GDP速報値マイナスで、高まる追加緩和期待
先週は人民元切り下げで市場は混乱 |
前週(10-14日)の225先物は週間ベースで200円下落した。米金利引き上げ期待に伴うドル買いを背景に週初から買い優勢の展開となった。ただ、11日、TOPIX先物はあっさり年初来高値を更新した一方、225先物は指数インパクトが大きいファーストリテイリング<9983>が売られたことから相対的に上値は重く年初来高値手前で失速。その後、中国人民銀行が突如人民元切り下げを発表したことで市場は混乱し、短期筋の売り圧力が強まる地合いとなった。人民元安を消化するのに時間がかかったことで世界的な株安を招くこととなったが、週末にかけては市場も落ち着きを取り戻している。なお、7日時点の裁定買い残は17.6億株と7月末時点よりは1.2億株ほど増加。
225先物の手口では、推定売りポジション筆頭のゴールドマン・サックスが売り筆頭となったほか、JPモルガン、バークレイズ、クレディ・スイスが売り方上位に並んだ。一方、指数急落時に大商いを演じたABNアムロが買い方筆頭。TOPIX先物では、裁定ブローカーと見られるBNPパリバが売り筆頭となった一方、JPモルガン、ドイツ証券、モルガンが買い方上位に並んだ。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
8月SQは想定通りの小さいボリュームに |
日経VI(ボラティリティ・インデックス)は17.00p。指数が乱高下するタイミングで上昇する場面もあったが、20p台に乗せた後は市場の落ち着きとともに低下した。週末に算出された8月限オプションSQ値は20,540.36円と18年ぶりの高い水準となった。1銘柄辺りの売りは18万株、買いは16万株で小幅な売り越し。TOPIX型と合わせても売買代金は約1,200億円と想定された通りボリュームの小さいSQとなった。
NT倍率(先物)はほぼ横ばいとなった。足元、指数インパクトが大きいファーストリテ<9983>とソフトバンクG<9984>の動きがまちまちとなっている。8月3日に両銘柄とも下落したのを最後に9営業日連続で異なる動きが見られる。とりわけ、ファーストリテは7月30日に上場来高値61,970円をつけた後は8,000円ほど下げており、日経平均を約300円押し下げている。同社がこれだけ急落しなければ、日経平均は理論上21,000円を軽く超えていた。足元のNT倍率(先物)が縮小していた背景は同社の下げが大きく影響している。
GDP速報値マイナスで、高まる追加緩和期待 |
8月限オプションSQを通過したことから、商いの中心は9月限オプションに移っている。14日時点のコールサイドの建玉では、OP権利行使価格21,000円の商いが2.1万枚と最も積み上がっている。一方、プットサイドでは同19,000円が2.9万枚と最も多い。ATM(アット・ザ・マネー)20,500円を考慮するとプットサイドで関心が高まっている水準は大きく下方乖離した状態にある。
21,000円に3回跳ね返されたことからトリプルトップが意識されたとの見方ができよう。また、19,000円はギリシャショックで急落した7月安値19,100円とほぼ同じ水準だ。オプション市場の建玉では、上値が重く20,000円割れの場面も意識したポジションを取る投資家が多いと言える。9月SQまでは下を警戒したほうが良さそうだ。
4-6月期GDP速報値は前年同期比年率-1.6%と市場予想(同-1.8%)よりもやや強い数字となったが、想定通りマイナスとなったことで市場では追加金融緩和への期待感が高まるとの声が聞かれる。追加緩和期待から不動産や金融セクターを中心にしっかりとした推移となりそうだが、「緩和実施=高い経済成長率」の構図が見え難いことから早期の緩和実施は難しいか。ただ、今後出る経済指標次第では急速に追加緩和観測が高まることも考えられるため、日銀の情報発信から目が離せない。
今週は、年初来高値を更新するには材料不足と想定され、今週の上値メドは20,950円、下値メドは20,200円とする。
経済スケジュール(8月17日〜23日)
- 提供:フィスコ社
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