一致指数(11月) | |||
15:00 | 工作機械受注(12月) | |||
海外 | 09:30 | 豪・失業率(12月) | ||
16:20 | インドネシア・中央銀行が政策金利発表 | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(1月22日まで1カ月間) | |||
21:00 | ブ・拡大消費者物価指数(IPCA-15)(1月) | |||
21:45 | 欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ラガルド総裁が記者会見 | |||
22:00 | ブ・CNI産業信頼感(1月) | |||
22:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
24:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(1月) | |||
24:00 | 米・景気先行指数(12月) | |||
フィリピン・GDP(10-12月) | ||||
決算発表 インテル、コムキャスト、P&G | ||||
1月24日 | 金 | 国内 | 08:30 | 消費者物価コア指数(12月) |
08:50 | 日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(12月18・19日分) | |||
09:30 | 製造業PMI(1月) | |||
09:30 | サービス業PMI(1月) | |||
09:30 | 総合PMI(1月) | |||
海外 | 06:45 | NZ・消費者物価指数(10-12月) | ||
17:30 | 独・製造業PMI(1月) | |||
17:30 | 独・サービス業PMI(1月) | |||
17:30 | 独・総合PMI(1月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(1月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(1月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(1月) | |||
18:30 | 英・製造業PMI(1月) | |||
18:30 | 英・サービス業PMI(1月) | |||
18:30 | 英・総合PMI(1月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者信頼感(1月) | |||
22:30 | 加・小売売上高(11月) | |||
23:45 | 米・製造業PMI(1月) | |||
23:45 | 米・サービス業PMI(1月) | |||
23:45 | 米・総合PMI(1月) | |||
中・株式市場は祝日のため休場(春節、30日まで) | ||||
欧・欧州中央銀行(ECB)景気予測専門家調査 | ||||
決算発表 アメックス、AMD |