今週末はメジャーSQ 最終決戦に持ち込むな!?
日経平均概観
先週末に、日経平均に大きな影響のある3つのイベントを通過しました。それぞれについてワンポイント解説しますと
・日経平均構成銘柄 定期入替え
除外 三菱製紙 組入れ 日東電工
一部で想定された任天堂ではなかったですが、9月6日終値86円の三菱製紙を除外して、5,690円の日東電工を入れるので、日経平均株価には若干マイナスのインパクト。
・8月米雇用統計
非農業部門雇用者数:16万9,000人増 失業率 7.3%
ネガティブ・サプライズで、NYダウは瞬間、150ドル近く下げましたが、そこから反発一旦プラス圏まで上昇しましたが、結局小幅安。 日経平均株価には、若干のマイナスのインパクト。
・2020年夏季オリンピック開催地決定
東京決定
建設・不動産などオリンピック関連銘柄中心に買いを期待 日経平均株価には。大きなプラスにインパクト。
結局、9月9日の引け値は、14,205.23 前日比 +344.42 (+2.48%)で終わっています。
日本人は目標が出来れば、それに向かって一致団結して邁進するのは得意です。2020年東京オリンピックは国を挙げての大きな目標となります。中・長期的な株価上昇要因となりそうです。
短期的にも、目先14,000円台をキープできれば、一段高で15,000円前後までの高値に可能性はありそうです。
(図表1)日経平均株価日足チャート
当社HPより、SBI証券投資調査部が作成。データは2013年9月9日現在。
今週の急所 今週は、メジャーSQ 最終決戦に持ち込むな!?
今週末は、先物・オプションの9月限月の満期日=SQ日があり、SQ(特別清算指数)が計算されます。
まずは、基本的なことから少し復習してみましょう。
先物・オプションには、「ここまでに反対売買しなくてはいけない日」=期日(満期日の前営業日)があります。もし、期日までに反対売買されなかったポジションは、自動的に「ある値段」で反対売買されることになります。
この「ある値段」が、SQ(特別清算指数)なのです。
日経225先物・オプションの場合満期日は、
日経225先物取引
3月・6月・9月・12月の第二金曜日
日経225オプション取引
毎月の第二金曜日
となります。先物・オプションの満期日が重なる3月・6月・9月・12月をメジャーSQ、それ以外をマイナーSQとも呼ばれます。
SQ(特別清算指数)は、この満期日の日経平均株価採用の225銘柄の寄付値から計算されます。
今週は、9月13日(金)が満期日なので、最終売買日は9月12日(木)となります。
買い方・売り方の思惑でこのSQ値を巡る攻防が繰り広げられることになります。
具体的には、SQ日(満期日)に、日経平均採用銘柄の現物株式を購入したり、売却することです。
例えば、日経平均先物に先高感があり現物指数より割高な場合、日経平気株価採用の225銘柄をすべて買って、割高な日経平均先物を売る裁定取引が行われます。
この裁定ポジションを期日まで持ち越し、SQ日の寄付きで現物株を売却すれば、先物・現物ともにSQ値で清算されますので、先物を割高に売った分だけ、儲かることになります。(実際には、売買コストや、現物株を購入する金利コストなどを差し引く必要があります)
だから、SQ日には、売り方・買い方の思惑や、ポジションの解消状況によって、寄付に日経平均株価採用の銘柄に売買が交錯し、大きな値動きとなることがあるのです。
(図表2)日経平均株価 SQ値とその前営業日終値との差異
Bloombergデータより、SBI証券投資調査部作成 太字はメジャーSQ
最終決戦に持ち込むな!?
上記のデータが、2012年以降のSQ値と、前営業日の日経平均の終値を比較したものです。
20回中7回も、100円以上の差異があり、かなり大きな値動きをみせることが判ります。
個人投資家の場合、期日までに反対売買を行わず、SQ決済まで持ち込んでしまうと、思わぬ大きな損失となってしまう場合があります。
9月限月の日経225先物・オプションのポジションをまだ保有している場合、出来る限り12日(木)までに、ポジションを清算したほうが、リスク管理の面からは、良さそうですね。
(図表3)幻のSQ
Bloombergデータより、SBI証券投資調査部作成 太字はメジャーSQ
幻のSQ
また、SQ値は、個別銘柄の寄付値から計算されますので、その当日の日経平均株価の高値・安値を外れる場合があります。これを幻のSQと呼ぶことがあります。
上記が、SQ値と当日の日経平均の高値・安値を比較したものです。
幻のSQ値は、目先の上値抵抗ライン・下値支持ラインとなる場合が、多いとも言われていますので、ご注意ください。
今後注目のイベント
・9月13日(金)メジャーSQ
→大幅変動の可能性。
・9月17日-18日 米連邦公開市場委員会(FOMC)
→大注目の米量的金融緩和縮小の判断の有無で大幅変動の可能性。
・9月22日(日)ドイツ連邦議会(下院)選挙
→波乱なしが事前想定だが、もし波乱があるとユーロ相場中心に株式相場にも影響。