日経平均は23,000円の壁を越えられないのか
23,000円を目前に上値重い |
225先物は前週末比210円の上昇となった。先週は12日の米朝首脳会談や日米欧の金融政策決定会合の開催が予定されるなか、模様眺め機運に包まれて始まった。イタリア財務相がユーロ離脱を否定したことが不安後退につながり、225先物は22,970円と節目の23,000円乗せ目前まで値を上げた。ただ、米朝首脳会談や米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会、日銀金融政策決定会合と無難に通過し、米中貿易摩擦の激化に対する警戒感などが投資家心理を圧迫し、週後半にかけては上値の重い展開を強いられた。225先物は5月下旬からの戻り歩調に一服感が出ているだけに、株価を一段と押し上げる新たな材料が不可欠だが、強材料は出そうにないだけに足元は調整含みの動きになりやすいだろう。
6月8日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆3,811億円の買い越し(前週は1兆6,687億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、7億3,934万株の買い越しと6月1日時点(9億682万株の買い越し)比で減少している。
225先物の手口では、UBSが週を通じてコンスタントに買いをこなし買い筆頭になったほか、AアムロC、メリル、CS、モルガンSなど海外勢が買い方上位になった。一方、先週買い方筆頭であった野村は今週、週半ばから後半にかけて売りをこなし売り方筆頭に転じた。また、TOPIX先物では、モルガンS、UBSなどの海外勢がコンスタントに買いを入れて買い方上位に名を連ねたほか、SMBC日興も週初に大きく買い越したことで、買い方上位になった。一方、JPモルガンが週を通じて売りをこなし売り方筆頭になったほか、ソジェンやBNPパリバといった欧州勢が売り方上位になった。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経VIは地政学リスクの後退などで低下したが |
日経ボラティリティ・インデックス(VI)は、15.00pt。前週末比1.05pt(下落率6.54%)安と下落した。12日の米朝首脳会談が無事に終了した。朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことを約束したことで、ひとまず地政学リスクが後退したことから、日経VIは一時14.48ptまで下落した。ただ、非核化に向けた具体的な工程表など具体策が明らかになっておらず、依然不透明感は残っており、週後半にかけて、日経VIは上げに転じた。また、トランプ政権は15日、中国の知的財産権侵害に対抗するため、中国から輸入する総額500億ドル(約5兆5,000億円)相当の製品に25%の追加関税を課すと発表しており、米中間の貿易摩擦への激化懸念から日経VIが再び上げに転じる可能性があることには留意したい。
NT倍率(先物)は週初には米FOMCを控え様子見ムードが強まったほか、結果がややタカ派な金融政策に警戒感が強まる形となり、12.7倍台での推移が続いた。ただ、週末にかけて外部環境の不透明感からファーストリテイリングなど内需系の銘柄を中心に資金が向かい、NT倍率は一時12.8倍台に上昇する場面もみられた。
日経平均は23,000円の壁を越えられないのか |
今週は、15日に発表されたトランプ米政権による対中追加制裁を受けた米中貿易摩擦懸念を背景に調整局面を迎えそうだ。米朝首脳会談や日米欧の金融政策決定会合を無難に通過したことから、先週は23,000円目前に迫るも新たな材料に欠け上値の重い展開だった。
欧米ともに金融政策の正常化に向けて前進がみられたが、株式や為替など金融市場は落ち着いた反応にとどまった。目先はその動向にも注意する必要があろう。特にドル高・円安余地が限定されれば、225先物の上値も限定的になりそうだ。
今後、指数がもう一段上昇するには、やはり外需株の出遅れ解消が鍵を握りそう。ドル・円が円安気味に振れ始めていることは業績にもポジティブに寄与するはずなのだが、機械株の一部は受注ピーク懸念、半導体株にはメモリーへの設備投資抑制の動きが指摘されていることが、上値を重くしている。こうした生産関連の指数が上振れてくると本格上昇を期待できるので、丁寧に確認していきたい。
また、今週は19日にマザーズ市場にメルカリ<4385>が上場する。メルカリ以降も21日にZUU<4387>など注目度の高いIPOが多い。特に個人投資家の資金流入が期待され、新興市場中心に商いが盛り上がることが予想されることから、主力の東証1部市場への波及効果を見込む。今週の想定レンジは22,000-23,000円とする。
経済スケジュール(6月18日〜6月22日)
- 提供:フィスコ社
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米朝首脳会談次第で23,000円を超える動きへ