東京オリンピック関連銘柄では、日経平均株価は上がらない!?
日経平均概観
先週の日経平均株価の動向
先週は、16日(月)が敬老の日で休場で4営業日でした。
週初17日(火)は、FOMC前の様子見で安く始まりました。
しかし、18日(水)の早朝にFRBバーナンキ議長の米金融緩和縮小のゼロ回答のサプライズから、米国株高・ドル安円高となり、日経平均株価は194円高と急上昇しました。
19日(木)は、ドル円相場が99円台半ばまでの円安方向に動いたことから、日経平均株価は、260円高と2日連続で大幅高となりました。
20日(金)は、3連休控えもあり、小幅の値動きに留まっています。
9月13日(金)終値 14,404.67円
9月20日(金)終値 14,742.42円
+337.75円(+2.3%)と、週足では3週連続の大幅高となっています。
今後は、ドル円相場が100円台に入るような援護射撃があれば、日経平均株価は15,000円の大台突破の可能性が高まりそうです。15,000円の手前は、7月の戻り相場で抜け切れなかった水準なので、ここを抜けられるかどうかに要注目ですね。
図表1:日経平均株価日足チャート
当社HPより、SBI証券投資調査部が作成。データは2013年9月20日現在。
今週の急所 東京五輪関連銘柄では、日経平均は上がらない!?
日経平均株価は、日本経済新聞社が選定した225銘柄の単純平均株価の株価指数です。
まずは、日経平均の基本的なことから少し復習してみましょう。
日経平均株価は、日経平均採用の225銘柄のその時点の株価を額面50円相当(みなし額面)に換算した「みなし株価(みなし値)」を単純に合計し、その合計を日経平均に連続性を持たせる為に銘柄の入れ替えの度に変更される「除数」と呼ばれる値で割ることで算出されます。
ゆえに、高株価の銘柄の寄与度が非常に高いことになります。
例えば、寄与度の高い20銘柄のリストが表1になります。
寄与度トップの
1銘柄 ファーストリテイリングだけで約10%
これに、ソフトバンクとファナックを加えた3銘柄で約20%
逆に、下から100銘柄すべてを足し合わせても、約9.3%にすぎず、ファーストリテイリング1銘柄より影響度が小さいことになります。
このように、日経平均株価という株価指数は、非常にいびつな指数だと言えるでしょう。
図表2:日経平均株価寄与度ランキングTOP20
Bloombergデータより、SBI証券投資調査部作成 データは9月20日終値
2020年東京五輪関連銘柄だけで、日経平均は上がらない!?
9月7日に2020年夏季オリンピックの開催地に東京が選ばれ、大成建設など東京五輪関連銘柄が大きく株価を上げています。
日経平均株価は
9月6日終値 13,860.81円
9月20日終値 14,742.42円
と、約882円(6.36%)の上昇を見せています。
「東京五輪関連銘柄が上昇し、日経平均株価が上がった」などと報道されますが、果たしてそうなのか検証してみました。
図表3が、日経平均採用銘柄の中で、建設・不動産・広告など五輪関連銘柄としてSBI証券投資調査部が選定した24銘柄の9月6日から20日の騰落幅と、日経平均に換算した数値です。
合計すると約133円になり、この間の日経平均の騰落幅約882円に対して、約15%分だけ影響したと言えます、9月20日終値での、この24銘柄の寄与度の合計は、11.55%しかありません。
このように、東京五輪関連銘柄のみでは、日経平均を大きく上げることは、非常に困難だと言えます。
それより、寄与度TOP20に入る銘柄に関してのニュース(ファーストリテイリングの月次既存店売上高動向、ドル円相場、自動車業界の動向)などにより注目したほうが、日経平均の先行きを
占うには重要かもしれませんね。
図表3:2020年東京五輪関連銘柄と日経平均
Bloombergデータより、SBI証券投資調査部作成 データは9月20日終値
- ※騰落率等の実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
今後注目のイベント
・9月22日(日)ドイツ連邦議会(下院)選挙
→波乱なしが事前想定だが、もし波乱があるとユーロ相場中心に株式相場にも影響。
・10月1日(火) 日銀短観
安倍首相 消費税引き上げの決断?
→予定通り来年4月からの8%への引き上げが想定されるが、もし変更あれば、株式相場にも影響