日経平均はセリング・クライマックスとなるか
世界同時株安発生で大幅な下落に |
前週(17-21日)の225先物は週間ベースで1,080円と大幅な下落となった。お盆明けでまだ市場参加者が少ないなか、週初こそ20,500円レベルでの静かなもみ合いとなったが、週末にかけて売り崩される展開に。中国経済指標の下振れなどから中国景気への減速懸念が深刻化し欧米株は大幅安。21日の225先物はギャップ・ダウンで取引を開始した後は、上海総合指数が節目の200日移動平均線を割り込んだことなどが意識されて買戻しは入らないじり安の展開に。出来高は12万枚超と大商いだが、売り方優勢で下ヒゲを残せず大陰線が示現したことから一段安への警戒感は残ったままとなっている。なお、14日時点の裁定買い残は17.7億株と目立った変化は観測されなかったが、足元の急落を受けて裁定買い残は大幅に減少していると見る。
225先物の手口では、JPモルガンが7,000枚超の売り越しで売り筆頭となったほか、Nエッジ、クレディ・スイス、マネックス、バークレイズが続いた。一方、スライスオーダー観測が話題となったAアムロは買い方筆頭。これに大和、みずほ証券、ドイツ証券、野村が続いた。TOPIX先物に関しては、モルガン、バークレイズ、UBSが売り方上位に並んだほか、推定8万枚超の買いポジションを持っているゴールドマン・サックスは週末4282枚売り越し。一方、裁定ブローカーとみられているBNPパリバが7,000枚超買い越したが、これは、「現物買い、先物売り」いわゆる裁定買いのポジションを一気に解消したとの観測。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
米VIX指数は46%の急騰、市場の不透明感高まる |
日経VI(ボラティリティ・インデックス)は24p台まで上昇している。オプション市場の売買は週半ばまでさほど増加していなかったが、週末の指数急落を受けてプットサイドの売買が急増。9月限オプションのプットサイドの建玉では19,000円が2.9万枚と最も多い。次いで18,000円が2.3万枚。週明けのオプション市場は大商いとなっている。19,000円のターゲット達成で利益確定と損失確定及び新規のポジション構築と忙しい展開となりそうだ。米VIXが46%急騰するなど先行き不透明感が非常に高まっている。
NT倍率(先物)は週末にかけて急拡大している。225先物、TOPIX先物ともに売り優勢の地合いとなったが、郵政グループ上場が意識されて金融株は需給面なども影響し弱い動きとなった。225先物を中心とした売り仕掛けが入っているものの、時価総額が大きいメガバンクや生保の下げがNT倍率(先物)拡大の要因となった。
日経平均はセリング・クライマックスとなるか |
欧米の恐怖指数の水準や上昇率を見る限り、市場のセンチメントは悲観論に大きく傾いている。今回の世界同時株安のきっかけは中国景気減速とみられるが、米利上げに伴う世界のマネーの変調などが意識され売り方の回転が効いた地合いと言えよう。今週は需給面や企業の業績、ガバナンス改革などを背景とした日本株の底堅さが発揮されるか注目だ。英FTSE100、独DAX指数は6月に200日移動平均線を割り込んでいる。NYダウは7月、上海総合指数は21日この水準をそれぞれ割り込んだ。
24日の225先物は寄付き後、200日移動平均線19,003円レベルで下げ渋るような動きが見られたものの、上海総合指数が下げ幅を拡大したことや為替市場でドル売りが進行したことなどを背景に売り優勢の展開に。12時07分には先週末比920円安の18,510円まで急落した。この動きを受けて、日経VIは35p台まで跳ね上がるなど不透明感が色濃くなっている。オプション市場ではプットの売買が活発化しており、とりわけ18,000円プットの商いが増加。18,510円をボトムに下ヒゲ形成となれば、セリング・クライマックスから7月上旬のようなリバウンド相場も期待できる。一方、じり安で陰線示現となれば18,000円をターゲットとした売り仕掛けが入る可能性もある。ボラタイルな地合いとなっていることから、今週の上値メドは19,500円、下値メドは18,000円とする。
経済スケジュール(8月24日〜30日)
- 提供:フィスコ社
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