大型連休前(4月22日-26日)の225先物は、19日比50円高(上昇率0.23%)の22,250円と4週連続して上昇した。ゴールデンウィーク(GW)を控えて様子見姿勢が強まる場面もあったものの、本格化している国内企業の決算発表などを背景に個別物色が活発となった。また、米国株も最高値圏で推移するなか、堅調展開を辿った。日銀の金融政策決定会合では、フォワードガイダンスの微修正が行われたことなどが好感された。
一方で、日米ともに決算発表が始まり、業績見通しの振るわない銘柄などを中心に大きく下落するものも見受けられたほか、大型連休を意識したポジション調整の動きも散見され、小幅な上昇に留まった。
4月19日時点の裁定残高は、ネットベースで4,278億円の買い越し(前週は4,258億円の買い越し)と増加した。一方、株数ベースでは、2億540万株の買い越しと4月12日時点(2億463万株の買い越し)比で増加している。
日経225と裁定残(4月19日時点)
海外勢の売り買い交錯か
225先物の手口では、週末にかけて売ったシティGが売り方筆頭になったほか、海外ファンドの注文とみられるCS、JPモルガンがこれに続き、裁定取引業者のAアムロCも週を通じてコンスタントに売りをこなした。一方、買い手口では、裁定取引業者のソジェンが買い方トップになったほか、週末に大きく買ったメリルがこれに続いた。また、個人の注文と観測されたSBIも25日に大きく買い越し、買い方上位に名を連ねた。また、TOPIX先物の手口では、週を通じてコンスタントに売りをこなした野村が売り方筆頭になったほか、JPモルガン、モルガンS、バークレイなどの海外勢もこれに続いた。一方、海外ヘッジファンドの注文を執行したとみられるCSがコンスタントに買いを入れ、買い方筆頭になったほか、日銀のETF買いの注文を執行したと観測される大和もこれに続いた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は19日比1.55pt高(上昇率10.2%)の16.76ptと4週間ぶりに上昇に転じた。大型連休を前に全般は様子見ムードが強まるなか、日経平均が年初来高値を更新しており、相場の過熱感を警戒する向きの増加が意識された。連休を控えた持ち高調整の買い戻しが主体であり、海外勢を中心に買い戻しの動きが広がったことから、VIは週末にかけて一時16.99ptまで上昇する場面もあった。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は小幅続伸、13.8倍まで上昇も
NT倍率(先物)は上昇。大型連休を前に日経平均・TOPIXともにこう着感の強い展開が続き、NT倍率も13.7倍台での推移が続いた。週末にかけて、TOPIXが相対的に弱含んだことで、NT倍率は一時13.8倍をつける場面もみられたが、この水準を大きく上抜けることはなく、週を通じては小幅な上昇に留まった。
今週の225先物は、買い戻し圧力が強まるのか注目されよう。国内GW連休期間中に発表された4月の米雇用統計は、市場予想を上回る良好な結果となり、ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。
週明け6日の米国市場では、トランプ大統領が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税引き上げを10日から実施すると表明したことから下げ幅を470ドル超まで広げる場面もみられたものの、中国側が貿易協議を継続する姿勢を示したことで値を戻している。7日の225先物も、これをネガティブ視する動きから売りが先行した。ただ、単なる交渉術に過ぎないとの見方も強く、米中主要株価指数が売り一巡後に値を戻していることもあり、節目の22,000円を大きく割り込む流れにはつながらないとみられる。
なお、国内では、主要企業の2019年3月期決算発表が本格化している。日経平均採用銘柄の19年3月期の予想EPS(1株当たり利益)は3月末の1,721円から4月24日には1,777円に切り上がる場面もあった。20年3月期は世界経済の減速懸念から減益予想に転じるリスクがあるとはいえ、足元の日経平均のレベルから見たEPS(1777円)に見合う適正水準(PER13倍)は23,100円付近と想定されることからも、日本株の割安感に着目した海外勢による水準訂正狙いの買い戻しの動きも意識されよう。一方、今週の予想レンジは21,900-22,500とする。
経済スケジュール(5月6日〜5月10日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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5月6日 |
月 |
国内 |
株式市場は振替休日のため休場 |
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海外 |
10:45 |
中・財新総合PMI(4月) |
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10:45 |
中・財新サービス業PMI(4月) |
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14:00 |
印・サービス業PMI(4月) |
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14:00 |
印・総合PMI(4月) |
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18:00 |
欧・小売売上高(3月) |
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20:25 |
ブ・週次景気動向調査 |
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22:00 |
ブ・サービス業PMI(4月) |
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22:00 |
ブ・総合PMI(4月) |
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ブ・貿易収支(週次)(5月5日まで1カ月間、7日までに) |
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5月7日 |
火 |
国内 |
14:00 |
自動車販売台数(4月) |
海外 |
10:30 |
豪・貿易収支(3月) |
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10:30 |
豪・小売売上高(3月) |
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13:30 |
豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 |
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23:00 |
米・JOLT求人件数(3月) |
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中・外貨準備高(4月) |
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5月8日 |
水 |
国内 |
08:50 |
日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(3月14・15日分) |
08:50 |
マネタリーベース(4月、日本銀行) |
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20:00 |
ブ・FGVインフレ率(IGP-DI)(4月) |
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20:00 |
ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(5月7日まで1カ月間) |
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20:00 |
米・MBA住宅ローン申請指数(先週) |
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ブ・ブラジル中央銀行が政策金利(SELICレート)発表(9日までに) |
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中・貿易収支(4月) |
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5月9日 |
木 |
国内 |
14:00 |
消費者態度指数(4月) |
海外 |
10:30 |
中・消費者物価指数(4月) |
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10:30 |
中・生産者物価指数(4月) |
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21:00 |
ブ・ IBGEサービス部門売上高(3月) |
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21:30 |
加・貿易収支(3月) |
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21:30 |
米・生産者物価コア指数(4月) |
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21:30 |
米・貿易収支(3月) |
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21:30 |
米・新規失業保険申請件数(先週) |
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5月10日 |
金 |
国内 |
08:30 |
全世帯家計調査・消費支出(3月) |
08:30 |
毎月勤労統計調査-現金給与総額(3月) |
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08:50 |
対外・対内証券売買契約(先週) |
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08:50 |
日銀金融政策決定会合における主な意見(4月24・25日分) |
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海外 |
17:00 |
ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(5月7日まで1カ月間) |
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20:00 |
ブ・FGVインフレ率(IGP-M、1次プレビュー)(5月) |
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21:00 |
印・鉱工業生産(3月) |
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21:00 |
ブ・拡大消費者物価指数(IPCA)(4月) |
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21:30 |
加・失業率(4月) |
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21:30 |
米・消費者物価コア指数(4月) |
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中・経常収支速報(1-3月) |
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中・資金調達総額(4月、15日までに) |
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中・マネーサプライ(4月、15日までに) |
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中・元建新規貸出(4月、15日までに) |
- 提供:フィスコ社