前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、その後に米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円でも堅調な動きとなった。一方、ドル/円の上昇にクロス円も底固い動きとなったものの、対ドルでの下落もあり、やや上値は限定的だった。欧州時間では、米長期金利が一段の上昇となったことや、円売りが優勢となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想を大幅に下回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。しかし、株価下落でリスク回避のドル買いが入ったこともあり、ドルは底固い動きとなった。さらに、FRB理事が「以前ほど迅速に利下げしたり急いだりする理由ない」との見方を示したことを受けて米長期金利が上昇し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は147.31まで上昇した。
米株式市場では、米企業の決算発表が本格化することを受けて、業績悪化を懸念した売りが優勢となった。さらに、FRB理事の発言を受けて米長期金利が上昇したことも圧迫要因となった。個別では、航空機の事故を巡り、業績への影響が懸念されたボーイングが7%超の下落となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、一時前週末比391ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小する動きとなり、231.86ドル安(-0.62%)で終了。一方、ナスダックは、28.41ポイント安(-0.19%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じて前日比314円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の145.87から145.59まで下落したものの、時間外取り引きで米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円も146.20まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、ドル/円の上昇に連れて対円では堅調な動きとなった。
(2)値を戻していた日経平均株価が午後に入り再び軟調な動きとなったことから、クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、米金利が高止まりしたことから、ドルは主要通貨に対して底固い動きが続き、ドル/円は146.27まで上昇した。欧州時間では、米長期金利が一段の上昇となったことや、円売りが加速したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表されたNY連銀製造業景気指数が市場予想の-5.0を大きく下回るー43.7となり、2020年5月以来の大幅なマイナスとなったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、序盤の146.78から146.29まで下落したが、6ヵ月先の予想が2ヵ月連続で上昇したことや、株価下落でリスク回避のドル買いが入ったことで、ドルは底固い動きとなった。さらに、ウォラーFRB理事が「インフレが再燃しなければ今年利下げは可能」とした一方、「以前ほど迅速に利下げしたり急いだりする理由ない」との見方を示したことを受けて米長期金利の指標となる米10年債利回りが1/5以来の高水準となる4.08%まで上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は147.31まで上昇した。
本日のトピックス
前日の海外市場では、米長期金利の上昇を受けて、ドルも主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は一時昨年12/6以来の高値を更新した。昨年12月序盤から、FRBの早期の利下げ観測を背景にドルは軟調な動きとなっていたが、今年に入りFRB高官が早期の利下げ観測を牽制する動きが続いたこともあり、過剰な利下げ観測がやや緩和されてドルは堅調な動きとなっている。ただ、時期の問題ではあるものの、年内の利下げ開始は確実視されていることから、ドルの上昇が続くとの見方は懐疑的と見られている。
金利先物市場では、3月の0.25%利下げの折り込み度合いは現状で65%であり(年初は87%、昨年クリスマス前は100%)、やや後退してきている。ここからの判断には、やはり経済指標の結果が重要となってくる。ただ、再び早期の利下げ観測が高まる場合には、FRB当局者の牽制も予想されることから、注意も必要だろう。
本日の米国市場では、小売売上高、輸入物価指数、鉱工業生産などの発表が予定されている。さらに、複数のFRB高官の発言も予定されていることから、指標の結果とともに引き続き米金利動向にも注目したい。
1/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.4% | 0.3% |
前回は市場予想を上回る伸びとなり、ガソリン価格の低下が感謝祭に関連するセールでの消費を後押ししたと見られている。引き続き良好な流れが年末まで続いたと見られており、今回も伸び幅の拡大が見込まれている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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39 | 37 |
前回は市場予想と一致し、5ヵ月ぶりの上昇となった。一戸建て住宅販売は変わらなかったものの、FRBの早期利下げ観測を背景とした米金利の低下に伴い、販売見通し指数や見込み客足指数が上昇に転じたことが影響した。今回は、前回から更に上昇が予想されており、金利低下を背景に、住宅市場の改善傾向が見られるのか注目されている。 |