前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円はやや軟調な動きとなったものの、実需のドル買い・円売りが観測されたことや、日経平均株価が初めて4万円台乗せとなったことから、リスク選好の円売りが優勢となった。さらに米長期金利の上昇も支援材料となった。欧州時間では、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利の上昇を受けて序盤からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、パウエルFRB議長の議会証言や米雇用統計の発表を控えて積極的な買いが手控えられ、さらに米長期金が低下に転じたことから下落する場面もあったが、終盤にかけては再び堅調な動きとなった。
米株式市場では、前日までナスダックが連日史上最高値を更新したことや、ダウが高値圏で推移していたこと、さらに重要なイベントを控えていることから、利益確定やポジション調整の動きが優勢となった。ただ、終盤には一時プラス圏を回復する場面もあり、底固い動きが続いた。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比174ドル安まで下落した。その後は、下げ幅を縮小する動きとなり、一時プラス圏を回復する場面もあったが、97.55ドル安(-0.25%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、67.43ポイント安(-0.41%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は如番から上値の重い動きとなった。ドル/円は、序盤の150.16から149.84まで下落したものの、その後は日経平均株価が初めて40000円台乗せとなったことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、時間外取引で米長期金利が上昇したことからドル買い・円売りが継続し、ドル円・クロス円は一段の上昇となり、欧州時間にかけてドル/円は150.46まで上昇した。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の上昇を受けてドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の150.43から150.57まで上昇したものの、6日のパウエルFRB議長の議会証言や週末の米雇用統計の発表を控えて積極的な買いが手控えられ、さらに米長期金が低下に転じたことも加わり、ドル/円は150.32まで下落した。ただ、終盤にかけては再び堅調な動きとなり、150.56まで値を戻した。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、主要な米経済指標発表もなく新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。本日から週末まで主要な経済指標の発表が続くことから、動きが出ることが予想されている。本日の米国時間では、2月の米ISM非製造業景況指数の発表が予定されており、特に雇用指数の結果には注目したい。
ただ、6日に半期に一度のパウエルFRB議長の議会証言、週末には2月の米雇用統計を控えていることから、様子見ムードが強まることが予想され、ISM非製造業景況指数が市場予想と乖離しなければ反応は限定的と見ている。また、6日には英国の春季財政報告、7日にはECB定例理事会が予定されており、金融政策の行方を見る上で注目されていることから、欧州通貨も限定的な動きが予想されている。
3/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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53.0 | 53.4 |
前回は、市場予想を上回り、昨年9月以来の高水準となった。新規受注や仕入価格、雇用が改善したことが影響したが、一方でコストの上昇が示された。今回は、前月から小幅低下が予想されているが、引き続き堅調さが維持していることが示されると見られている。ただ、マーケットでは物価上昇が注目されていることから、コスト上昇が示されるのか注目したい。 |