前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が大幅上昇となり、一時34円ぶりの38000円台乗せとなったことから、リスク選好の円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その中で、ニュージーランドのインフレ予想が鈍化したことから、NZドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後は米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強まり、限定的な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された1月の米消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇となった。ドル/円は、一時150.88まで上昇し、昨年11/16以来の高値を更新した。
米株式市場では、1月の米消費者物価指数の結果を受けて、FRBの早期利下げ観測が後退するとの見方が広がり、序盤から売りが優勢となった。さらに、米長期金利が大幅な上昇となったことから、金利動向に敏感なナスダックは下げ幅が拡大した。ダウ平均は、序盤から大きく下落となり、一時前日比757ドル安まで下落した。ただ、引けにかけて下げ幅を縮小する動きとなり、524.63ドル高(-1.35%)で終了。一方、ナスダックは286.95ポイント安(-1.80%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から前週末比900円超上昇したことから、リスク選好の動きから円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.25から149.52まで上昇した。一方、NZ中銀のインフレ予想が鈍化したことから、NZドルは主要通貨に対して下落となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の上昇となり、一時1113円高まで上昇し、1990年1月以来34年ぶりの38000円台を付けたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、時間外取引で序盤低下していた米長期金利が上昇したことから、ドル/円は一時149.57まで上昇し、9日に付けた昨年11/27以来の高値と面合わせとなった。ただ、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。欧州時間では、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードから小動きの展開となったが、下振れが予想されていることから、ドル売りが入ってやや軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された1月の米消費者物価指数で、前月比が市場予想の0.2%を上回る0.3%、前年比も市場予想の2.9%を上回る3.1%となり、さらにコア指数が8ヵ月ぶりの大幅上昇となったことを受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇となった。なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは、一時4.2907%まで上昇して昨年12/4以来の高水準となったことも加わり、ドル/円は序盤の149.24から150.88まで上昇し、昨年11/16以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨晩発表された1月の米消費者物価指数は、市場予想を上回る結果となり、FRBの目標である2%達成には時間を要するとの見方が広がった。そのため、早期の利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇したことから、ドル/円も150円台を回復する動きとなった。このタイミングで神田財務官が「必要があれば適切に対応する」、「高い緊張感持って注視している」などと円安を牽制する発言も見られた。マーケットが注目していた消費者物価指数の発表が終了したことで、注目は15日・16日に発表される主要な米国の経済指標発表に移っている。物価の上振れが確認されたため、指標結果が冴えない結果となるようなら早期の利下げ観測の後退観測が広がり、ドル買いが強まる可能性もあるが、良好な結果なら上昇が一服する可能性も考えられる。
本日は、米国の主要な経済指標の発表がないことから、前日の上昇が一服する可能性が考えられ、限定的な動きも予想されている。ただ、複数のFRB当局者の発言が予定されており、物価の上振れが発表された後だけに、発言には敏感に反応する可能性もあり、発言の内容が注目される。