前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したこともドル/円の押し上げ要因となった。午後に入ると、日経平均株価が上げ幅を拡大したことや、米長期金利が一段の上昇となったことから、ドル/円も151.09まで上げ幅を拡大した。ただ、上昇一服後は高値を警戒する動きも見られた。その後、米長期金利が低下したこと受けてドルも下落したが、欧州時間には再び米長期金利が上昇に転じたことから、ドルも堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。下げ一服後は、FRB高官のタカ派発言を受けて米長期金利が上昇し、ドルは堅調な動きとなった。その後、米30年債入札が冴えない結果となり金利が一段の上昇となったことや、パウエルFRB議長のタカ派発言も加わり、ドル/円は151.39まで上昇し、11/1以来の高値を更新した。
米株式市場では、序盤は底固い動きが見られたものの、米金利上昇を受けて一段の下落となり、さらにパウエルFRB議長が追加利上げの可能性に言及したことも加わり、主要株価指数は下げ幅を拡大した。ダウ平均は、序盤に前日比55ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時252ドル安まで下落した。引けにかけてやや下げ幅を縮小し、220.33ドル安(-0.65%)で終了した。一方、ナスダックは、128.96ポイント安(-0.94%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル/円は151.00まで上昇した。仲値通過後は上昇が一服し、ドル/円は150.82まで下落したが、日経平均株価が前日比330円超上昇したことから、下値は限定的となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時557円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは一段の上昇となり、ドル/円は151.09まで上昇した。ただ、151円台では上値の重い動きとなり、米長期金利が低下するとドル/円も150.77まで下落した。その後は米長期金利が持ち直したことからドルは再び堅調な動きとなり、ドル/円も151.18まで上昇した。
(3)米国市場では、直前の欧州時間に151.18まで上昇した流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。下げ一服後は、ボウマンFRB理事が「インフレを抑制するにはさらなる利上げが必要になる可能性がある」と発言するなど、複数のFRB高官が追加利上げの必要性に言及したこと受けて米長期金利が上昇となり、ドルは堅調な動きとなった。その後、米30年債入札が冴えない結果となったことで米金利が一段の上昇となり、さらにパウエルFRB議長が「さらなる引き締めが適切になれば躊躇しない」と発言したことも加わり、ドル/円は151.39まで上昇し、11/1以来の高値を更新した。一方、ピル英中銀MPC委員が「金利をこれ以上引き上げる必要がない」との見方を示したことを受けて、英中銀の利上げ終了観測が強まり、ポンドは欧州時間から主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
海外時間では、複数のFRB高官のタカ派発言を受けて米金利が上昇となり、ドルも主要通貨に対して上昇した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは、10月には一時4.99%まで上昇していたが、8日には4.4%台まで低下(昨日は4.64%まで戻した)していた。
インフレを低下させるために利上げを続けたが、依然として目標の2%を上回っている。目標に到達前に金利が低下してきていることから、インフレ低下の動きが鈍化しかねない。ただでさえ原油価格の上昇もあることから、タカ派発言は金利の低下を牽制するためにバランスを取っているとも考えられる。
米長期金利が上昇していることから、引き続きドルは底固い動きが続く可能性が考えられる。ドル/円は、前日の海外時間から151.30台で上値の重い動きが続いているが、ここからの上昇には政府・日銀の介入警戒感も意識される可能性が考えられる。そして、前回もこの水準では為替介入がなかったことから、10/31高値の151.70近辺までの上昇も考えられる。ただ、警戒感があることから、値を固めながらの上昇が予想される。
11/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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63.5 | 63.8 |
前回の10月の確報は市場予想を上回ったものの、3ヵ月連続の低下で5月以来の低水準となった。現況指数、期待指数がともに低下となり、1年先のインフレ期待が5ヵ月ぶりの高水準まで上昇したことが影響した。今回の速報では、前月から変わらず予想となっているが、1年先のインフレ期待が上昇するのか、低下するのか注目されている。 |