前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、米長期金利の低下や日経平均株価の下落を受けて、ドル/円は序盤から上値の重い動きとなった。ただ、その後米長期金利が持ち直したことから、底固い動きが見られたものの、ドル/円は上下30銭程度の狭いレンジ内の動きとなった。その後、欧州時間に入り、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想の範囲内の結果となったことから反応は限定的だった。その後、米長期金利の急低下を受けてドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円も序盤の148.26から147.63まで下落した。下げ一服後は、新規材料に乏しい中で米長期金利が持ち直すと、ドル/円も終盤にかけて148.20まで値を戻し、クロス円も堅調な動きとなった。
米株式市場では、好調な企業決算を背景に、米経済のソフトランディングへの期待から買いが先行したものの、FRB高官から早期利下げ観測を牽制する発言が相次いでいることもあり、上値は限定的だった。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比226ドル高まで上昇した。その後はやや上げ幅を縮小したものの、156.00ドル高(+0.41%)で終了し、終値ベースで最高値を更新した。一方、ナスダックは147.64ポイント高(+0.95%)で終了し、2022年1月以来2年1カ月ぶりの高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の軟調な動きが一服し、ドル/円は序盤から底固い動きとなった。新規材料に乏しい中、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは上値の重い動きとなった。ただ、下げ一服後は堅調な動きも見られた。ドル/円は、序盤の147.94から147.70まで下落したものの、その後は148.99まで値を戻した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大して一時前日比300円超下落したことからドル円・クロス円は再び上値の重い動きとなった。しかし、米長期金利の下げが一服し、上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間には、米長期金利が上昇したこからドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米貿易収支で赤字額が市場予想の620億ドルを上回る622億ドルとなったものの、予想の範囲内であったことから反応は限定的だった。その後、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.121%から4.063%まで急低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円も序盤の148.26から147.63まで下落した。下げ一服後は、新規材料に乏しい中で米長期金利が持ち直すと、ドル/円も終盤にかけて148.20まで値を戻し、クロス円も堅調な動きとなった。
本日のトピックス
ドル/円は、引き続き148円台では上値の重い動きが続いており、再び147円台での展開も予想されている。今週は主要な経済指標の発表が少なく新規材料に乏しい中で米金利の動きに左右される展開が続いている。特に、来週の米消費者物価指数の結果を見極めたいとの見方も強まりつつあり、積極的な売買がやや手控えられている。
本日の海外市場では、米新規失業保険申請件数の発表が予定されており、予想と乖離する結果とならなければ反応は限定的と見られている。ただ、本日も複数のFRB高官の発言が予定されており、引き続き年内の利下げの可能性を示唆するものの、早期の利下げには否定的な見方を示すと予想されており、発言を受けたマーケットの反応は限定的と見られている。ただ、予想外の発言となった場合には反応が見られるだろう。