日経平均は24,000円に向け上昇開始か
先週の225先物は前週末比750円高の22,970円と週間ベースでは上昇に転じた。米政府が中国に貿易問題を巡る閣僚協議の再開を提案したと報じられたことで、貿易摩擦への過度な警戒感が後退したほか、トルコの大幅利上げによる新興国経済の先行き不透明感の後退、為替相場の円安・ドル高進行など投資環境の好転を背景に買い戻しの動きが強まった。日経平均は5月21日以来約4ヵ月ぶりに終値ベースで23,000円台を回復したが、225先物は23,000円台の大台を回復するまでには至らなかった。
9月7日時点の裁定残高は、ネットベースで7,949億円の買い越し(前週は8,881億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、5億792万株の買い越しと8月31日時点(5億4,454万株の買い越し)比で減少している。
日経225と裁定残(9月7日時点)
限月交代に伴うロールオーバーが中心
225先物の手口では、14日の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を前にした限月交代に伴うロールオーバーが中心のなか、週を通じてコンスタントに売りをこなしたBNPパリバ、GS、AアムロC、ソジェン、メリルなどの海外勢が売り方上位になった。一方、週初に大きく買い越した野村やみずほ証券の国内勢が買い方上位に名を連ねたほか、UBSやHSBCなども買い方上位になった。また、TOPIX先物の手口では、週初に大きく売り越したモルガンSが売り方筆頭になったほか、バークレイ、ソジェン、CS、JPモルガンなどの海外勢がコンスタントに売りをこなした。一方、週を通じてコンスタントに買いをこなした野村、みずほ証券、SMBC日興、大和などの国内勢が買い方上位に並んだ。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は、前週末比-0.79pt(下落率4.60%)の16.38ptと3週ぶりに下落した。先週は、米中の貿易摩擦の激化に対する過度な警戒感が和らいだほか、新興国通貨に対する懸念も後退したことから、日経VIは低下した。今週は20日の自民党総裁選で安倍晋三首相が再選されるとの見方が有力だ。市場の一部からは、昨年秋の衆院選で与党が大勝したことを受けてGSが買い出動した経緯があるだけに、安倍再選を受けてして再びGSが買い出動してくるのか注目されよう。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、一時13.4倍まで上昇
NT倍率(先物)は上昇、切り上がる5日線に沿った推移が続いた。10日には一時13.2倍まで調整する場面もみられた。ただ、14日にSQ算出を控え、ファーストリテイリング<9983>やソフトバンクG<9984>など指数寄与度の高い値がさ株に思惑的な買いが向かい日経平均が大きく値を上げると、NT倍率も拡大し一時13.4倍まで上昇した。
今週の225先物は底堅い展開になると見込まれる。
今週は月曜日が祝日で4日立ち合いのため、週明け18日は米国市場の2日間の値動きを織り込む動きとなろう。新興国通貨安懸念が後退し、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁会見を受けたユーロ圏経済不安も和らいだ。
17日にトランプ大統領が対中制裁関税第3弾の発動を表明。朝方はさえない動きとなっていたが、切り替えして後場に入ると一段高になっている。米中貿易摩擦は一旦材料折込と考えてよいだろう。
また、週後半に実施される自民党総裁選の結果を通じて、海外勢が買い越しに転じてくるのかもポイントとなろう。報道では安倍総理再選後、大型補正予算による財政拡大の噂も出ており、足元では気の早い買い手も参加している可能性がある。
そのほか、月末に発生する年金積立金管理運用独立法人(GPIF)などTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする機関投資家の大口資金の配当の再投資を期待した先回り買いが出てくることも想定されるほか、上期末の配当権利取りの動きも相場にプラスに働くことが期待され、需給関係に好影響を与えよう。
上記の材料が重なるなか、株高となっているが、上昇を演出しているのは今年に入り日本株を大幅に売りこしてきた主体の買戻しによるものとの見方が根強い。特に海外投資家は2018年初から8月末までに4兆円弱売り越しており、ブラックマンデー(87年に7兆1,928億円を記録)に次ぐ水準にになっている。売買代金の状況から現物株を積極的に買う状況になっていないことが見て取れるが、先物やオプションを利用しての売買が始まっていることが想定される。
上昇局面入りした可能が高いが、今後もこうした買いが続くのか確認しながら、慎重に売買をしていきたい。今週の予想レンジは22,500-23,500円とする。
経済スケジュール(9月17日〜9月21日)
日付 | 曜日 | 国内 海外 | 時間 | 内容 |
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9月17日 | 月 | 国内 | 株式市場は祝日のため休場(敬老の日) | |
海外 | 16:00 | トルコ・失業率(6月) | ||
18:00 | 欧・ユーロ圏CPI(8月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(9月15日まで1カ月間) | |||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
20:30 | ブ・経済活動(7月) | |||
21:30 | 米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(9月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(週次)(9月16日まで1カ月間) | |||
決算発表 フェデックス、オラクル | ||||
9月18日 | 火 | 国内 | 国債買い入れオペ(残存10-25年、残存25年超、残存5-10年)(日本銀行) | |
決算発表 ツルハHD | ||||
日銀政策委員会・金融政策決定会合(19日まで) | ||||
海外 | 17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(9月15日まで1カ月間) | ||
20:00 | ブ・FGVインフレ率(IGP-M、2次プレビュー)(9月) | |||
23:00 | 米・NAHB住宅市場指数(9月) | |||
29:00 | 米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(7月) | |||
米・第73回国連総会開会 | ||||
北朝鮮・韓国大統領が訪問、平壌で南北首脳会談(20日まで) | ||||
中・夏季ダボス会議(20日まで) | ||||
9月19日 | 水 | 国内 | 08:50 | 貿易収支(8月) |
15:30 | 黒田日銀総裁が定例会見 | |||
日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目、終了後直ちに結果発表) | ||||
海外 | 07:45 | NZ・経常収支(4-6月) | ||
15:00 | 欧・新車販売台数(8月) | |||
16:05 | タイ・中央銀行が政策金利発表 | |||
17:00 | 欧・経常収支(7月) | |||
17:30 | 英・消費者物価コア指数(8月) | |||
17:30 | 英・生産者物価産出コア指数(8月) | |||
20:00 | 米・MBA住宅ローン申請指数(先週) | |||
21:30 | 米・経常収支(4-6月) | |||
21:30 | 米・住宅着工件数(8月) | |||
21:30 | 米・住宅建設許可件数(8月) | |||
ブ・ブラジル中央銀行が政策金利発表(セリック金利、20日までに) | ||||
独・ドラギECB総裁が講演 | ||||
オーストリア・欧非公式首脳会議(20日まで) | ||||
ハノーバーモーターショーのプレスデー(一般公開は20-27日) | ||||
9月20日 | 木 | 国内 | 08:50 | 資金循環統計速報(4-6月、日本銀行) |
10:00 | 銅電線出荷統計(8月) | |||
16:00 | コンビニエンスストア売上高(8月) | |||
自民党総裁選 | ||||
テノ. ホールディングスが東証マザーズに新規上場(公開価格:4600円) | ||||
アズームが東証マザーズに新規上場(公開価格:3000円) | ||||
海外 | 07:45 | NZ・GDP速報(4-6月) | ||
16:30 | スイス・国立銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
17:30 | 英・小売売上高指数(8月) | |||
21:30 | 米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月) | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
23:00 | 米・景気先行指数(8月) | |||
23:00 | 米・中古住宅販売件数(8月) | |||
25:00 | 米・家計純資産(4-6月) | |||
南ア・南アフリカ準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | ||||
印・株式市場は祝日のため休場(ムラハム) | ||||
決算発表 マイクロン | ||||
9月21日 | 金 | 国内 | 08:30 | 消費者物価コア指数(8月) |
09:30 | 製造業PMI(9月) | |||
13:30 | 全産業活動指数(7月) | |||
14:00 | 東京地区百貨店売上高(8月) | |||
14:00 | 全国百貨店売上高(8月) | |||
国債買い入れオペ(残存10-25年、残存25年超、残存3-5年、残存1-3年)(日本銀行) | ||||
イーエムネットジャパンが東証マザーズに新規上場(公開価格:3000円) | ||||
海外 | 16:30 | 独・製造業PMI(9月) | ||
16:30 | 独・サービス業PMI(9月) | |||
16:30 | 独・総合PMI(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI速報値(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI速報値(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI速報値(9月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者信頼感(9月) | |||
21:00 | ブ・拡大消費者物価指数(IPCA-15)(9月) | |||
21:30 | 加・小売売上高(7月) | |||
21:30 | 加・消費者物価指数(8月) | |||
22:45 | 米・製造業PMI(9月) | |||
22:45 | 米・サービス業PMI(9月) | |||
22:45 | 米・総合PMI(9月) |
- 提供:フィスコ社